■1日目・出発(2019.7.15)月
アポイ岳は北海道日高にある千メートルにも満たない山だ。その南の果て、日高山脈の海に落ちるところが襟裳岬。この地域は昨今の北海道のインバウンドブームの恩恵もあまり受けている感じもなく、JR日高線も数年前の災害で不通。そんな時流に乗り遅れた感じが、いかにも最果ての北海道的な感じだけどどうかな・・・。
とは言うもののアポイ岳は以前から重大な関心があった。標高は低いももの襟裳岬近辺は天候が悪く霧がかかることも多い。そんな気候がこの山を美しい花の山として有名にしている。今、名古屋は梅雨末期。特に今年は梅雨明けが遅くここ数週間雨模様。北海道ならいくぶんは良かろうと出撃してきたけど、天候はどうかな?
15日から18日までの三泊四日。天気予報で16日・17日はなんとか良さそうだけど襟裳岬近辺の状況はわからない。とりあえず浦河のゲストハウスに予約は入れた。新千歳空港から浦河までの交通の便が悪い。日高線は不通だし・・・。結局、新千歳空港から浦河までは高速バスが一番早そうだ。そのバスは空港で三時間待ち。折しも三連休の最終日。新千歳空港の中心部はデパートの大北海道展の様相。得たいのしれない言語が飛び交う阿鼻叫喚。混雑嫌いの私としては空港の片隅の人気のないところでモスバーガー肴にイイチコ飲みつつこれを書いている。
◆行動記録
9:15 勝川
9:35 金山
10:06 中部国際空港着
11:50 中部国際空港発(往復:20,420円)
13:35 新千歳空港着
16:26 新千歳空港(JAL2番乗場)(バス浦河行き特急ひだか優駿号) 2620円
19:17 浦河役場前着
・宿泊:ゲストハウスまさご(3泊分 10692円)
・夕食:味の助六(天ざるビールL1750円)
・コンビニ1260円
・夜、星空鑑賞、JRA日高育成牧場桜並木
【浦河へ向かう高速バスから太平洋が見える】
【ゲストハウスまさごは一階が銭湯、ラーメン屋、二階がゲストハウス。昨年オープン。雰囲気のあるバーカウンタもあり、ベッドのシーツも清潔。三連泊で楽しく過ごせた。ただただ素晴らしい。】
■2日目・アポイ岳(2019.7.16)火
天気は良い。アポイ岳に登らねばならぬ。早朝の様似行きのバスに乗るために準備していると宿のオヤジさんに「送っていくよ」の暖かいお言葉。その結果、7時前には歩きだしていた。バス利用なら9時ごろの登山開始を予定していたが、2時間以上時間を短縮することが出来た。したがって急ぐ必要もなく、のんびり度に拍車がかかる。汗もかかかない程度の速度で緩やかな樹林の中を進む。森が深い。とても楽しい。
五合目の小屋を過ぎると稜線への急登が始まる。登るにしたがって背後の海の展望が広がる。アポイ岳は花の山として有名だけど、展望も素晴らしい。お目当ての花は私には好くわからない。小さいけれど鮮やかな花が咲いている。花の多さは白山には負けると思うけど、何かの珍しい固有種があるのだろう。千メートルにも満たない山だけれど充分楽しめた。うれしい。
◆行動記録
・宿の親父さんに登山口まで送ってもらう
・昆布とり見学
・小牧の夫婦
・6:50 登山開始
・7:20 第2休憩所
・9:15 馬の背お花畑
・10:00 山頂
・10:20 下山開始
・12:30 下山
・千葉の単独
・仙台の単独に様似まで送ってもらう
・様似の観光案内のおばちゃん
・工藤商店タコまんま、つぶめし、とりあし
・自転車ツーリングジジイ
・バス:様似ー浦河 360円
・夕食:三之助 3380円地魚刺身、カレイ塩焼き、冷酒
・ゲストハウスラーメン屋:750円(生ビール、行者ニンニクギョウザ)
【アポイ岳へ行く途中、コンブ漁を見学。思いの他、岸に近いところで昆布を取る】
【様似を越えるとアポイ岳が見えた】
【登山口は整備されている】
【緩やかな樹林の中の道を歩き出す。森が濃い】
【なんとなくアポイ的な景色】
【馬の背からアポイ山頂を望む】
【アポイ岳山頂、展望はあまり良くない】
【三之助の刺身一人盛り】
■3日目・自転車徘徊(2019.7.17)水
アポイ岳に登ったので今回の旅の目的はクリア。宿で自転車を借りて付近を徘徊。様似のエンルム岬、タコまんま(かまぼこ)、帰りに天馬街道沿いの牧場の馬を眺め、知る人ぞ知る桜並木、JRA育成牧場等を巡り有意義な一日だった。最後は宿の親父さんに紹介された「盛っきりや」で夕食。隣に座った競走馬の生産者の方との話も面白かった。
今回の旅で想定外に良かったのは浦河近辺の競走馬の牧場だった。広大な敷地に緑の牧草が広がり馬がのんびり草を食んでいる。牧場の境の枠に近づくと寄ってくる馬もいる。近くで見ると可愛い顔をしている。そしてその皮膚は黒く茶色く光輝く。まさに高級ベルトのコードバンだ。その皮膚にアブか何かの虫が絡むけど尻尾を上手く使って追い払っている。美しいサラブレッドを見ていると「優駿」という言葉を思い出すけど、昔読んだ宮本某の優駿のストーリーは思い出せない。
◆行動記録
・8:40 自転車で行動開始
・11:00 様似
・12:00 様似駅
・浦河JRA育成牧場近辺を徘徊
・16:00 帰還後銭湯
・工藤商店 タコまんま、トリアシ、マツブ(1128円877円)
・盛っきりや、刺身、ホッキバター、塩麹銀鮭、ビール2(3100円)
・JR浦河ー新千歳空(3380円)
【拾った昆布だけでも十分な漁だ。】
【様似、親子岩】
【エンルム岬、この岬に守られて様似は昔からの良港】
【エンルム岬から見下ろす様似港】
【この日のアポイはガスの中】
【エンルム岬にも花が咲いていた】
【エンルム岬の裏のカンラン岩の岸壁】
【JRA育成牧場へ行く時に見つけた馬のカップル】
【帰りに寄ってきた。多分雌の方。私の顔を覚えていたかも・・・。】
【JRA日高育成牧場の桜並木。あまり有名でないけど凄い桜かも・・・】
■4日目・帰還総括(2019.7.18)木
最終日は霧雨だった。ザックにカバーを掛け、傘をさして日高線代行バスの停留所に向かった。昨日までの三日間は梅雨の最中の行動としては奇跡的に恵まれていたかもしれない。アポイ岳に登った日は高曇りで展望が素晴らしかったけど、その後の二日間は山頂は雲のなか。今回の旅はすべての意味でついていた。
静内までの車窓から眺める太平洋は垂れ込めた霧と相まって最果て感を醸し出す。静内、鵡川そして苫小牧までも人気は少なくひなびている。札幌市、函館、ニセコ、知床、礼文などなど最近訪れた北海道の中でも最も昔の空気を残しているのがこの日高かもしれない。
今回の旅はそんな昔の気分を味わうことが出来て楽しかった。ただ、出会う人々がの高齢化は著しい。昔、「カニ族」と言う言葉があった時代の方々が時間と経済力を獲得し、遣り残した行動に再チャレンジをしているように見える。私もその一人であるけど、ソレハソレデ居心地は良い。ただその間に失ったものは体力、そして外見の見映えだ。こればかりは如何ともしがたい。
◆今回の旅でであった方々
・ゲストハウスまさごの若旦那、野球のキャッチャーで頑張ってきたナイスガイ。今は宿の運営に頑張っている。
・三重からの夫婦、新日本海フェリーで軽ワゴン、星空観測
・ゲストハウスまさごの大旦那、日高の事情通、遊びの達人
・今シーズン初の本格的昆布漁にわく漁師のオッチャン
・愛知隣町の夫婦、アポイ岳登山口で出会い行動を共にする、太平洋フェリーで運んだ車で北海道を40日放浪中
・千葉の単独のオッチャン、雨竜沼からアポイ岳に転進
・仙台のおっちゃん、アポイ下山後バスを探す私に声をかけてくれ、様似の町まで送ってくれた。
・様似駅観光協会のおばちゃん、エンルム岬、EXILEも食べに来たタコまんま
・自転車テント泊のオッチャン、遠目には若者に見え「感心な若者」と好感を持って見ていたけど近くで見れば私と同世代。海岸でテント泊の計画を地元の人から熊が危険と諭され駅で泊まることにしたようだ。駅で泊まるなんて北海道的だなあ、、、。
・拾い昆布を干しているおばちゃん
・居酒屋もっきりやのママ、風邪で声は出ずもマスクを外した顔は美人
・居酒屋もっきりやで隣に座った競走馬生産者、日高に来たことを再認識
・静内駅構内の蕎麦屋のオッチャン、亡くなった奥さんは春日井出身、静内の蕎麦は汁がが美味い。さすが昆布の生産地
◆行動記録
6:40 浦河発
9:07 静内発 86分
10:58 鵡川発 7分
12:14 苫小牧発 41分
12:42 新千歳空港着
14:30 新千歳空港発
16:20 中部国際空港着
【霧雨の中バスを待つ。JR浦河駅は健在だけど列車は走ってない】
【日高線は鵡川ー苫小牧だけになってしまった感じ。】