2010年2月28日日曜日

朝熊山(25-1-58)

(朝熊山山頂から鳥羽方面を望む)


(近鉄朝熊駅は無人駅だ)



(登山道脇には石仏多数)


(山頂付近の経塚群、伊勢湾台風で立ち木が倒れ発見されたとか)



(朝熊山金剛證寺)



(架け替えられた伊勢内宮宇治橋)


(豚捨、牛丼、イケル)


朝熊山は伊勢神宮(内宮)の東、標高555m。アサクマではなくアサマと読む。山の上には金剛證寺というお寺がある。伊勢神宮の鬼門を護るとかで昔は良くの登られていたらしい。私が高校時代読んだ吉川英治の宮本武蔵もなぜか登っていたような、記憶がある(定かでないけど・・・)。以前から気になっていたその朝熊山へ「てくてくまっぷ」をにぎりしめ登ってきた。

朝8時21分の近鉄急行宇治山田行き急行、宇治山田で賢島行き普通に乗換え二駅目の朝熊駅まで2時間強。今回も特急には乗らずその特急料金(1280円×2)を下山後の「一杯」に充当する作戦。近鉄朝熊駅は無人駅。予想に反して何もない。付近を探索するも行動食購入の店もない。その時、近鉄の駅員が車で登場。何か張り紙を張っている。

あとで張り紙を見てみれば、前日発生したチリ地震の影響で津波警報発令。五十鈴川駅-賢島間の電車が午後から普通だとか。今回は朝熊山に登った後、鳥羽の先の船津へ下山する予定。その船津が不通区間の真っ只中だ。津波警報なら長引くと見て、朝熊山から伊勢神宮方面へ戻ることに計画変更。本来なら下山後、鳥羽あたりでサザエのつぼ焼きなんぞを肴に一杯やる予定なるも、急遽、伊勢神宮「おかげ横丁」での赤福で渋茶に変更か・・・。

朝熊駅周辺はほとんど人の姿も無くひっそりしている。しかし戦前までは朝熊山金剛證寺へのメインルートだったとかで、なかなかしっかりした気配の家が多い。11時チョイ前、歩き始める。明け方降った雨も上がり気分が良い。梅もほころび春を感じる。すぐに急な登りになる。登山道脇には丁石と石仏が多数。丁石は22丁まで、登る距離の目安となる。

22丁の丁石の脇を抜けると視界が全面的に開ける。ここまで1時間半ほどの登り。眼下に伊勢の街並み、青い海の彼方にのっぺりした知多半島が見える。大きな山も無くあんなのっぺりした陸地なら、太平洋を越えてくる海のたわみに一気に覆われてしまうのではないか?と、感じるぐらい薄っぺらい陸地に見える。

この場所は、戦前まで大きな旅館が有ったらしい。名前はとうふや(東風屋)旅館。朝熊駅の集落からここまでケーブルカーが運行し、大いに賑わったとか。そのケーブルカーも昭和19年、太平洋戦争でレール供出。その後、車社会で伊勢志摩スカイラインに取って代わられ、運行断念。でも、今、ケーブルカーが動いて、伊勢の魚介をこの山の上で食べつつ、海を眺めることが出来たらなんと素晴らしいことか・・・。

とうふや旅館跡地から30分程度で朝熊山山頂。八大龍王社がある。ベンチに腰掛け、海を眺める。先ほどのとうふや旅館跡からの展望に加え鳥羽、渥美半島も見える。鳥羽の沖の島の連なりは串本の橋杭岩のようにも見える。

金剛證寺へ回ってみる。予想に反して大きな寺だ。山頂周辺には多くの建物の遺構もある。伊勢湾台風で立ち木が倒れその結果発見された経塚群跡も面白かった。奥の院への卒塔婆群にも圧倒された。金剛證寺からは伊勢神宮方面へひたすら下り約2時間。夕方4時、内宮着。到着早々、人の多さに圧倒される。新しく架け替えられた宇治橋を渡り伊勢神宮も参拝」。あらためて神宮内の巨木に感心した。

参拝後、おかげ横丁の「豚捨」で打ち上げ。コロッケ肴に冷酒と牛丼。そのコロッケ、牛丼は素晴らしく美味しかった。私、「豚捨」のまわし者ではありませんが・・・。(2010.02.28/日)

●各種データ
・近鉄名古屋-近鉄朝熊:1530円
・バス神宮会館-近鉄宇治山田駅:320円
  (始発の内宮からなら410円。ほとんど離れてないのに90円違う。不思議だ)
・近鉄宇治山田-近鉄名古屋:1410円
・おかげ横丁・豚捨
  コロッケ(2個)、牛丼、冷酒2合:2600円ぐらい
●行動
・午前8時21分:近鉄名古屋発
・午前11時:歩き出す
・午後0時30分:とうふや旅館跡
・午後1時:朝熊山山頂
・午後2時:金剛證寺を下山開始
・午後4時30分:内宮
・午後6時前:近鉄宇治山田発
・午後8時前:近鉄名古屋着
・歩行行動時間:約5時間
 (ちょっと汗をかいた)

2010年2月21日日曜日

信貴山(24-1-57)

(仁王門から望む信貴山本堂)


(なぜか寅、ここで記念撮影)



(恩智神社からの登りで振り返れば大阪)


(恩智越えののどかな山道)

(信貴山奥の院の横の石碑)


(信貴山からの下り、ケーブルカー跡)


(上本町ハイハイタウンほてい寿司)


信貴山は奈良と大阪の間、生駒山の南。高校以来の日本史で名前だけは聞いていたがイマイチ馴染みの無い寺だ。聞くところによると今年は寅年。なぜか信貴山が賑わっているらしい。「寅」と信貴山の関係を調査すべく信貴山に行ってきた。前日、近鉄ホームページから「てくてくまっぷ」をゲット。関西のハイキングにおいてこの「てくてくまっぷ」はなかなかのスグレモノ。

前日にチケットショップで買った株主優待券をにぎりしめ、朝、8時21分発の急行に乗込む。今回は特に急ぐわけでもないので、「特急には乗らないぞ」との固い決意。その浮いた特急料金で大阪で一杯飲む計画なのだ。

しかし早くも伊勢中川の乗り継ぎで挫折。急行の連絡が無い。やむをえず八木まで急行に乗ることにする。悔しい。870円出費してしまった。八木で普通に乗換え11時30分ごろ近鉄大阪線・恩智駅下車。

ここから生駒山から南に伸びる尾根を越え(恩智越)、奈良側へ回り込み、信貴山朝護孫子寺を目指し、生駒線・信貴山下駅まで歩く予定。てくてくまっぷによれば9キロの行程。ついでに信貴山城址にも行きたいので、もう少し行程は長いかも知れないけど、夕方、大阪で一杯やる時間はあるだろう。

歩き出すとすぐに恩智神社。この周辺は古くて立派な家が多い。神社の脇から山に入る。気温が高い、汗が流れる。振り返れば大阪の街が良く見える。登山道の両側には桜の木。花の時期はさぞ綺麗なんだろうなー。のどかな山道を2時間程度歩いて信貴山朝護孫子寺到着。

さすが寅年。人が多い。大きなトラの前で記念撮影の人並みがゆれる。奈良の「せんとくん」同様、なんとなく愛嬌のあるゆるめのトラだ。本堂の彼方に金色に光るお地蔵さんも見える。ありとあらゆる仏様、さらにお稲荷さんのような赤い鳥居が延々と続く。これだけ多くの「神様」「仏様」がいらっしゃればそのご利益はいかばかりであろう・・・。

本堂の脇から赤い鳥居を延々とくぐり、急な山道を登ると、山頂に出る。そこに信貴山城跡の石碑。ここで松永久秀がナントカ言う「茶釜」と一緒に爆死したのか・・・。信貴山縁起絵巻ともども、なんとなくドラマチックな信貴山でありました。

信貴山からは廃止されたケーブルカーの跡を一直線に駅まで下り、チョイと心地よい筋肉痛を楽しめたハイキングとなりました。帰りは近鉄上本町のハイハイタウンの「ほてい寿司」で寿司を摘みつつ、ビールと冷酒。ヘロヘロになりつつ18時20分発の鳥羽行き急行。中川で寝過ごしそうになりつつも夜9時30分ごろ近鉄名古屋駅に帰還しました。

●上本町ハイハイタウン
近鉄上本町駅から直結している、昭和の香りを残した飲食街。再開発の荒波にもまれつつも頑張っている気配。さすが大阪だけに、その中の飲食店のコストパフォーマンスおよびクオリティーは高い。その中でも私は「ほてい寿司」と「ハイハイ天山閣」(立飲み、椅子あるけど)を愛用

●各種データ
・近鉄株主優待乗車券2枚:3000円(1枚1500円、売却するときは1000円)
・近鉄特急券(中川ー八木):870円
・近鉄生駒線信貴山下駅ー上本町普通乗車券:480円
・歩行行動時間4時間
 (多少のアップダウン。チョット汗かいた)
・夕食「ほてい寿司」:3500円 寿司、テンプラ、ビール、冷酒

●近鉄「てくてくまっぷ」
関西のハイキングにおいては非常に有効なイラストマップです。特に大阪、奈良方面が充実している。情報の内容も頻繁に更新している模様。今回の恩智越え信貴山のマップも2009年3月時点の情報で更新と記載。そのハイキングコースの最寄り駅で無料で配布していたが、最近はネットからダウンロードできる。URLは
(2010.02.21/日)

2010年2月14日日曜日

牛岳温泉スキー場(23-2-56)

(1550mのクワッドの下は広大な緩斜面)


(立山、雄山は白い、剣は黒い)

(牛岳温泉スキー場の閉鎖された斜面1)

(牛岳温泉スキー場の閉鎖された斜面2)

今年は天候が不安定。2月のこの時期、本来なら何のためらいも無くスキー場を目指すのだが、季節外れの前線停滞で天気が読めない。そんな訳で向かった山田温泉。その帰り、近くにある牛岳温泉スキー場に寄ってみる。おりしもバレンタインデー。ほとんど縁の無いバレンタインデーになぜ触れるのかと言うと、リフト券が半額だったのだ。その訳は「バレンタイン割引」。一日券3500円が1750円。シニア3時間券(2100円)より安い。その「お得感」で思わずリフト券購入。

牛岳温泉スキー場はけっこう大きなスキー場だった。なぜ過去形なのかというと昨年(?)までは奥に上級者斜面が広がっていた模様。現在は1550mのクワッド(長い)がかかる広大な緩斜面一枚の初心者用ゲレンデだが、その奥にの対面の山に急斜面のコースを発見。歩いて登っている人影も遠望。スキーセンターに戻って聞けば、以前はそこまでコースだったとか。3月になり雪も落ち着いてきたら、一日かけてスキーハイクも楽しそうだ。

この牛岳温泉スキー場からの展望は素晴らしい。立山、剣が近い。その右に薬師・太郎。左には毛勝・猫又。さらに視線を左に移せば富山湾。そして富山市街。呉羽山を挟んで高岡、そして氷見、城端方面まで望める。(2010.02.14/日)

2010年2月13日土曜日

富山・山田温泉(23-1-55)

(山田温泉・内湯、浴槽の縁から大量の湯が溢れる)


(山田温泉・玄猿楼の外観)

(湯治プランの夕食、すべてのクオリティ高い)

山田温泉、玄猿楼は以前より一度行ってみたいと思っていた。ただ、「湯温40度の天然かけ流し」に若干の不安。湧出時40度ということは浴槽に注がれるときは加温が必要。したがって湯量が少ないのでは?さらに関西方面における団体バス旅行企画の伝聞等等で「混むのではないか?」と足が遠のいていた。

しかし、行ってみればまったくの杞憂。とても快適な宿だった。外観は昔風大型温泉ホテルなるも隅々まで掃除も行き届き、従業員も優しかった。さらに湯量も多く、浴槽の縁から溢れる温泉を久々に楽しんだ。料金も「湯治プラン」が設定され、かなりリーズナブル。食事も富山からの新鮮な魚が提供されている。温泉はチョットだけ塩分を感じるも癖が無い。湯音も適温、長湯が可能。透明な湯に漬かっているものの何か重みのある正真正銘の源泉の感覚。良い湯でした。

今回、当日の朝の予約で宿泊ゲット。冬の間は特に空いているようだ。山田温泉の奥の牛岳温泉スキー場のスキー客が泊まっている程度。でも気候が良い時期はけっこう混むかもしれない。特に「風の盆」の時は混むんだろうなー。なんせ八尾のすぐ近くだもんね。

食事のとき金沢のスイミングの子供たちのスキーツアーと同席。大量の子供と同席するのは久々の体験なるも、行儀の良い子供たちと一緒に食事をするのはなかなか気分のいいものだった。子供のうちからこのような教育をしていくことは良い事だ。(2010.02.13/土)

●情報
・湯治プラン料金1泊2食付7500円ポッキリ(一人なら8550円)
・食事のとき頼んだ冷酒「吟醸・風の盆」1200円
 途中の酒屋で買った「風の盆」一升1700円ぐらい
 安い、味はそんなに変わらない
・宿電話:076-457-2121
・アクセス:高山から車で2時間半ぐらいかな・・・。

2010年2月7日日曜日

栄山寺(22-1-54)

(栄山寺・八角堂)


最初に栄山寺に来たのは今から10年以上前だった。奈良の向こう、大阪と和歌山に近く、「こんなところにこんな寺が」と驚いたものだ。でも、吉野川(紀ノ川)を南に臨む、日当たりの良い場所にある。昔から気分のいいところだったんだろうなー。栄山寺の見所は「八角堂」。法隆寺の夢殿を連想させるような国宝だ。

今回、訪れた時、寺の人が掃除中。聞けば翌日、テレビの取材があるとか。今までいつ来ても人気も無く、拝観料も払った記憶が無いけれど、今回は拝観料400円。お堂の内部にまで入り、寺のオッチャン(坊さんかなー?)からじっくり話を聞くことが出来た。内部の柱も内陣の天蓋も当時のまま。その当時が何時なのか良く分からないけど・・・。場合によっては1300年前かもね。

柱に描かれた装飾画はほとんど肉眼で見えないけど、最新科学技術で再現した画は確かに天平の気配。古さを実感する栄山寺だ。

帰りは金剛山の西側を走り、葛城山との間の水越峠トンネルで明日香、石舞台、談山神社経由で帰還。気分の良いドライブだった。(2010.02.7/日)