2013年3月31日日曜日

第8次四国遍路3(2013.3.27)

朝起きたら雨だった。あっさり、しまなみ海道自転車越えは諦め、トットと帰ることにする。坂出で讃岐うどんを食べ、お土産のイリコを購入後、JRを乗り継ぎ乗継、帰宅は夜8時。事前の目的のうちしまなみ海道越えは成らなかったけど、次回なんとかクリアしたい。こう見えても私、けっこう執念深いのです。(2013.3.27)


【坂出イオンで購入したイリコ。讃岐うどんの出汁はイリコでとっている。その出汁、大好き。したがって、お土産はいつも坂出のイリコだ】

2013年3月26日火曜日

第8次四国遍路2(2013.3.26)

昨夜の栄屋旅館はベテラン単独遍路とご夫婦の1泊二日歩き遍路の二組と同宿。一泊二日遍路とは短い休暇をやりくりしつつ一泊二日の区切り打ちで札所を歩き通しているとのこと。ベテランは今回二周り目の歩き遍路だとかで、いろいろ情報を得ることが出来た。

朝6時、朝食後のんびり出発。ベテランの姿はすでに無く、遠くに1泊二日遍路の姿が見える。いつもは道を間違えるのが心配なので、注意深く歩くのだが、前方に先行者がいると気が楽だ。冬山では深雪ラッセルの後を歩くことを「トレース泥棒」などとさげすんだりするけれど、それに近いかもしれない。

先行者に付かず離れず街場のルートを抜け、谷川沿いの登りになる。四国の川は水が綺麗だ。桜、コブシ、梅、、、花も多い。やっぱり遍路はこの季節が一番だ。のんびり2時間半ぐらい歩き登山口に到着。ここから本格的な山道となる。杉木立の間の道を歩き出す。さすがに遍路道、とても歩き易い気分の良い道だ。幸い花粉症も酷くならず、一汗かいて横峰寺到着。横峰寺の背後には石楠花が多い。大げさに言えば石楠花の森だ。花の季節はさぞ美しかろう。

横峰寺は車で来た遍路で溢れていた。歩き遍路の気配を漂わせていると、なんとなく一目置かれているような気がするけど、気のせいかもしれない。今回、本格的な春を迎えて装備を大幅に簡略した。前回まではダウンのインナーを持っていたけど、今回は防寒はカッパのみ。それが完全に裏目に出た。標高800mに近い横峰寺は寒かった。陽射しもない。あまりの寒さに着替えのシャツを一枚重ねて、スポーツタオルをカッパの下に着込む。赤い手ぬぐいマフラーにして小さな石鹸はカタカタ鳴らなかったけど、体はブルブル震えた。

あまりの寒さにそそくさと下る。前方を歩く何か雰囲気の異なる二人組みに追いつく。ショッキンググリーンのヤッケ。ザックには緑の小さな小旗がはためいている。休んでいる彼らを追い越すとき目が合った。目が合ったときチョコレートを差し出してくれる。いわゆるお接待。遍路ではお接待は断ってはならぬと私は思っているので、ありがたく頂き、話をする。

なんと彼らは韓国から来た遍路だった。飛行機で松山に入り、石手寺から歩き出し、高松から空路帰国するとの計画だとか。四国遍路もグローバル化しているらしい。松山、高松の直行便があるということは、名古屋より便利かもしれない。でも、18切符は無いけどね・・・・。

長い山中の遍路道を歩いていると、なんとなく各パーティーが追い付き、追い越しを繰り返す。ルートの検討なども一体化して、61番札所香園寺に付いたときは同一のパーティーとなっていた。香園寺は桜が満開だった。

香園寺からJR伊予小松駅まで出て本日の行動停止。JRで今治に向かい、翌日の行動用の情報収集。しかし天候や良くないようだ。歩いてしまなみ海道を越えることは難しそうだ。自転車ならどうか?と駅裏のサイクリングターミナルに寄ってみた。今治から尾道までしまなみ海道を自転車で越えるには所要時間7~8時間。レンタサイクル1日500円。乗り捨て料金1000円。六つの橋の通行料金及び最後の渡船料金600円。天候が良ければ自転車で越えるつもりだがどうなることやら・・・。

ホテルにチェックイン後、前回も食べた居酒屋・千倉へ出撃。前回、地魚刺身の盛合わせを頼んだ後に聞いた「この時期の瀬戸内のサワラのタタキは美味しいよ」との言葉がずっと気になっていた。サワラのタタキはどんな味か?アジのタタキ風か?カツオのタタキ風か?

その答えはカツオのタタキ風だった。各種薬味もカツオと同じ、ニンニクもついていた。結論から言えば私はカツオのタタキのほうが好みだけれど、気になっていたサワラのタタキを食べることが出来て嬉しかった。(2013.3.26)

◆行動記録
 7:00 栄屋旅館発
 9:15 八幡神社
 9:30 登山口
 9:50 発
11:10 横峯寺着
12:00 発
14:40 香園寺
15:36 伊予小松発
16:30 今治プラザホテル
18:00 千倉

◆歩行距離
・17.5キロ 栄屋旅館-横峰寺
・ 9.3キロ 横峰寺-香園寺
・ 1.5キロ 横峰寺-JR伊予小松
(合計)28.3キロ

 【栄屋旅館を出ると畑の間の道となる。麦畑の緑が美しい。】

 【登りになると杉木立の中の歩き易い道となる】

 【途中にはお地蔵さんの丁石がある。ここの1丁は100mぐらい。】

 【やっとたどり着いた横峰寺。ここは石鎚山とのゆかりが深く、修験道の行者と遭遇。ほら貝の音が山中に鳴り響く。初めて聞いたほら貝の音はしみじみ良い音だった。】

 【横峰寺から香園寺め向かう途中の桜】

 【なぜか同一行動となってしまう。みなさん話好きだ】

 【香園寺は桜が満開】

 【伊予小松近くから望む石鎚山】

【サワラのタタキ。カツオのタタキと同じ薬味と味付けだ。私はどちらかと言うとカツオが好みだ】

2013年3月25日月曜日

第8次四国遍路1(2013.3.25)


前回、雨と花粉症で敗退した横峰寺。「このままでは歩かず終わってしまう可能性も大」との不安から、気になっているうちに行かねばならぬ。時間は人の心を希釈する。失恋の心の痛みは時の流れとともに癒される。などと、思いはあらぬ方向まで向かいつつ、18切符握り締め出かけてみた。

本格的な春休みに入り、JR車内の雰囲気は先週までとは明らかに違う。時刻表を持ったテッチャンも多い。若い人から熟年世代まで、男女の割合もほぼ同じ。車内の空気はリゾート感に満ちている。そんな中の会話からこんな言葉が聞こえてきた。「昔、周遊券。今、18切符」

今回の出撃のポイントは以下の三つ
1.横峰寺(60番札所)参拝
2.前回食べ損なったサワラのタタキを食べること
3.しまなみ海道(今治-尾道)を徒歩で越えること
(2013.3.25)

◆行動記録
 7:00名古屋発
     大垣
     米原
     姫路
     相生
     坂出
     観音寺
     伊予西条
     乗継時間が順調すぎて讃岐うどん断念
16:15壬生川
17:15栄屋旅館着

◆歩行距離
・ 4.0キロ JR壬生川駅-栄屋旅館
(合計)4.0キロ

【JR予讃線壬生川(にゅうがわ)駅、けっこう賑やかな街だ。】

2013年3月23日土曜日

氷室神社(2013.3.23)


今年も桜の季節が始まった。厳しい寒さが急に緩み今年の開花は早いようだ。特に東京上野の桜はすでに満開の気配。花見の場所取りのニュースがテレビ踊る。私にとって毎年最初の桜は奈良の氷室神社と決めている。この地域では常に一番早く咲く桜なのだ。ネットで検索してみれば、すでに満開との情報。行かねばならぬ。年金生活といえどもけっこう忙しい状況をやりくりしつつ、18切符を握り締め出かけてみた。

春休みの土曜日、名古屋発関西線の亀山行きはいつもの閑散とした気配とは異なりほぼ満席。なんとか座席を確保しつつ恒例のミックスナッツとビールでくつろぐことが出来た。

一年ぶりの奈良は相変わらず人が多い。JR奈良駅から三条通りを猿沢の池方面に向かう。奈良ホテルを横目に見て国立博物館を突っ切ると目指す氷室神社だ。奈良公園の桜はまだ蕾。しかし、氷室神社のシダレザクラは満開だった。正面から見る花は少し少ない感じだが、向かって右側に回りこみ見上げる桜は、相変わらず見事なものだ。

その後、東大寺から講堂跡のシダレザクラの偵察に向かう。南大門手前の東大寺ミュージアムで「聖武天皇の実像を追って」という講演会が開催されていた。看板に「入場無料」との情報発見。無料に弱い私としては、ちょいとビビリつつ様子を見てみた。すでに講演会は始まっていたけど入場できた。聖武天皇にまつわる平城京、恭仁京、難波宮、紫香楽宮の関係を学ぶことが出来て嬉しかった。この地域に住んでいればいつでもこんな空気に触れることだ出来ると、ちょいとうらやましかった。

講演会を出て、東大寺の裏から戒壇堂を回り、駅前の更科食堂で高校野球の話題で盛り上がりつつ、シイタケ昆布肴に熱燗とたまご丼の夕食。昔ながらの更科食堂は昭和の香り満載で居心地の良いことこの上ない。しかし、駅前道路の拡幅で今年11月で店を閉めるとか。残念だ。東大寺講堂跡のシダレザクラ及び戒壇堂の桜はまだ早く、10日後ぐらいが見ごろと見た。その頃再度出撃したいと考えている。(2013.3.23)

◆行動記録
11:05 名古屋発(18切符2300円)
      ミックス、ナッツビール(445円)
14:00 JR奈良
16:30 更科食堂(1600円)
17:33 JR奈良発
20:30 名古屋着
      


  【氷室神社シダレザクラ】

 【偶然見つけた講演会、入場無料、面白かった】

【JR奈良駅前の更科食堂のメニュー、シブイ】

2013年3月21日木曜日

USJ(2013.3.21)

USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)へ行ってきた。東京ディズニーランドには行ったことはあるけどUSJは行ったことがない。常々、山、川、海など歩き回ることは多いけど、このテーマパーク的、商業的な施設は避けていた。「人混みが嫌い」と言っているけど、経費がかさむのが嫌いとの影の声も・・・。したがって、ハウステンボスも長島スパーランドも行ったことは無いし、行きたいとも思わない。そんなUSJだけど、「なぜ、ユニバーサルシティー駅などと呼ばれるJRの駅まで出来るほど人気が有るんだろう?」。そんな単純な疑問を胸に、「じゃ、一度行ってみるか?」との出撃だった。

出かけたのは3月21日。入り口に到着。長い列が出来ている。たまたま春休みに入ったようで、大量の子供の姿が目立つ。入り口には入場チケットを買う人の大行列。こんなことは想定済みだ。ネットでチケットは購入済だ。と胸を張るのは甘かった。この大行列はチケットを買う人の列ではなくてチケットを持っている人の大行列だった。当日入場券を購入する人の列の方がはるかに短く、はるかに早く入場できるのだ。

その訳はチケットを持っている人の大部分は年間パスのようなのだ。なぜ年間パスと分かるのかと言うと、入場するゲート脇に顔を映すカメラ的なボックスが有りそこに顔を近づけ、顔認証システムで確認後入場しているようなのだ。私はパソコンでプリントアウトしたチケットのQRコードをゲートにかざすだけだったので多分そういうことなのだろう。要するに入場者の大多数は年間パスを持っている子供なのだ。

なぜ年間パスがこれほど多いのか?それは価格設定および大阪人の経済観念と密接な関係が有るらしい。いろいろチケットの種類は有るけど、大人1日券(1デイスタジオパス)は6600円。年間パスは15800円。3回行けば元が取れる。小学生ならば子供料金なので10800円で1年間遊ぶことが出来るというわけだ。そんな訳で、数人の小学生グループの姿が目立つ。親にとっても、野山で遊ぶよりUSJの方が安全に遊ばせることが出来ると送り出すことも理解できる。

それやこれやで、各アトラクションの行列も大量の小学生と一緒。はっきり行って慣れるまでかなりの違和感を禁じえない。小学校の先生は毎日こんな喧騒の中で仕事をしているのか?と、先生方のご苦労を感じることが出来た。でも、小学生グループの大部分は行儀良く、そんな小学生たちを眺めていると、心が安らぐ瞬間もあった。私も小学校のころ当時のオリエンタル中村の屋上遊園地に友達数人と行ったことを思い出す。

今回、並ぶのは覚悟の出撃。短そうな列を選んでバック・トゥ・ザ・フューチャーで1時間、バックドラフトで30分、ターミネーターで30分、モンスターライブショウで30分、昼食のハンバーガーで30分、、、など並び続けて日が暮れた。それぞれのアトラクションはそれなりに楽しめたけど、多分、再度の出撃は無いと思う。

USJがなぜ人気が有るのか?その答えはなんとなく分かったけど、楽しむためにはセサミストリートやスパイダーマンの被り物をかぶって楽しめるような心境になることが肝要だ。子供ならいざ知らず、その心境になるにはかなりの修行が必要だ。私にはまだまだ修行が足りないような気がする。そうそう、行列に並ぶのを避けるにはブックレット4(3200円)を購入すると4つのアトラクションは優先的に入場可能らしい。さらにブックレット7(4900円)なら7つのアトラクション。さすが大阪だ。ちなみにディズニーランドなら追加料金なしで各アトラクションの入場予約可能だったようなきがするけど・・・。(2013.3.21)


 【USJ入り口の大行列】

 【小学生の姿が目立つ】

 【天気はいいけど花粉がねえ・・・】

【入り口のモニュメント】

2013年3月13日水曜日

第7次四国遍路3(2013.3.13)


天候が崩れそうだ。寒冷前線が近づいている。天気予報によれば午後から雨らしい。栄屋旅館から60番横峰寺までは17.5キロ、標高差700mぐらい。その先61番香園寺までは9.3キロ。このまま横峰寺へ向かうべきか?迷いに迷う。宿の主人は「天候は夕方まで持つ、行くべきだ」との見解。オバチャンは「自分の考えで行くべきだ」と親身になって助言してくれる。

結局、「雨の日は登らない」主義の私としては、今日は61番札所から64番札所までの街場の寺をめぐり、横峰寺は翌日雨が上がってから登ることにする。今回、雨具のズボンとザックカバーを持ってこなかったこともこの決定の要因になっている。

と言うわけで、香園寺へ向かって歩き出す。当然、変則的な行動なので遍路シールは見つからない。小松方面へ国道を歩く。車が多い。当然排気ガスの中の歩行となる。まだ雨の気配は無い。遠くに高縄半島の山々がかすむ。その時、突然、鼻の粘膜に突き刺すような違和感。恐れていた花粉症前触れだ。そのもやもやとした違和感はあっという間に明瞭な不快感に変貌。くしゃみが止まらない。目の奥が痒い。タオル片手にクシャクシャの顔になってしまった。こんなに酷い花粉症は今まで経験が無い。事ここに至り完全に戦意喪失。撤退を決意。

61番香園寺、62番宝寿寺、63番吉祥時、74番前神寺と義務的に巡り、伊予西条までなんとかたどり着き、13時29分発のJRで帰還した。名古屋に着いたときもクシャミのし過ぎで頭がボーっとしていたけど、自宅の空気清浄機の部屋で過ごすうちにかなり回復してきた。でも現在、外に出たくない心境だ。今回、横峰寺を残してしまった。この横峰寺をどうクリアするのか、大きな課題を残してしまった。(2013.3.13)

◆行動記録
 7:15 栄屋旅館発
 9:00 香園寺(納経300円)
10:00 宝寿寺(納経300円)
10:30 吉祥寺(納経300円)
11:05 阿弥陀寺
11:30 前神寺(納経300円)
12:45 JR伊予西条駅
13:29 同発
      ラーメンビール(830円)
      岡山(カツサンド380円)
      缶コーヒー120円
21:40名古屋着

◆歩行距離
・ 6.0キロ 栄屋旅館-香園寺
・ 1.5キロ 香園寺(61番)-宝寿寺
・ 1.5キロ 宝寿寺(62番)-吉祥寺
・ 3.5キロ 吉祥寺(63番)-前神寺
・ 4.0キロ 前神寺(64番)-JR伊予西条
(合計)16.5キロ

 【小松近辺から高縄半島(四国西北のこぶ)の山を望む、麦の緑が美しい、が、花粉か?黄砂か?排気ガスか?PM2.5か?急に花粉症発症、これにより戦意喪失、帰還決定】

 【香園寺本堂はコンサートホールの様だ、内部は観客席(もとい参拝者席)多数】

 【宝寿寺で団体遍路と遭遇、納経帳への記帳に時間がかかるかもと心配したが、先行して記帳してくれた】

 【吉祥寺でも同じ団体と遭遇】

 【立派な石鎚神社、花粉症で戦意喪失、帰還の時間の関係で写真だけ撮った】

 【前神寺本堂、以前は石鎚神社の場所に有ったらしい、要するに昔は前神寺と石鎚神社は同一のものだったらしいが明治の神仏分離で廃寺となったらしい、その後、神社の隣に復興したようだ】


【JR伊予西条の3番ホーム、向こうが観音寺行き、手前が松山行き、同じホームに反対方向の列車が同居、うっかり反対側に乗ったら大問題だ】

2013年3月12日火曜日

第7次四国遍路2(2013.3.12)


朝7時半、南光坊から遍路開始。ホテルフロントでもらったサイクリング用ロードマップ片手に56番札所泰山寺へ向かう。街中の歩きが一番疲れる。通学の学生の自転車に追い越されつつ、適当に歩く。1時間程度で泰山寺に到着。毎回感じるのだけど、最初のチェックポイントに着くと、やっと落ち着く。本格的な遍路体質がよみがえる。

泰山寺からは畑の中を道路脇の遍路道シールを探しつつ、注意深く遍路道をたどる。一度、道を失うとリカバリーに時間がつぶれる。私の持っている歩き遍路地図は15年前のもので、ほとんど役に立たない。特に地方都市近郊の新たにバイパス道路が新設されている地域は路傍の遍路シールをはずせない。

栄福寺で仙遊寺への道を聞くと、仙遊寺は山の上に有るとのこと。事前に何の知識も無く適当に歩いているので、水平距離は分かっているけど高低差は分からない。ここで山登りになるのは想定外だった。教えられた方向に遍路シールは続く。その先にちょいとした小山がある。名古屋近郊なら鳩吹山といった感じの小山だ。仙遊寺はその頂上にあった。一汗かいた仙遊寺からは今治の街が眼下に広がる。遠くに瀬戸内海が見える。来島大橋が遠くにかすむ。

仙遊寺から急な山道を下り59番札所国分寺まで畑の間を遍路道は続く。途中、こじゃれたそばや発見。とろろ蕎麦とビールで昼食。そのビールの影響かその後の行動中に眠気に襲われる。でも、昼寝する場所は無い。がんばって国分寺着。そこで今夜の宿が心配になる。

次の60番札所横峰寺までは30キロ以上ある。当然、今日中にたどり着けない。そんなことは事前に分かっていたことだけど、何の対策もせず、なんとかなるだろうと適当に歩いてきた。でも、これからどうすればいいのか?何処で泊まるか?何処へ向かえばいいのか?ほとんど何のアイディアも無いことにこの時、気がついた。

歩いているうちに、遍路宿の看板でも出てくるだろうと、遍路シールを見失わないように歩くものの何の情報も得られない。そのとき、前方から大きなザックを担いだオッサン登場。なんとなく目が合い話をする。聞けば野宿で3月8日から歩いているとか。名古屋中川区出身の私と同世代。今回2回目で逆打ちで回っているらしい。「前夜、何処で泊まった?」と聞いてみれば、光明寺の無料宿泊所で泊まったとの話。光明寺に一声かければ宿泊可能とのことだった。山で言えば無料避難小屋泊といったところだけど、今回私は寝袋も持ってない。営業小屋を探さねばならない。

その無料宿泊所はその先の「臼井の水」と言うところに有った。掃除も行き届き、非常に清潔な雰囲気だった。近くには民家、スーパー、銭湯もあり理想的な避難小屋だ。案内板には「近くのスーパーは夕方5時(?)過ぎるとお惣菜2割引」との親切な案内もある。四国山中のおどろおどろ感も無く非常に快適な雰囲気なのだ。こんなことなら寝袋ぐらい持って来ればよかったと後悔した。

その後も宿泊に関して何のアイディアも無く前進。最悪、JRの駅まで行って、小松か新居浜のビジネスに泊まるしかないか?と腹をくくりつつ、持参の歩き遍路地図に記載されている「栄屋旅館」に電話してみる。時間は夕方6時近くになってしまった。急な宿泊を頼んだら食事は出来ないけど泊まれるとのこと。その宿が素晴らしかった。宿のオッチャン、オバチャンとも親切で非常にありがたかった。翌日、朝食のとき話を聞けば、かなり有名な遍路宿らしい。贅沢ではないけれど隅々まで掃除の行き届いた良い宿だった。以前話題になった管さんも泊まったらしい。茶の間には管さんと一緒に映っている写真がかけられている。親父さんは石鎚山の先達の免許も持っているらしい。こんな素晴らしい宿に何の計画も無く泊まることが出来たのもお大師様のお導きか・・・。(2013.3.12)

◆行動記録
 7:30 出発
 8:30 泰山寺(納経300円)
 9:45 栄福寺(納経300円)
10:50 仙遊寺(納経300円)
12:00 とろろ蕎麦、稲荷ずし、ビール(1450円)
13:30 国分寺(納経300円)
14:30 今治バイパス合流
15:00 道の駅・今治湯ノ浦温泉
16:00 道失うも遍路シール発見
18:00 丹原(コーヒー120円)
      食料(1937円)
18:45 栄屋旅館
      5000円(朝食、タバコ)

◆歩行距離
・ 3.1キロ 南光坊(55番)-泰山寺
・ 3.0キロ 泰山寺(56番)-栄福寺
・ 2.5キロ 栄福寺(57番)-仙遊寺
・ 6.2キロ 仙遊寺(58番)-国分寺
・16.0キロ 国分寺(59番)-栄屋旅館
(合計)30.8キロ

 【56番札所泰山寺】

 【57番札所栄福寺、次の札所への道を聞いたら若くて親切な対応で気持ちよかった】

 【58番札所仙遊寺の山門、桜が咲いている、この時期、四国は花がきれいだ、椿、梅、モクレン、レンギョウ、水仙・・・そして菜の花】

 【仙遊寺本堂】

 【仙遊寺駐車場から今治の街を望む、遠くに来島大橋が見えたが、写真には映らなかった】

 【59番札所国分寺、若い坊さんがお参りしていた、お経の声が良く通る】

 【光明寺の無料宿泊所の注意書き、親切で清潔な空気に溢れている】

 【光明寺無料宿泊所、前夜の泊り客が残したものか、数枚の小銭が置いてあった、平和な日本の象徴だ、ふとTPP参加の是非を考えてしまった】

 【無料宿泊所はこの「臼井の水」の横にある、綺麗な泉だ】

【栄屋旅館、とても良い宿だった、まさに日本の宿】

2013年3月11日月曜日

第7次四国遍路1(2013.3.11)


四国遍路も7回目。ここまで、だらだら続けるとモチベーションも大幅に低下。浮き立つ気分もあまり無く、「継続は力」との言葉に背を押され出撃した。したがって、始発のJRに乗るでもなく、自然に起床、自然に出発。名古屋発は朝8時過ぎていた。青春18切符でその日のうちに今治に着けば良い。しかし、東海道線はトラックが高架の橋桁に接触したとかで、大幅に遅れていた。

18切符で東海道線を西下する場合、名古屋の一つ前の金山で乗り換え、名古屋で進行方向右の二人掛けシートの窓際を確保するのがお勧めだ。金山で乗り込めば名古屋で確実に席を確保できるし、進行方向右側に座れば直射日光を避けることが出来る。通常の東海道線の快速は豊橋あたりから来るので金山で乗っても間違いない。しかし、始発の美濃赤坂行きは名古屋始発なので注意が必要だ。

とりあえず、乗換え各駅で適当に乗り継ぎ、坂出でお約束の讃岐ウドンを楽しんだ後、今治着は夜8時チョイ前。四国に入るとJRの列車は急速に停車時間が多くなる。走っている時間より止まっている時間のほうが多いぐらいだ。大げさだけど・・・。でも、そんな列車に乗りつつ、停車中の駅のホームで暮れていく気配を感じつつタバコをふかすのはしみじみ味わい深いものがある。しかし、車掌のお姉ちゃんから一言。「とりあえずココは禁煙ですが・・・」。しかし山の中の夕暮れの誰もいないホーム
で携帯灰皿持参の喫煙は実質的には許可されているような気がする。お姉ちゃんからのそれ以上の指導はなかった。(2013.3.11)

◆行動記録
 8:25 名古屋発
10:20 米原
13:02 姫路
      260円(ビール、オニギリ)
15:30 坂出着
      410円(うどん2玉、天ぷら2個)
16:32 坂出発
19:42 今治着
      幕の内弁当(780円)
      今治プラザホテル(4980円)
      居酒屋・千倉(3200円)
      刺身盛合せが良かった。さすが瀬戸内の春だ
      (サヨリ、青柳、平貝、イカ、マグロ、鯛)

 【坂出イオンのセルフうどん、うどん大(2玉)260円、てんぷら1個100円、時間が遅かったので二つ目は半額の50円】

 【四国のJRは車両通過待ち多し、止まってばかりいる、このホーム禁煙、でもねえ・・・、1本ぐらい良いんでないかい?】

【今治の居酒屋・千倉、ここの刺身盛り合わせは良かった、さすが瀬戸内海、刺身を食べつつ、サワラのタタキがあることを発見、次回、機会があればサワラのタタキを食べてみたい】

2013年3月3日日曜日

安土城址(2013.3.3)

小学校か中学校か忘れてしまったけど、歴史の年表にあった「安土桃山時代」。戦国時代と江戸時代に挟まれた存在感の無い次代だったねー。「安土ってどこ?」「ひょっとしてココ?」みたいな感じで出かけてみた。青春18切符が3月1日から利用可能となったので、春一番の18切符という意味での出撃でもあった。

9時チョイ過ぎ名古屋発。日曜日の東海道線は大垣での乗り換えも無く、米原乗換え1回で11時チョイ前に安土に着いた。3月になって陽射しは春めいてきたものの、台風並みの低気圧で北日本は大荒れ。新幹線が脱線したり、北海道で死者が出るなど大変な天候だった。琵琶湖東岸のこの地域も比良山系を越えて北西の風が強かった。さえぎるものも無い琵琶湖を吹き抜ける風はけっこう冷たい。

安土駅で近郊のウオーキングマップをゲット。初めて知ったのだけど、安土城址は東海道線と琵琶湖に挟まれ、京都へ向かって右手の小山だった。その小山に向かって歩き出す。安土の町は特に古い町並みがあるわけでもないけれど、最近、信長関連で町おこしを進めているらしい。安土城への案内標識は充実している。駅前には信長の銅像もある。その信長像はズボンのようなものをはいたバテレン的かつ信長的像でありました。甲府の武田信玄像の日本的な姿とは一線を画す姿だ。信長は本当にこんな姿をしていたのだろうか・・・?

安土城址へはナントカ言う寺の拝観料として500円必要。各地の城跡に入るのに料金を取られたのは今回が初めてで、ちょっと、アレって感じだった。安土城址への登りにかかると城山にさえぎられ風が弱まる。修復された石段だろうけど、一段一段が大きな石段だ。ところどころに仏様が掘られた石が踏み石として使われている。築城当時、石が不足して各地の石像までも城作りに使ったという話だ。復元にあたり信仰すべき仏像を踏み石に使うことは躊躇したらしいが、実際に用いられた状況を復元するためにあえて置いてある、との解説もあった。

一汗かいてたどり着いた天主台には多数の礎石が残り天守閣の大きさを物語っている。そこからは眼下に琵琶湖が見下ろせる。右手に見える伊吹山が白い。左手遠くに琵琶湖越し比良山系も見える。天主台後から琵琶湖を望むと、昔の水運に使われた琵琶湖の重要性が感じられる。そんな意味からも信長の時代、長浜、近江八幡、佐和山(彦根)、坂本、近江八幡に秀吉、秀次、石田光成、明智光秀成など有力な武将を配置したのかもね・・・。

東海道線を挟んで反対側に観音寺城址もあるらしい。とりあえず、そちらに向かって歩き出す。風は冷たいものの着実に春の気配は強くなっている。空にはヒバリの声が響き渡る。桑實寺(くわのみ)までやってきた。そこから本格的な登りになるらしいが、山登りは安土城で堪能したので観音寺城址はパス。観音寺城へ行くにも桑實寺の拝観料500円が必要らしい。その後、近江八幡を徘徊後帰還した。近江八幡日牟禮八幡宮は観光客で溢れていた。ここは境内入場は無料(2013.3.3)

◆行動記録
 9:00 名古屋発
      青春18切符(一回分2300円)
11:00 JR安土駅
12:00 安土城址天守台
12:45 安土城駐車場
14:10 JR安土駅
15:00 JR近江八幡
      日牟禮八幡宮
     (つぶらもち:1個60円)
     (丁稚羊羹:1本280円)
17:10 JR近江八幡発

【安土城址の石段と石垣。一つ一つが大きい】

 【安土城址天主台の礎石】

 【JR安土駅前の信長像】

 【近江八幡牟禮八幡宮】

 【境内の能舞台。明治時代に作られたらしいがシブイ】

【境内の茶店でつぶら餅、丁稚羊羹、鈴鹿天然水購入。緋毛氈の縁台で食べたつぶら餅はしみじみ美味しかった。】