2017年12月30日土曜日

春日井三山(2017.12.30)

春日井三山とは大袈裟だけど、春日井市の東の標高300m程度の丘陵だ。南から道樹山、大谷山、弥勒山という立派な名前もある。正月を控え少しは体を動かすべきだと、昔の山仲間と歩いてきた。そんな山だけど、歩き出しは体が重い。でも歩くにつれて体は軽くなってくる。最終的には非常に気分の良い山歩きだった。

【弥勒山山頂から見た御嶽は美しかった】

2017年12月26日火曜日

南山城観音寺(2017.12.26)

現在、国宝の十一面観音は七体ある。そのうちの一つが京都の南、南山城の観音寺にある。南山城に行くには関西線で行くのが距離的には近い。18切符を握りしめ亀山、加茂、木津経由でJR三山木へ向かった。事前に調べた乗換案内の待ち時間も少なく順調な移動だと思っていたけど、想定外の事件発生。

亀山から柘植までのJRが秋の台風で不通となりバスの代行運転になっていた。したがってそのルートで行くには柘植で2時間待ち。先日、九州の久大線に乗った時は、ネットの乗換案内でもバス代行運転の情報が反映されていたけど、今回は反映されていなかった。まあ、無料の乗換案内なのでやむを得ないかな・・・。と、アッサリ諦め、柘植から草津、京都に出て、京都から近鉄に乗って三山木に向かった。その結果440円余分の出費。クヤシイ。

JR三山木から畑の中の穏やかな道を観音寺まで歩いた。歳末のこの季節はただただ寒いだけだけど、春秋の季節は楽しい道と見た。観音寺は畑の中にポツリと立っていた。この時期は訪れる人も少なく、住職からじっくり話を聞くことがて来た。初めて見た観音寺の十一面観音は今まで私が見た中では一番顔立ちが整った穏やかな表情に見えた。

住職に促され焼香した後、内陣の足元まで近づきじっくり拝観出来た。痛みも少なく美しい仏像だった。1000年以上前のものとは思えないほど保存状態は良い。地元の人に大切にされてきたことがしのばれる。

【観音寺本堂】

【本堂の横にはお水取りの松明用の真竹が置いてあった。この近くの寺から松明が奉納されるという。近くで見る松明の竹は大きい。松明は80キロぐらいになるとか。これを二月堂の舞台の上で一人で振り回す。坊さんもアスリートだ。】

【国宝の十一面観音の写真。この中で道明寺、六波羅蜜寺の観音様はまだ見てない。】

2017年12月23日土曜日

彦根城(2017.12.23)

孫を一日預かった。どこへ行こうか迷ったけど、彦根城に行ってみた。彦根は常々、東海道線で通り過ぎるだけで、城には行ったことがない。初めての彦根城は想像以上に大きな城だった。そして予想以上に観光客も多かった。要するに彦根城は観光地だった。孫は城を見るより、城の売店での土産物の物色に夢中だ。

孫が聞く「いくらまで買っていい?」
私答える「1000円までだ」

その結果、孫は合計1000円ピッタリの買い物を目指す。気に入った小物を数点買い、そして総計1000円とすることは至難の業だ。したがって孫は店からなかなか出てこない。ヤレヤレ・・・・。

【彦根城天守。なかなかの建物だ。階段が急だった。それはそれとして孫は右手の土産物屋からなかなか出てこない。私は向かいの喫煙所でタバコを歩吸っていた】


2017年12月12日火曜日

九州6・帰還(2017.12.12)

昨夜のサンフラワーは素晴らしく良く眠れた。就寝は10時。若干のローリングとディーゼルの低周波振動が心地良い。家にも欲しいぐらいだ。長くて厳しい旅だったけど、良い思い出が沢山できた。天ケ瀬温泉のバアチャンも良い味をだしていた。旅って美味しいものを食べ、良い景色を見ることではない。「私にとって旅は修行である」と周囲に言っているのだけど、理解は得られない。

今回の旅で一番おいしかったものは日奈久温泉を出るとき、早朝の店先で買った揚げたての野菜天(100円)だった。ビニール袋に入れてもらい、少し冷ましてから食べたんだげど、今まで食べて練り物系では最高の味だった。


大阪南港にに着いてから18切符で在来線で帰ることも考えたけど、なんとなく新幹線に乗ってしまった。順調に新大阪につくも「ひかり」が無い。電光掲示板の東京行きはすべて「のぞみ」。ジパングクラブでは「のぞみ」には乗れないのだ。次の「ひかり」は約45分後。まさにローカル鉄道並みの運行状況。この日、JR在来線は事故で名古屋近郊は止まっていた。ようするにツイていたということか・・・。


◆行動記録他

  • コーヒー250円
  • 大阪南港 6:30
  • 着弁天町まで230円
  • 新大阪着 7:30
  • 弁天町から勝川、新幹線利用4290円
  • 8:16 新大阪発
  • 洋風お粥モーニング600円



2017年12月11日月曜日

九州5・天ケ瀬温泉(2017.12.11)

昨夜の宿はすごい宿だった。今まで泊まったすごい宿ランキングの第3位に認定したい。ちなみに1位と2位は部屋の中でテントを張った。年季の入った川沿いの鉄筋三階建。エレベーター故障、空調故障、唯一の暖房器具のファンヒーターの灯油も夜8時ごろ無くなった。宿の従業員はオーナーとおぼしきバアチャンとジイチャン。その二人とも自宅に帰ったのか姿が見えない。

当然、客も私一人。玖珠川に面した広い窓から冷気が迫る。夜具も山小屋レベルの得たいの知れないものが敷いてあるが、当然 シーツはない。あまりの寒さに持参の装備をすべて着込み、比較的新しそうな薄い布団にくるまった。そのとき発見。その布団には「しまむら」の1980円の値札が着いていた。

宿に着いたとき温泉に入ったけど、温泉は良かった。熱い湯が大量に湯船から溢れている。しかし、夜中に寒いからといって人気のない廃墟的コンクリート宿で裸になる気にはなかなかなれない。ただ、テレビだけは新しくて良く見えた。でも人気のない廃墟の中で煌々と明るく光るテレビを見ていると「ポルターガイスト」などと言う言葉が浮かんでくる。お土産用に買った球磨焼酎の力を借りてなんとか熟睡。

恐怖の一夜も明けて、前日、帰る時は勝手に帰って良いと聞いていたので玄関を出ようとしたらバアチャン登場。お茶を飲め飲めとしきりに進める。温かいものが飲みたかったのでしばし待つ。お椀と、お茶、白いヨーグルト風、鳥飯パックがお盆の上にのっている。

せめてものサービスと考えているようだ。温かいお茶を一口飲んでからお椀の蓋を開ける。良く煮込まれた具だくさん味噌汁的飲み物。私が自宅で作る豚汁の三日目といったところか。煮崩れた里芋らしきものが見える。「寝起き直後で食欲が無い」とごまかし、白いヨーグルト的カップを開いた。ラベルも貼られてないのでなにかわからないけどチーズ風味のヨーグルトケーキらしい。それをなんとか完食。「鳥飯パックは電車にのってから頂く」となんとか解放された。

よくよく見れば、その鳥飯パックの黒くすすけた賞味期限は遥か以前のものだった。今、大分行のJRの中でこれを書いているが完食したチーズ風味ヨーグルトケーキが本当にヨーグルトケーキであったのか?あるいは賞味期限が遥かすぎたプリンだったら、、、怖い。

宿を出るとみぞれ的雨。この時期の九州って以外と気候が厳しい。北部、西部そして山には雪が降る。これから向かう大分方面の好天を願いJRに乗る。行き先をいろいろ考えたけど豊後竹田へ行くことにした。本当は熊本から豊肥線で別府へ出たかったんだけど先の地震で豊肥線は不通。やむを得ず久大線で大回り。その結果、豊後竹田はルートから外れてしまった。

豊後竹田には荒城の月で有名な岡城址がある。訪れた岡城址は明るく広い尾根の上に連なる城跡だった。荒城の月のイメージとは若干異なる整備された城郭公園となっていた。個人的な好みとしては人吉城址の二の丸の方が私は好きだ。豊後竹田を三時間ほど徘徊し、大分から別府にもどってサンフラワーに乗った。

◆行動記録他
  • 大分まで特急930円
  • 豊後竹田に行く1290円
  • 丸福鳥南蛮定食720円(美味い)
  • 15:17 豊後竹田発
  • 豊後竹田ー大分1290円
  • サンフラワー復路(別府ー大阪南港)180円
  • ビールつまみ370円
  • ビールつまみ310円

【天ケ瀬温泉駅。あまりの寒さに天ケ瀬の写真はこれのみ。】

【豊後竹田で鳥南蛮定食を食べる】

【岡城址駐車場から石垣が見える】

【本丸下の滝廉太郎像の後ろに九重連山が見える。反対側には祖母山も見える。その間に阿蘇も見えるらしいけど阿蘇は雲の中。】

【豊後竹田駅の裏に滝がある。ちょいと異様な景観だ。】

2017年12月10日日曜日

九州4・日奈久温泉(2017.12.10)

昨夜の日奈久の宿も寒かった。泊った宿は日奈久で一番古い鏡屋。築100年以上の宿らしい。昨今の住宅に比べ格段と風通しが良いし、さらにこの冬一番の寒波が来ていた。

「温泉にでも使ってゆったりのんびり過ごしたい」などと旅番組での陳腐な言葉があるけれど、よくよく考えれば私自身、毎日のんびりしていたことに気がついた。しかも温泉宿は風呂は温かいけど、部屋は寒い。要するに自宅が一番快適のような気がする。人吉で買った球磨焼酎を飲みつつ、布団をかぶり、こたつに潜り込んでテレビを見つつ、早めに寝てしまった。

翌朝、宿を出てから温泉神社に寄ってみた。急な石段を登ると立派な石造りの桟敷を備えた土俵があった。その先には日奈久の町並みの先に海が見える。現在、大相撲の暴行問題など騒がしいけど、改めて日本人にとっての相撲の関わりの深さを思い知った。

その後、バスで八代へ戻り、八代の町を徘徊後、熊本に出た。JR熊本駅に降り立つもどこにいけば良いのかわからない。熊本城近辺も地震による立ち入り禁止が目につく。本当は豊肥線で阿蘇を回り込み大分へ出たかったけど、豊肥線は地震で不通。久留米経由で久大線で大分へ出ることにした。久大線も秋の豪雨で光岡と日田の間はバス代行運転だ。今年の九州は災害に見舞われた年だった。

◆行動記録他

  • 鏡屋3500円(安い)
  • 温泉神社を散歩
  • 野菜天100円(美味い)
  • バスで八代200円
  • タバコ、焼酎、コーヒー1500円
  • 鮎甘露煮、鮎弁当2800円
  • 久留米(お土産) 903円
  • 日田 不思議まんじゅう、赤飯650円
  • 観光案内所で天ケ瀬温泉の宿ゲット5500円


【日奈久温泉鏡屋の内風呂。三つの浴槽に順次源泉が流れ込み温度が下がる】


【日奈久温泉神社には周囲に石造りの桟敷を備えた土俵があった。】


【温泉神社からは日奈久の町越しに海が見える】


【温泉神社の石造りの桟敷は立派だ】


【八代は城下町だった。細川藩の城があったけど一つの藩に二つの城があるのは珍しいらしい】


【八代城の中にも土俵がある】


【八代駅前に鮎弁当を売る店があった。球磨川は鮎にこだわっている】


2017年12月9日土曜日

九州3・人吉(2017.12.9)

人吉のゲストハウスは寒かった。エアコンから暖気はでるものの部屋は温まらない。夕食は地元名物の季節は外れのアユ定食。天然の子持ちアユの塩焼きはしみじみした味だった。夕食は美味しかったけど寒さのため布団をかぶって寝てしまった。

翌朝、町を徘徊。人吉は良い町だ。市内には共同浴場多数。国宝の青井阿蘇神社、人吉城の二の丸も良い。鎌倉時代から明治の廃藩置県まで連綿と歴史の表舞台に出ることもなく存在し、この人吉のような美しい町を残した相良氏はえらいと思う。

人吉を出ると肥薩線は球磨川に沿って走る。車窓から見る球磨川は美しい。今まで見たどの川より美しい。水量も多くカヌーが楽しそうだ。でもカヌーの姿はない。

八代で肥薩線は終わる。この日は肥薩オレンジ鉄道で日奈久温泉に出て、観光案内所で宿を確保した。

◆行動記録他

  • 共同浴場「おおが」300円
  • 朝食タバコ1348円
  • 弁当コーヒー490円
  • 14:19 肥薩オレンジ鉄道日奈久まで340円
  • ちぎちあげ500円
  • 夕食(ばんぺいゆ二階)1500円

【青井阿蘇神社。茅葺きの門、社が渋い。人吉出身のウッチャンが紅白の総合司会だとか・・・。】

【人吉城跡の二の丸へ上がる石段。渋い。】

【人吉城二の丸跡】

【人吉城跡近くに元湯がある】

【肥薩線は人吉から八代まですべて球磨川沿いを走る】

2017年12月8日金曜日

九州2・肥薩線(2017.12.8)

定刻通り志布志港に入港。JR鹿児島中央駅には無料のシャトルバスで向かう。桜島が見えてきた。しかし今回は桜島ともすぐにお別れ。鹿児島中央で昼食後、肥薩線で人吉に向かう。

肥薩線に乗るのは今回の旅の目的の一つだ。隼人から肥薩線は山の中に入る。吉松で一時間以上の列車待ち。吉松駅周辺はひっそりしているけど、駅前に温泉発見。その温泉が良かった。少しとろみのある高温の温泉だ。この温泉が今回の旅の中で一番良い温泉と感じた。吉松までの各駅には温泉があるらしい。さすがに霧島だ。


吉松からは観光列車「しんぺい号」に乗る。しんぺい号は吉松ー熊本間を走る特急列車だけど、吉松から人吉までは普通列車。座席指定の有料席がほとんどだけど無料の席もある。私は当然無料席。乗客も数人なのでのんびり観光列車を楽しむことができた。情報によると18切符の期間はかなり混雑するらしい。


しんぺい号は観光列車だけあって、絶景ポイントではスピードを落とし、歴史的木造駅舎では長めに停車して写真タイムもある。最後の人吉への下りのスイッチバックやループ路線も見所だ。スイッチバックとループが組み合わされると方向感覚がまったくなくなる。なかなか良い経験だった。

◆行動記録

  • 志布志港着8:55
  • 無料バス(運転手に予約番号を告げる)9:10志布志港発
  • 鹿児島中央駅11:03着
  • 人吉ゲストハウス堺 0966-22-5097 素泊り1泊 3,500円
  • サンフラワーツーリストはマスク必要
  • 鹿児島中央ー別府ジパングクラブ5430円
  • 黒豚スペシャル丼940円
  • 11:57鹿児島中央発
  • 吉松駅前温泉350円(ロッカー含む)
  • 焼酎490円
  • しんぺい号指定は520円プラス
  • 郷土料理四季3660円(さらし鯨、アユ定食、焼酎お湯割り2)
【吉松駅は肥薩線と吉都線が分岐する。昔から鉄道にゆかりのある所らしい】

【吉松駅前の駅前温泉。ここが良かった。入浴250円、ロッカー100円】

【しんぺい号、暗めの塗装をするだけで高級感が出るのはなぜだろう・・・。】

【木造駅舎としんぺい号】

【日本三大車窓らしい。なんとか霧島が見えた。一番高いのが韓国岳】

【人吉郷土料理の店「四季」の鮎定食、オヤジさんが「天然鮎」と強調していた。美味しかった。】

2017年12月7日木曜日

九州1・出発(2017.12.7)

今回最大のテーマはコストカット。九州五泊六日の旅をいかに安価に遂行出来るか?キーワードは「ジパングクラブ」「サンフラワー舟遊プラン」「ゲストハウス」「温泉湯治宿」。さらに10日からは青春18きっぷが使える。それらを駆使して行動を決めるには長年サラリーマンとして養った問題解決能力が必要となる。オオゲサダネ。

とりあえず勝川から大阪までジパングクラブ2割引で購入。2930円。細かいことを言えば近鉄の株主優待をチケット屋で購入する方が良いのだが、ジパングクラブ2割引は3回目。以後4回目から3割引会員になるためにあえてジパングクラブを利用した。近鉄かジパングクラブかどちらがコストカット出来るのか非常に微妙だ。

とりあえず買ったジパングクラブの大阪行チケットを眺めて気がついた。有効期間が三日間。今回の旅は往復サンフラワー舟遊プランで往復8480円の超格安プラン。このプランの特徴は往路と復路の航路を変えねばならない。今回、往路は大阪南港から志布志、復路は別府から南港。帰りの舟は11日の夕方。九州の行動は四日間。チケットの有効期間は問題ないか?

ネットでJRチケットの有効期間を調べて見れば200キロから400キロまで3日間、400キロ以上は100キロごとに1日延びるらしい。鹿児島中央から肥薩線、久大線利用で別府までは427キロで四日間でギリギリセーフ。なかなか頭も使わねばならない。などとメモしつつ電車の窓から外を見れば伊吹山の山頂が青空の下で白く輝いている。

◆行動記録
  • 11:08 勝川発(弁天町まで2930円)
  • ミックスナッツ、タバコ 1050円
  • 居酒屋なかもと(弁天町)1010円(酒一合、アジフライ、揚げギョウザ)
  • 地下鉄トレードセンター前まで230円
  • サンフラワー志布志まで8100円
  • パン560円
  • コーヒー、おつまみ300円
【夕食にたまたま入った弁天町の居酒屋「なかもと」。外見はなんてことないけど、内部は素晴らしい。私好みの居酒屋だ。特にアジフライが美味しかった。】

【サンフラワーの向こうに夕日が落ちる】

【出港】

【一番安いツーリストの船室。すいているときは快適だ。でも、インフルエンザの季節はマスクがあったほうが良いね。】


2017年12月2日土曜日

小浜・妙楽寺(2017.12.2)

ここ数日、小浜の多田寺に電話している。気になっている面長の薬師如来を拝観するために電話しているのだが、なかなかつながらない。多田寺の拝観は事前の電話予約が必要なのだ。結局、多田寺は諦め、その次に気になっている妙楽寺の千手観音を見に行くことにした。

次善の策の妙楽寺は受付は開いているものの人影がない。インターフォンを押せども、呼べども人は現れない。仕方がないので拝観料は後で払えばいいや、と勝手に本堂に向かってみた。ほとんど人気のない参道の先の境内はひっそりしているけど、けっこう広い。すれ違ったのは地元の人とおぼしきオッチャン一人。

本堂は想像以上の素晴らしい建物だった。正面の扉が少し開いている。その扉を押し開けて中に入ってみた。人がいないので明かりがないから仏像が見えないかも、と思ったけど、人感センサーが作動して照明がついた。

内陣の奥の厨子の中に素晴らしい仏像があった。本尊の二十四面千手観音だ。保存状態がすこぶる良い。本尊の手前に小さなラジカセがおいてあり、スイッチを押すと説明が流れる。千本の手が現存する千手観音はこの像を含めて日本に4・5体あるだけだとか。暗闇に浮かび上がるふくよかな表情が美しい。千年以上前の仏像をこんな間近で見ることができるとは驚きだった。

そんな時、私の携帯が鳴った。出てみれば、多田寺の人から不在着信の返信の電話だった。今日なら拝観可能との連絡だった。私は一日に一つの寺だけ拝観すると決めているんだけど、なかなかつながらなかった多田寺からの連絡だったので、有難く拝観させていただいた。

多田寺は住職が最近亡くなって、現在は檀家総代の方々が当番制で電話を確認しているらしい。その薬師如来も素晴らしかった。弘仁貞観期の雰囲気の肉厚な体型を持っているけどきわめて人間的な表情の魅力的な仏像だ。

妙楽寺も多田寺もそれぞれ地元の集落に守られ、地元に密着した良い寺だ。そういえば前回訪れた羽賀寺も小さな集落に守られてきた寺だったなあ。小浜の寺々はどこもそんな感じで、好感が持てる。ここいらが京都、奈良の観光寺との最大の違いだ。小浜にはまだまだ寺も仏像も多い。今後、小浜の寺を訪ねるのが楽しみだ。

【妙楽寺の仁王門へ向かう道】

【妙楽寺本堂への道】

【妙楽寺の本堂は小浜最古の建物とか】

【多田寺、中の仏像は充実している】

【鵜瀬を越え上根来に寄ってみた。最近、住んでいる人も減ったらしいけど、4~11月の週末には鯖街道トレッキングのための休憩所が有人で開くらしい。綺麗なトイレもあった。】

【帰りがけの駄賃じゃないけど、帰る途中にマキノのメタセコイア並木に寄ってみた。ここはけっこう有名な場所らしい。特にこの時期は紅葉が有名らしい。メタセコイアは予想外に大きかった。】