2018年3月24日土曜日

木次線3・帰還(2018.3.24)

朝、出発するとき一面の霧。新見の町は一面の朝霧に埋まっている。7時13分発の姫新線津山行気動車は朝霧に埋め尽くされた谷合をひた走る。山の中といっても中国山地は優しい地形だ。平地も多くのどかな気配。昔からの人の暮らし感じられる。気動車の窓からいわくありげな寺や神社が垣間見える。

姫新線の走る地域はかって美作と呼ばれた地域だ。美作は宮本武蔵の出身地だ。さらに連想は吉川英治に向かう。吉川英治の宮本武蔵は私が初めて読んだ小説かも知れない。新見から津山へ向かう姫新線はまさに日本の田舎の気配。乗客もホトンドいない車内でのんびり外を見ながら移動するのは全く贅沢な旅だ。

津山は観光で町おこしを図っている。駅前も整備が進んでいるけど、私としては前日泊った新見の方が好みだ。津山城の桜にはまだ早く、佐用で乗り換えて姫路で鯖寿司と穴子飯を買って明るいうちに帰宅した。

◆行動記録
  • 7:13 新見発
  • 13:27 姫路発
  • 17:13 名古屋

【遥か彼方に津山城。桜はまだだ。】

2018年3月23日金曜日

木次線2・新見泊(2018.3.23)

朝7時チョイ過ぎのJRで米子方面に移動開始。この日も天気が良い。途中、大山が美しい。そしてその手前の三つの山は蒜山だろうか。数日前の雪だろうか、山頂が白く輝いている。木次線の始発の宍道で1時間ほどの待ち時間。駅前の地域案内板に「重要文化財八雲本陣、徒歩3分」の文字発見。

たまたま訪れた八雲本陣は予想外に素晴らしい建物だった。この地域は松江藩、出雲大社を近くに控え、昔からかなり栄えた地域だったのだろう。1時間の待ち時間では足りないほど見どころは多かった。

木次線の備後落合行は二両編成と思ったのは甘かった。後ろの1両は配送車両で実質的には1両編成。その列車はほぼ満員。座れない人もいる。そのほとんどが高齢者だ。少しだけ若い鉄チャンもいる。皆さん三江線廃線の危機感から木次線のには乗っておこうと考えているようだ。

宍道からしばらくはなんということもないローカル線だ。砂の器の亀嵩もいつの間にか通貨。出雲横田で配送車両を分離後、山に入る。出雲坂根で30分程度の停車時間。そこの延命水はなかなか美味しい水だった。ここからが木次線の核心部となる。遥か彼方の山の上に赤い大きな橋が見える。そこまでスイッチバックで上る。列車は律儀に山肌を昇る。今なら経済優先、トンネルで力ずくで超えていくものだろうに、昔の人の粘り強さ、優しさが感じられる。赤い大きな橋は車用の巨大なループ橋だった。

備後落合で木次線は終わり、芸備線に乗り換え新見着は夕方4時。新見はなかなか落ち着いた町だ。備中高梁に似て真ん中に高梁川が流れ、そこから山に向かってなだらかに町並みが広がっている。ホテルにチェックイン後、町を徘徊。城山公園から眺めたら夕日と山の影に沈んでいく町並みが美しかった。公園の横にはまちを見下ろすベストポジションに墓が並んでいた。ここなら私も葬られたいと思うほどの気分の良い場所だった。そこで墓掃除をしているオバチャンとしばし歓談。新見は石灰で栄えたけど最近は沈滞ぎみらしい。

◆行動記録
  • 八雲本陣
  • 出雲坂根:延命水
  • 新見泊:ビジネスシティホテル
  • 夕食は千屋牛を食べるつもりだったけど、以呂波で焼き鳥。

【八雲本陣には大正天皇が皇太子の時訪れた部屋があった】

【木次線出雲横田駅で配送車両を切り離す。】

【出雲坂根駅にある延命水】

【出雲坂根駅】

【スイッチバックで急激に高度を上げる。出雲坂根駅がはるか下に見える。】

【見上げた赤い橋まで登る】
【二重ループの自動車道】

【備後落合で芸備線に接続。右・新見行、左・三次行。】

【新見の御殿町】

【新見の街の真ん中を高梁川が流れる】



2018年3月22日木曜日

木次線1・鳥取泊(2018.3.22)

三月末で三江線が廃止になる。乗客減少でローカル線が次々と無くなる。その三江線の廃線で気になるのが木次線だ。こちらも中国山地のローカル線だが、鉄チャン注目のスイッチバックや砂の器で有名になった亀嵩などの観光視点で長らえているけど、廃線の危機は忍び寄っている。

三江線は廃線直前で混雑が予想されるので、その代わりと言ってはナンだけど木次線に乗ることにした。とりあえず18切符握り締め鳥取に向かう。鳥取は市内に温泉が湧いている。そしてその温泉も極めて上質。湯量も豊富で私は大好きな町だ。

久しぶりに乗った京都からの山陰線はなかなか進まない。久々に味わうローカル線の旅だった。この時期、学生の卒業旅行か若者の姿が多い。通常、高齢者が目につく18切符の旅だけど、この時期は本来の趣旨の利用が目立つようだ。

東横インにチェックイン後、ホテルのタオルを持って近くの元湯へ向かう。久しぶりの元湯だけど、以前の記憶と同じ。潤沢なかけ流しの湯が浴槽の縁から溢れている。若干のアルカリ的ヌメリ感のある湯は下呂温泉に勝るとも劣らない。

湯から上がり、近くの居酒屋で飲むビールは格別だ。カウンターで隣り合ったオッチャン二人組との話も弾み楽しい旅先の夕食だった。彼らは神奈川から車で「日本百名城」めぐりの途中だとか。最近遊んでいる高齢者が目立つね。私もその一人だけど・・・。

◆行動記録
  • 7:10 金山発(勝川6:44)平日の米原行はこの1本のみ
  • 米原、京都、園部、福知山、豊岡、城崎温泉、浜坂、乗換
  • 17:08 鳥取着
  • 東横イン泊
  • 温泉は元湯(400円)
  • 夕食:くさかべ(刺身盛り合わせ、のどぐろ塩焼き、もずく雑炊、ビール、日本酒:4000円)
【春になった。でも大山は白い】

2018年3月15日木曜日

水戸偕楽園(2018.3.15-16)

茨城県の水戸に行って来た。なぜ水戸かというと「今まで行ったことがないから」という極めて単純な理由からだ。さらに言うと水戸は幕末にはそれなりに存在感を発揮したけど、その後、イマイチ、パットしない。その面では昨年訪れた佐賀と似ているかもしれない。そんな地味なところが私は好きなのかもしれない。

朝5時47分発の18切符で出発。暖かくて良い天気だ。天気は良いけど電車から見る窓の外が異常に白い。富士川越しに見る富士山も白いもやに霞んでいる。外の気配にビビりつつマスクの紐を締め花粉に備える。

今回、乗換状況がすこぶる良かった。浜松、熱海、上野と乗り換え水戸着は午後2時57分。観光案内所で情報収集後、駅から仙波湖を回り込み偕楽園まで小一時間。初めて歩く水戸の町はこじんまりとした良い町だった。仙波湖の周りは桜が多く、あと二週間ほどで満開となるだろう。その代わり梅は満開。初めての偕楽園に梅の満開時に訪れることができて単純にうれしかった。

平日にもかかわらず偕楽園はけっこうな人出だった。偕楽園の中心となる好文亭に登ってみた。戦災で焼け、戦後に再建されたものだけど、昔の雰囲気を十分感じさせる良い建物だった。特に贅沢な建造物ではないけれど、しっかり管理され、地元の方々に愛されていることが端々に感じられた。名古屋城の本丸御殿の豪華絢爛、人を寄せ付けない雰囲気とはチョイと違うと感じた。

翌16日はホテルをチェックアウト後、弘道館へ向かった。しかし、弘道館が開くのは9時から。まだ開いてない。帰りの時間も気になるので、水戸城跡近辺を歩き回っただけで帰還した。帰りは水戸から熱海までグリーンを奮発。980円の出費なるも、上野で購入のシウマイ弁当もゆっくり味わうことができて十分元が取れた。ちなみに水戸から品川までも熱海までもグリーン料金は同じ。50キロ以上はすべて980円らしい。車内は車内販売を兼ねるオネエチャンがすぐに検札にくる。チケットを持たずそこで支払うと1300円程度になるらしい。JR東もなかなか商売熱心だ。

◆行動記録
  • 3/15(木)
  • 5:57勝川発
  • 6:08金山
  • 8:10浜松
  • 10:53熱海
  • 12:52上野
  • 14:57水戸
  • 偕楽園(梅満開)
  • 東横イン(5724円、ポイント宿泊で無料)
  • 夕食 2500円焼き鳥

  • 3/16(金)
  • 7:00ホテルチェックアウト
  • 弘道館は開いてないので水戸城跡を一周、学校が多い
  • 8:35水戸発
  • グリーン奮発980円(品川も熱海も同じ料金)
  • 17:30金山

【偕楽園の好文亭、気持ちの良い風が抜けていた】

【好文亭から仙波湖を望む、隣りの梅林は満開だ】

【偕楽園内の梅林も満開】

【名前は忘れたけど、いい店だった。もう少し早ければアンコウが良いらしい、店のオヤジ談】

【駅北口の黄門様】

【弘道館は開いていなかった。アンコウと弘道館は次回の課題だ。】

【久しぶりのシウマイ弁当はご飯が少し硬い気がした。年を取って固いものが気になるのかと少々寂しい】

2018年3月10日土曜日

マイア雪遊び(2018.3.10)

ここ数年、冬に一度は孫を雪遊びに連れて行くことが恒例になっている。一昨年は開田高原、昨年は石徹白。スキーをするわけでもなく、雪原で雪を掘ったり、バーナーでラーメンを作ったりして日帰りで一日過ごす。子供にとってはそれが一番楽しいようだ。それには天気が良いことが必須条件になるけど、今年は天候が不安定でなかなか適当な日が見つからなかった。数日前、大雨の後春一番が吹いた。そしてやっと天候が安定してきた。

御岳マイアスキー場のスノーシューコースへの出撃を考えていたけど電話で確認してみれば、数日前の雨で雪が溶け沢が露出しコースが閉鎖になってしまった。次善の策としてヘブンス園原のゴンドラで富士見台へ行くことを考えたけど、現地に問い合わせてみれば富士見台は完全に雪が消えているとか。石徹白方面には雪があると思うけど、今年の福井大雪の荒れた気配から子供を連れて行く気にならない。

マイアはコースは閉鎖されてても雪はあると聞いて、とりあえずマイア方面に出かけてみた。19号線から別れ開田高原に入っても雪は全くない。マイアスキー場近くになってからなんとか雪が見えてきた。スキー場近くの林道脇にちょっとしたスペースを発見。スコップで雪を掘りテーブルや椅子を作る。バーナーに火をつけ食事を作る。天気も良くて暖かく穏やかな一日だったけど、3月に近場で日帰りの雪遊びは厳しいかもしれない。来年は2月中に出撃することを目指すべきかもしれないね。

【雨で適当に固く締まった雪はいろいろ創作意欲を触発する。孫はテーブルの隣に和式便器を作っていた。さすがにそこで事に及ぶことは無かったけど・・・。】

2018年3月7日水曜日

宝塚歌劇(2918.3.7-8)

宝塚歌劇を見に行ってきた。若いころ阪急宝塚線沿線に暮らしていた私だけど宝塚歌劇は興味がなかった。いやそうじゃない。興味はあったけど興味がないふりをしていたというのが正しいかもしれない。

「悲愴ならムラビンスキーのレニングラードだよね」「コルトレーンの至上の愛は良いね」「浅川マキって良いよね」などと言うことがカッコイイと思っていた若気の至り。宝塚歌劇は視野の右斜め横あたりで意識していた。

しかし、年を経て私の残された時間も少ない。「素直にならねば」との気持での出撃。結論から言えばとても楽しめた。特に、考えられないほど都合の良いストーリー展開、キラキラ状態の大階段に繰り広げられる華やかな舞台。まさにエンターテイメントの極み。小難しい寺山修司の対極の世界だ。

この勢いで夢芝居的大衆演劇、AKB的アイドルコンサート、メイド喫茶、プロレス、文楽・・・など、このままでは絶対経験できないと思われるものへのアプローチを考えている。楽しみだなあ・・・。

◆行動記録
  • 3月7日近鉄特急で出発
  • 難波、なんなんたうん会津屋たこやきの昼食500円
  • OCATからバスで有馬温泉
  • 有馬温泉兆楽で宿泊(けっこう高かった)
  • 3月8日11:00開演宝塚歌劇(カンパニー他)
  • 梅田で「ひらお」的天ぷら定食900円ぐらい(名前忘れた)
  • 新幹線で帰還
【見やすい劇場だった】

【宝塚初心者の私にとって出演者はほとんど区別できない】

【観客はほとんど女性。平日にもかかわらずほぼ満員のお祭り状態】

【前日泊まった有馬温泉も観光客で溢れていた】

2018年3月2日金曜日

日本民藝館(2018.3.2)

今年の冬は寒かった。私自身そんなに寒さは感じなかったけど、なぜか出撃意欲が大幅に減退している。そんな冬もやっと終わり三月になった。気温も律儀に急上昇。青春18切符も使える。そんな浮き立つ気分で春風に吹かれつつ、久々の適当出撃。行先は東京の日本民藝館。今は棟方志功展をやっている。

柳宗悦が提唱する民藝運動の「用の美」については納得する部分もあるんだけど、初めて訪れた日本民藝館はそれなりに権威を感じさせるところだった。私としてはもう少し素朴なものと勝手にイメージしていた。それはそれとして、棟方志功の華厳コーナーに展示されていた版画はなかなか迫力があった。

久しぶりに決行した18切符東京日帰りはなかなかハードだった。復路の横須賀線で沿線火災があり東海道線が大幅に乱れた。新幹線は動いているらしいけど、新幹線に乗れば18切符東京日帰りのコンセプト放棄となる。それは避けたい。

渋谷から井の頭線で下北沢乗換小田急経由で小田原に出た。830円の追加出費だったけど、初めて乗った小田急から見た、大山や丹沢の山並みや夕日を背にした富士山が美しかった。最近、東京周辺の交通状況はトラブルが多い。湘南新宿ラインの大崎あたりから見た線路の複雑な絡み合いや、渋谷駅周辺の状況は昔の東京しか知らない私にとっては驚きの連続だ。東京五輪を目前にして東京のインフラはもう限界ではないのか?談合まみれのリニア新幹線を作るより東京のインフラ整備が先なのでは?真面目に考える私です。

◆メモ
  • 7:36 金山発
  • 熱海でうどん食べてる間に乗り遅れる
  • 14:30 湘南新宿ライン経由で渋谷着
  • 井の頭線130円 東大駒場前
  • 日本民芸館 1100円
  • 沼津からホームライナーでとっとと帰還。320円
  • 夕食は焼き鳥四本とおはぎ二個。帰宅後しらす弁当
【日本民藝館。周辺はほとんど東大の空気に満ちている。】