2009年9月18日金曜日

北ア・朝日岳(6-4-24)

朝8時15分、糸魚川駅から蓮華温泉行きのバスに乗る。乗客は私一人。乗務員は若い運転手とおじいさんの車掌の二人。車掌さんは昔懐かしいカバンを持っている。切符も昔委懐かしい紙製。真ん中に切符切りの穴も開いている。まことにレトロで懐かしい。
 


(糸魚川で買った笹餅。これも懐かしい味だ)
 
さらに平岩駅でタバコ休憩。JR平岩駅も数年前の水害で国道が付け変わりすっかりさびれてしまっている。話を聞けば近くの温泉旅館もかなりさびれてしまったとか・・・。10年以上前、このあたりの温泉、特にアブに追われた「蒲原温泉」の露天風呂の記憶がよみがえるものの、蒲原温泉は無くなってしまったらしい。
 
蓮華温泉で車を回収後、露天風呂へ向かう。仙気の湯に入るべく5分ほどの山道を歩くものの、痛みで断念。途中の黄金の湯と内湯で我慢。今回、ひょんなことから思わぬ行動。これも運命。結論から言えば、なかなか面白かった、ということです。
 
平岩から蓮華温泉へのバスの窓から山葡萄らしきもの発見。車を回収後確かめてみれば立派な山葡萄。痛い足を引きずり山葡萄を取りつつ帰還しました。(2009.9.18)

2009年9月17日木曜日

北ア・朝日岳(6-3-23)

一晩寝て、足も少し落ち着いてくる。でも、歩き始めると痛み出すことは明らかだ。蓮華温泉へ戻るルートは長いうえ、朝日岳の登りと最後の瀬戸川から蓮華までの登り返しもある。

最も楽な下山ルートは北又小屋経由のルート。コースタイムも5時間程度。登り返し無し。膝には下りの方がきついけど、本当に動けなくなったとき下りなら這ってでも帰れる。

同宿の人や小屋番とも協議の結果、北又小屋へ下ることにする。北又小屋でタクシーを呼び、糸魚川で1泊。その後、糸魚川からバスで車を回収の計画。北又小屋へのルートはこんなことでもない限り多分歩くことも無かろう、これも何かの縁かもしれない。

小屋で一緒になった人も心配してくれて膝のサポーターと鎮痛剤を貸してくれる。こんな山奥まで厳しい装備の中持ってきたサポーターを貸していただけるのはまこと有難かった。 朝、6時過ぎ、小屋を後に、北又小屋へのルートを下り始める。最初は開けた湿原の中の木道が中心。チングルマの綿毛を踏み分けて歩くような気分のいい道だ。
 

(イブリ山までの快適な道)

振り返れば朝日岳が大きい。足も何とか動く。でも痛い。下山全行程の1/3、イブリ山の山頂から見た朝日岳は特に見事だった。 イブリ山から下は樹林の中の道となる。展望は無くなるけど、樹林を吹き抜ける風は気持ちが良い。 

下るに従い斜度は急になる。足の痛みは激しさを増す。痛めた膝の反対(左膝)も痛くなってきた。足を着くときの痛みだけでなく上げるときも痛みが走る。汗拭きタオルで左ひざを縛って歩くがついに動けなくなる。

大休止。右膝に装着したサポーターを左ひざに装着しなおす。効果があるかどうかわからないけど、とりあえず出来ることはいろいろやってみる。まだ、最後の手段の鎮痛剤は飲んでいない。

イブリ山からはイブリ山の頂上を「10合目」とする合目表示がある。最初、その1合とその中間の2回づつ休憩。歩くに従い休憩の頻度が上がる。そのうち15分歩き10分休憩。最後は休憩のほうが長かったかも・・・。

(やっとたどり着いた1合目)

歯を食いしばりつつ歩くこと7時間以上、北又ダムが見えてくる。最後の北又ダムの横の急な階段を登り北又小屋にたどり着く。
 


(北又ダム、つり橋を渡る)

小屋番のオッチャンがが迎えてくれた「やあ、ゆっくりだったねえ」。朝日小屋から連絡があったとかで、暗くなったら迎えに行くつもりだったとか。まあ、大事にならなくてほっと一息。北又小屋も山深いところ。小屋番のオッチャンとの話も面白かった。機会があれば渓流釣りに来てみたいものだ。

北又小屋からタクシー(9300円)で北陸線泊駅まで出て、糸魚川の」ビジネスホテル(4000円)に宿泊。夕方、糸魚川の居酒屋を探索。糸魚川は何度も車で通過した事はあったけどじっくり歩くのは初めて。魚が美味しい、日本海が美しい、町並みも歴史を感じさせる、と、言うわけでなかなか有意義な放浪とあいなりました。(2009.9.17)



(夕焼けの日本海)

2009年9月16日水曜日

北ア・朝日岳(6-2-22)

昨日の小屋の女将の「意外と時間がかかるので6時前には出発したほうがいい」とのアドバイスもあり、5時過ぎに起床。さすがにこの時期、まだ暗い。車の中でごそごそ明るくなるのを待っていたら出発は6時過ぎてしまった。

たまたま私の車の横に止めた車の人が話しかけてくる。聞けば彼も朝日小屋を目指しているとか。 彼と前後して歩き始める。木道が霜ですべる。非常に歩きにくい。まあ、今日は小屋までたどり着けばいい、と、甘い考えで、のんびり歩く。

テントの代わりに果物を沢山持参。休むたびに、トマトを食べる、梨を食べる、お菓子を食べる。天気は良好、気分は絶好調。

すれ違う人も無く、栂海新道との合流点到着。後は朝日岳に登るだけ。時間はかかったけど気分良好。6時間以上は歩いている。そこで膝、太ももに違和感。私も年をとったものだ。


(栂海新道との分岐) 
 
一登りで朝日岳山頂。大きな標識、石の方位盤がある。周囲は背の低い潅木。あまり展望は無い。頂上付近は広い草原、潅木が広がっている。人はいない。後は朝日小屋へ下るだけ。
 
(朝日岳山頂)
 
蓮華温泉から見た朝日岳はのびやかな稜線を広げている。すぐ着くだろうと思っていたけど、甘かった。なかなか着かない。そのうちに急な下りとなる。ガスの切れ目からこの先の登山道、および朝日小屋が見える。足元から急激に下っている。想像していた雰囲気と違う。

(朝日岳を越え朝日小屋を望む)
 
その急激な下りの途中、右膝が痛くなってくる。我慢して歩くうちに痛みはさらに酷くなる。何とか小屋にたどり着いた。右足はもう上がらない。今回、ダブルストックで登ってきた。ストックが無ければ途中で動けなくなっていたかも・・・。

朝日小屋は朝日平の真ん中にある。花の時期に来ればさぞ綺麗なところだろう。小屋の前のベンチに腰を下ろす。人は誰もいない。結局この日の泊まりは3人。食事も秋のメニューとかで、鍋も出た。ワインも富山名物の白身魚(カジキ)の昆布ジメ出た。食事は満足。小屋もゆったり。でも、明日は下山できるだろうか。(2009.9.16)

2009年9月15日火曜日

北ア・朝日岳(6-1-21)

この夏は天候が不順だった。山にもなかなか行けなかった。9月になって天候もチョット安定。静かな秋山も良いのでは?と、以前から気になっていた北アルプス最北端の朝日岳へ行くことにした。7月にも行った蓮華温泉から朝日岳を越え、朝日小屋までのピストン。1泊2日の計画。

小屋泊まりはここ10年以上したことが無い。でも、この時期テントを持っていく気概も無い。「たぶん小屋も空いていて快適だろう」との予想から「軽装で小屋泊まりもオツな物では?」との安易な考えでの出撃。これが苦労の始まりとなる。

相変わらず、高速は使わず、国道19号線、安曇野のサラダ街道経由で大町を過ぎ、白馬のジャスコで食料調達。一人で車を運転しつつ、なぜか気分が盛り上がらない。秋はやっぱり物悲しい。そんな寂しい気分で、さらに人気の無いところへ向かう私。酔狂なものだ。

白馬ジャスコでちょっとした驚き。食料が安い。菓子パン1個78円。行動食も安い。こんな安くて、世の中だいじょうぷか?とも思ったけど、安い分には文句無い、と、言うわけで、大量に食料購入。さらに朝日小屋に予約電話し、蓮華温泉の駐車場で大雪渓紙パック酒を飲みつつ、あっという間に寝てしまった。(2009.9.15)