奈良の東端、隣は三重県名張市という位置に安産寺という寺がある。寺と言っても正式な寺ではないようで、地域の公民館的集会所といった感じの施設だ。最寄の駅は近鉄室生口大野と赤目口の間にある三本松駅。
ここを寺と呼ぶのは知る人ぞ知る地蔵菩薩があるからだ。その仏像を見に行ってきた。事前に地域の方に連絡して説明を受けつつ拝観した。
その仏像は素晴らしい仏像だった。室生寺との関係が深いことを聞いていたけど、見た瞬間に室生寺金堂の十一面観音を思い出した。ふっくらした優しい丸顔だけど目から鼻にかけての神秘的な鋭い雰囲気は弘仁貞観期特有の物だ。こんな素晴らしい仏像を極めて近い位置で見ることが出来て幸せだった。
この室生寺近辺の地域はまさに日本の原風景といった感じを残している。この仏像を守り続けている地域の雰囲気も極めて日本的だ。昨今の効率重視の世の中の風潮とは違う。毎月9日の午前中に拝観することができるそうなので機会があったら再訪しこの地域の方と話をしたい。
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