2009年11月17日火曜日

三朝温泉(10-1-33)

目覚まし時計の音で目が覚める。1年以上この音を聞いてない。一瞬何が起きたのか分からなかったけど朦朧とした頭で時計を押さえ込み、よろよろ起床。時間は4時20分。「そうだ、始発に乗るんだった」
 
まだ暗い道を自転車で勝川駅。5時23分の始発はけっこう人が多かった。特に若者が多い。世間が仕事モードの中、私は放浪モード。若干の後ろめたさを感じつつ、昨夜ネットで調べた山陰線倉吉までのチケット購入、金6830円也。もちろん鈍行。 青春18切符の期間内なら当然18切符を使うのだが、この時期は期間外。そのためか高齢者の姿は少ない。最近の18切符意は高齢者ご用達。十分のんびり座って行けた。
 
勝川、名古屋、大垣、米原、京都、園部、福知山、豊岡、浜坂、鳥取と膨大な乗換えを繰り返し、倉吉に着いたのは午後4時少し前。当初の計画では5時少し前倉吉着の予定だったが、途中で雨がひどくなり、暗くなってから宿を探すのも億劫なので、鳥取から特急を使ってしまったけど・・・。
 
この乗り換えもなかなか楽しい。園部では駅の中に不思議なホテル発見。その名も「ホテル・リーズナブル」。訳せば「安宿」か。機会があれば泊まってみたい。各列車の乗り換えもけっこうスムーズで、ちょうど良いタバコ休憩のようだ。
 
お昼時の豊岡では駅弁販売中。かに寿司(1180円)とワンカップ・香住鶴(240円)購入。列車の4人がけの席を占拠し、足を投げ出し弁当を食べる。ウーン、懐かしい。
 
車窓からは円山川のゆるい流れと雨に煙る紅葉の山。まもなく城崎に着く。 列車は城崎過ぎると、日本海の海と山の間の狭いスペースを縫うように走る。その中に「鎧」という駅がある。ホームから眺めると足元に海に寄り添う小さな集落。小さな港の堤防にに荒波が打ち付けている。最果て度満点。冬の厳しい時期にここの小さな宿で蟹の身なんぞつつきながら、波の音なんぞ聞いている自分の姿を想像してしまう。イイダローナー・・・。
 
昼間の酒は良く回る。酔った頭でつらつら考える。勝川で列車に乗ってから8時間ほど経過。思えば遠くに来たものだ。平面的な移動距離はたいしたこと無いけど、時間がかかっているということだけで遠くまで来ているといえると思う。時間の経過に対する人の感覚はその時々で異なるけど、時間、空間ともにその距離はそのときの感覚で決まるということだ。今の私にとって、飛行機で千歳へ降り立つときよりも、今のほうが遠くまで来ていると確かに感じる。
 
倉吉駅でバスに乗り換え三朝温泉・桶屋旅館到着は午後5時チョイ前。早速、温泉に飛び込む。この日の客は私のほか夫婦が一組。話せばご主人は私の一回り上の年齢。なぜか話が合う。40年以上前、私が紅顔の美少年だったころ、旅をした時の同じ面子がそのまま年月を経過して再開しているみたい。この感覚は翌日も、そしてまた、最近良く味わうところでもある。(2009.11.17/火)
 
(園部駅のホテル・リーズナブル)


豊岡駅・カニ寿司・ワンカップ(香住鶴)

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