2019年9月22日日曜日

北海道日高・秋(2019.9.22-26)

前回7月に日高を訪れたとき、宿のオヤジさんから耳に残った言葉があった。「秋になったら舞茸取りに来ないか?」。だったら出かけてみるか?と再度の出撃。事前に現地の予定を確認することもなく、舞茸取りが出来なくても「秋の日高を歩く事が出来たらそれで良い」と気楽な気分での出撃だった。

■1日目・出発(2019.9.22)日
台風17号の動向は気になるものの、往復の飛行機は問題なく飛びそうだ。今まで何度も北海道に出撃するも秋の北海道は初めてだ。ネットで確保した格安チケットを握りしめ、勝手知ったる中部国際空港に来てみれば、この秋からLCC専用の第2ターミナルが出来ていた。さすがに空港の発着料金が安いLCC専用の第2ターミナルは名鉄電車を降りてから遠かった。動く歩道をダラダラ歩き、殺風景な長い直線廊下を歩くとき、関門海峡の人道トンネルを思い出す。

たどり着いた搭乗ゲート前の待合室は新しいだけに機能的にできている。コンセントもUSBジャックも潤沢に完備。ただ飛行機搭乗前の浮き立つような華やかな空気はなく、沢木耕太郎深夜特急風の落ち着きに満ちている。それはそれで嫌いでない私です。

飛行機の搭乗を待つ間にこの静けさの理由に気がついた。この第2ターミナルにはテレビがない、いろいろな人工的な音がない。飛行機を待つ人々はひたすらスマホをいじっている。ただお隣の国の方々の声だけが響き渡る。しかし、私には意味がわからない。

新千歳空港では浦河行きのバスまで時間がある。サッポロビールの工場へ行ってみる。最終日にはもっと空港で時間があるので工場見学の様子を偵察することにした。その結果、最終日の11時スタートの工場見学を予約。16時27分発の浦河行に乗ったけど、前回7月は夕方の海岸線を見ながらの移動だったけど、二カ月過ぎただけで車窓は真っ暗。秋は陽が短いなあ。

少しバスが遅れたせいもあり宿に着いたら夜8時近くになってしまった。夕食は宿の一階のラーメン。そのラーメン屋で宿のオヤジさんと突然の遭遇。明日23日の早朝に舞茸取りに行くとの話。私に異存はなく、ラーメンを食べてトットと就寝。しかし、台風の接近で天候に関して不安は残る。

◆行動記録
09:35 金山発名鉄特急
10:05 中部国際空港着
11:50 中部国際空港発(ジェットスター往復19420円)
13:35 新千歳空港着
サッポロビール庭園を偵察
16:29 新千歳空港発(バスひだか優駿号 2620円)
19:17 役場前着
宿泊:ゲストハウスまさご


【第2ターミナルへ向かう関門海峡人道トンネル風廊下】


【第2ターミナルはボーディングブリッジならぬボーディングプロムナード】


【ゲート前の待合シートはコンセント多数で機能的】


■2日目・停滞(2019.9.23)月
台風が接近しているので朝四時発の短時間勝負だ。しかし、朝四時に起きてみれば雨が降っている。結果、あっさり舞茸取りは中止。残念だ。

その後、二度寝を楽しみ、お昼頃から傘を指して浦河の町を散策。しかし、二時間程度で行くところがなくなった。宿に戻りイイチコ飲みつつテレビで時間を潰す。その時、翌日の舞茸取りの連絡。わざわざ名古屋から舞茸取りに日高まで来た私に気を使って、予定外に舞茸取りを計画してくれたようだ。もちろん私には異存はない。

夕食は二ヶ月前にもお世話になった「もっきりや」。九月になって浦河では夕方港にあがるマイカが有名らしいけど、今年は異常に型が小さくほとんど入手できないらしい。海水温が異常に高いそうだ。さらに、台風接近で漁もなく、なかなか美味いものにはありつけない。

宿泊:ゲストハウスまさご

■3日目・舞茸取り(2019.9.24)火
昨日、雨で中止となった舞茸とりに再挑戦。二日続けての四時起き。軽トラで暗い天馬街道から林道を爆走。熊避けにクラクションを鳴らし続けて現地に着いたのは5時ちょい過ぎ。台風は過ぎたものの山にはチョイと雨も残り、急斜面の足下のぬかるみは半端ない。はじめて歩く日高の山は思ったより下草や笹藪は酷くなくて歩きやすそうに思えるものの、想像以上に急で、積もった落ち葉の下のぬかるみに足をとられるとそのまま数メートル下へ滑り落ちてしまう。

さらに馴れない北海道の山。先導するオヤジさんを見失いルートを失うと事件だ。なんせ、ここはヒグマの生息域のど真ん中。舞茸を探すよりオヤジさんを見失わないようについていくのが精一杯だ。しかも私は天然の舞茸を見たことがない。自力で見つけることは最初からほとんど諦めている。ただ、日高の山の中を歩き回るだけで十分目的は達している。

そんなとき尾根に隠れて姿は見えないけど先導するオヤジさんの明るい声が響く。声の方向へ急いで向かうと舞茸があった。大きなミズナラの根本に絡み付くように生えている。はじめて見る天然の舞茸だ。

舞茸を見つけたら、嬉しくてその回りを踊り回るらしいけど、この舞茸の生育現場はとんでもない急斜面。踊り狂うのは諦めて両膝をつき滑り落ちないように気をつけ、さらに舞茸の固まりを崩さないようにザックに入れるだけでイッパイイッパイだった。

この日は一時間ちょっとの行動だったので見つけた舞茸は二つ。もうひとつはまだ小さかったので後日の楽しみに残してひとつだけ持って帰った。朝飯前の短時間の行動だったので大急ぎの舞茸とりだったけど、一日かけてのんびり山を歩けばもう少し楽しい舞茸とりになるかも知れない。ただ熊の問題があるので、のどかな山歩きにはならないかも知れない。さらに、マムシ、ダニ、アブの問題もある。特にダニは内地より多そうだ。

短時間勝負の舞茸とりなので九時過ぎには宿に戻った。その後、前日手配したレンタカーで襟裳岬から広尾までの海岸線を走ってみた。早朝から行動開始で充実した一日だった。

◆行動記録
・早朝、舞茸取り
・襟裳岬は風が強かった
・広尾まで足を延ばす(黄金道路)
・広尾で豚丼
・コインランドリーで選択
・入浴後、夕食は三之助で海鮮
・夕日が美しかった
・宿泊:ゲストハウスまさご

【あまりの急斜面に意気が上がり写真は手振れがひどい】

【初めて見た天然の舞茸。心を静めて写真を撮るも手振れ写真となってしまった。】

【二つ目の舞茸。切り株の中に生えている。もう少し育てて後日採取予定】

【日高の森は深い】

【立派な舞茸だ】

【襟裳岬、風つよし】

【台風一過の拾い昆布漁はけっこう危険かも・・・。】

【宿近くに夕日を見るスポットがあった】

【素晴らしい夕日だけど、海は荒れている】

■4日目・天馬街道(2019.9.25)水
前日まで二日続けての四時起きだったので、この日も四時に目が覚めた。若い頃ならそのまま寝続けられたけど、最近は目が覚めてしまう。明るくなるのを待って五時頃散歩に出る。前日、夕日を眺めた海岸から浦河の漁港周辺を歩いてみる。昨日は大荒れだった海もかなり穏やかになってきた。この分なら今日は漁に出られるだろう。

朝食後、天馬街道経由で帯広方面に行ってみた。天気も良くて広々とした日高の牧場や、帯広の広大な農地を見ると北海道へ来たことを実感する。アエルで馬と戯れ、帯広の緑が丘公園で白いラブラドールと触れあったのどかな一日だった。たまたま訪れた帯広の緑が丘公園だったけど広大な芝生の美しくて良い公園だった。北海道には良い公園が多い。

◆行動記録
・早朝、浦河を散歩
・アエルで馬と戯れる
・帯広・緑ヶ丘公園で昼食(前日の行動食の残り)
・四つ葉乳業工場見学
・レンタカー支払い(二日間で税込み10800円)
・夕食:三之助
・宿泊:ゲストハウスまさご

【アエルで馬と遊ぶ】

【帯広・緑ヶ丘公園で白いラブラドールと遊ぶ】

【四つ葉乳業工場見学】

【夕日に間に合わず】


■5日目・帰還(2019.9.26)木
今日は最終日。帰るだけだけど、新千歳空港で時間があるためサッポロビール工場見学が予約してある。したがって今日も早起き。早朝五時前に起床、6時13分発の札幌行きバスに乗る。最初は6時15分発の空港行きに乗る予定だったけど空港行きひだか優駿号にはトイレがない。それにたいして札幌行き特急バスにはトイレがあるらしい。札幌経由の方が運賃が高いけど、おしっこ関係でそのルートを選ぶ自分がチョイと寂しい。

何はさておき、今回の旅の最大のミッションである「舞茸を自らの手で取り上げる」事が出来て最高に嬉しい。案内してくれた宿のオヤジさんに感謝だ。

◆行動記録
6:13 札幌行高速バス(29?0円)
手前で降り、地下鉄新札幌でJRに乗換
10時チョイ過ぎに札幌ビール庭園着
11:00 サッポロビール庭園工場見学10分前集合
14:30 新千歳空港発
16:20 中部国際空港着

【サッポロビール工場見学の試飲会場から見る庭は美しい。生ビール二杯、おつまみ付き】

◆補足
中部国際空港第2ターミナルからの帰宅は辛い。行きは出発の高揚感などで、そんなに疲れを感じなかったけど、帰着時は旅の疲れが身に染みる。さらに爽やかな北海道から、蒸し暑い名古屋の空気は辛い。しかも、名鉄までの道の空調もイマイチ。外を歩く部分もある。標識もはっきりしない。関門海峡人道トンネル状の通路には「-28キロカロリー」の表示もある。この帰り道をジムのおまけと考えればいいのかもしれない・・・。

【帰り道は遠い】

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