2013年7月19日金曜日

穂高2(2013.7.19)

昨夜は良く眠れた。混雑の無い山小屋は快適だ。イビキモンもいなかった。朝4時起床、薄明かりの中、小屋の窓から外を眺める。素晴らしい天気だ。この天気なら撤退する理由は無い。登らねばならない。小屋の親父さん曰く「今日が本当の梅雨明けだ。昨日まで雨ばかりだった」

5時30分一番の朝食を済ませ、のんびり歩き始める。最初は涸沢小屋の脇の雪渓を歩く。事前の情報で雪が多いと聞いていたので軽アイゼンを持ってきた。この時期の雪渓歩きには軽アイゼンがとても快適だ。

登るにしたがい、前穂北尾根が全容を現す。その左に富士山も見える。久々の3000mの歩きはちょいと高山病の気配。頭がふらつく、息が切れる。しかし、絶好の天気に幸せな気分満載だ。雪渓を抜け北穂南稜の夏道に入ると、コバイケイソウ、シナノキンバイなど高山植物が現れる。青い空、白い雪、咲き始めたばかりの高山植物、まさに絵に描いたような夏山だ。登山道の周りには猿の群れが遊んでいる。

北穂高山頂には北穂高小屋がある。日本で一番高いところにある山小屋だ。その北穂高小屋には天空のデッキがある。そこで槍を眺めつつ生ビールを飲むのがささやかな夢だったけど、その後の行程が心配なので生ビールは断念した。北穂から次の涸沢岳への行程は「落ちたらアウト」のちょっと危険なルートらしい。

危険なルートとは言っても、掴む岩はしっかりしている。落ち着いて行動すれば問題は無い。しかし、飛騨側に切れ落ちる谷は、かの有名な滝谷だ。目もくらむような高度感だ。そんな緊張感もなかなか良いもんだ。

涸沢岳を越え、白出コルの穂高岳山荘でやっとありついた缶ビール。緊張が解け、明るい稜線を眺めつつ飲むビールは良いもんだ。穂高岳山荘も混雑も無く非常に快適な一夜だった。(2013.7.19/金)

◆行動記録
 6:30 涸沢ヒュッテ発
10:10 北穂高小屋
11:30 発
14:20 涸沢岳
15:00 穂高岳山荘
      1泊2食(9600円)

 【涸沢岳、右が涸沢槍。ガスが晴れた】

 【朝日があたる】

 【ナナカマドの花】

 【前穂北尾根が見え手来る】


 【前穂と吊尾根】

 【眼下に涸沢ヒュッテが見える。遠くに富士山】

 【北穂東稜のゴジラの背。この日、一組のパーティーが登っていた】

 【北穂高山頂から槍から大キレットのルートが見える】

 【北穂山頂から望む前穂、吊尾根、奥穂】

 【北穂高小屋の槍を望むデッキ】

 【北穂から涸沢岳、奥穂高岳を望む】

【涸沢岳への登り】

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