(10/2)
以前、烏帽子岳の紅葉の写真を見たことがある。その日本的な美しさが心に残る。いつかは紅葉の季節に行ってみたいと思っていた。そんな気持ちを少し持ち、「あわよくば烏帽子まで」と思いつつ出撃した。
台風から変わった爆弾低気圧は北海道あたりに停滞しているけど、北アルプス周辺は晴天の予報。安曇野から望む穂高が美しかったし、有明山が富士山のようにすっきり見えた。七倉山荘で一風呂浴び、車中泊。見上げれば満天の星。でもこの夜は冷えた。夏用シュラフでは厳しい季節になった。
◆行動記録
11:00 春日井発
15:00 安曇野イオン
17:00 七倉山荘
入浴料650円
(10/3)
前夜、七倉山荘のオニイチャン情報によれば、稜線の紅葉は終わり、標高2300mの天狗の庭あたりまで降りてきている模様。さらに、ブナ立尾根の丸木橋が流され、沢を濡れて渡る必要があるらしい。当初の予定では七倉尾根を登り、船窪小屋で一泊、翌日は烏帽子小屋泊でブナ立尾根を下山する予定。
なんとなくモチベーションは低下。でも、とりあえず船窪小屋まで行ってみるか・・・。小屋に泊まるかどうかは、着いてから決めることにする。場合によっては日帰りでも良いし。歩き出して早々、スマホを見ればバッテリー低下のサイン。外付けバッテリーを装着してみれば、「このアクセサリは使えません」との警告メッセージ。先日まで問題なく使っていたのに、納得できない。
原因を考えるに、出撃直前にスマホのソフトバージョンアップをしたことが影響したようだ。バージョンアップで使えたものが使えないって、ナンなのよ・・・。気分は悪い。写真が取れない。でも気を取り直して、樹林の中を登り始める。
登りはじめてすぐに現れる急登。大汗かいて唐沢覗き。樹林の間から見える唐沢岳が立派だ。しかし展望はほとんど無い。暗い樹林の道をひたすら歩く。スマホの件もあってなんとなく気分が乗ってこない。秋の単独行は寂しいなー・・・。行けども行けども展望は無い。はっきり行ってつまらない。タバコも買い忘れたし、「撤退」と言う言葉が心によぎる。
持参のゼリーを食べつつ休憩していたら、4人の山ガールのパーティー出現。彼女たちも休憩。聞けば船窪小屋に泊まるために登ってきたとか。そういえば船窪小屋は女性に人気の山小屋と聞いたことがあったような気がする。若い女性の声は良い。コロコロと明るく笑う彼女たちを見ていたら、元気が涌いてきた。結局、彼女たちに導かれ、小屋まで登り、小屋に泊まり、一緒に下山した。
噂に聞いていた船窪山荘は食事も良く、食後には「お茶会」などという集会もあって、なかなか楽しかった。ランプの下でフルートとアコーディオンの演奏などもあって、薄汚い山屋がたむろする小屋とは一味違う女性好みの小屋だった。小さな小屋だけど布団は羽毛。強風の吹き荒れる稜線の小屋だったけど、風の音が心地よい子守唄だった。
◆行動記録
6:00 起床
7:15 七倉登山口発
13:00 船窪小屋
1泊2食付9500円
ビールロング缶800円
(10/4)
朝、とりあえずのご来光は見えた。雲の間からの日出はよく見るけど、この日は雲海から太陽が顔を出した途端、その上を覆っている黒い雲の中に太陽は消えた。その後、小屋はガスに包まれ、冷たい雨か雪のようなものが降ってきた。昨夜からの風は、あいかわらず強い。
当然、烏帽子は止めて、まっすぐ下山。七倉山荘で一汗流し、なんとなく行動を共にした山ガールパーティーと、「また会えたらいいね」などと挨拶して分かれた。最初、寂しい秋の単独行だったけど、なんとなく楽しい山行となって単純に嬉しかった。
◆行動記録
6:30 船窪小屋発
10:30 七倉登山口下山
七倉山荘入浴650円
ソフトクリーム 390円
12:00 七倉発
下條農園リンゴ購入
【10/2 サラダ街道に入ると穂高がクッキリ見えた】
【10/2 堀金の先の有明山。さすが有明富士】
【今回スマホのバッテリー不足で写真が撮れなかったけど、以下、キャプションのみ】
(10/3)
【樹林の間から見える唐沢岳が大きい】
【樹林の間から槍が見える。その左に穂高の吊尾根も】
【天狗の庭まで来ると展望が開ける。眼下に高瀬ダム】
【船窪小屋のテラスからは北アルプス最深部の山が見える。手前から烏帽子から野口五郎の裏銀座の稜線。その向こうに黒岳から赤牛の読売新道の稜線。さらにその先に、薬師から立山の稜線。そして左に槍・穂高。右に立山、剣】
【小屋の食事中に窓から薬師岳の肩に落ちる夕日が美しい】
(10/4)
【翌朝、雲から登り、雲の中に消えたご来光。その一瞬の太陽は暖かかった】