トカラ入口の島口之島に着いた。トカラ列島入り口の島だ。初めてのトカラ列島を見るべくデッキに出てみる。しかし、まだ暗い。遠い山のスカイラインがなんとか見える。心配していた天気は良さそうだ。星が見える。月が見える。時間は朝の五時だ。
次の中之島で少し明るくなってきた。高い山が見える。見た感じは屋久島に近い。名前は知られてないけど中之島の方が屋久島より山深いような気がする。日本にはまだまだ私の知らない所があるなあ・・・。
中之島から諏訪瀬島へ向かうところで海から太陽が上がった。大きな太陽だった。諏訪瀬島の次が目的の平島。デッキに出て海を眺める。天気は最高。飛び魚の群れが海面で遊んでる。
平島に着いた。ここではフェリーから車を下ろさない。聞けば台風2号の影響でうねりがあり車が下ろせないとか。なかなか厳しい島の暮らしだ。平島といっても平らでない。集落は標高120mぐらいの島の内部にある。
一眠りしてから島の探索に出る。途中、虫取姿のオッチャンに出合う。環境アセス関係の仕事をしているらしい。休暇を利用して昆虫調査。趣味で調査しレポートを残すとか。トカラ列島の小宝島、宝島にはハブがいるらしいけどその他の島には危険生物はいないということで一安心。ここの小中学校は11名。ほとんどが海山留学で島外の子供だという。
天気は良好。風は強い。暖かな春風だ。最近は花粉関係で春風が怖かったけど、こんなに気持ちの良い春風に吹かれたのは何年ぶりだろうか?この島には杉、桧の針葉樹は見かけない。ほとんど琉球竹に覆われ、少しだけガジュマルの巨木を見た。
島には店はない。島民も五十名ほどと少ない。しかし、工事関係者は多い。最近話題の離島防衛の関係か、離島の状況を放置すれば過疎化が進み、気がついたら他国の人が住んでいたりしたら問題だわね。
この日一日中、島を歩き回ったけれど、とても気分の良い場所だった。こんなに気持ちの良い地域がなぜ過疎化してしまうのだろう?島には産業がない。特に昨今の経済最優先の社会的な風潮が大きいのかもしれない。IT、グローバル化、新自由主義、その他メディアに引っ張られる画一的な価値観などなど。
根本的な「幸せ」に対して立ち止まって考えることが必要ではないだろうか?数年前「金をもうけることが悪いことですか?」と開き直ったお兄ちゃんがテレビで吠えていたことを思い出す。一般的に、社会は時間と共に痛んでいく。それを押しとどめるのが知性かもしれない。しかし、どこぞの総理大臣の知性は酷い。
そんなことを人生幸朗風にぼやきつつ一日島を歩き回った。とても良い運動になった。民宿に戻り、一風呂浴びて焼酎をなめつつ夕日を見ている。素晴らしい夕陽が海に沈む。島の過疎化は進んでいるようだけどネット、テレビ、その他環境整備は進んでいる。泊まった民宿にもフリーWi-Fiが利用できた。
◆行動記録
- 一日中島内徘徊
- 出費無し(島には店がない)
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