2020年1月13日月曜日

伊賀上野(2020.1.13)

今から50年ほど前、私が紅顔の美少年だったころ、週刊朝日に全国の老舗に関する連載記事があった(記憶違いかも知れないけど)。前回の東京五輪の時代だったので、まだ戦後の気分も若干残っていたような気がする。JR(もとい当時は国鉄)中央線にはD51が走っていた。そのむき出しのデッキにぶら下がり高校へ通っていたことを思い出す。

そんな昔のことなので間違っているかもしれないけど、その週刊朝日の連載記事で伊賀肉の金谷が紹介されていた。まだ食料事情も厳しく、その反対に私の食欲は絶好調のその時代、金谷のすき焼きの写真は私の前頭葉か頭頂葉か知らないけど記憶領域の奥底に消え去ることもなく永久保存ということになっている。

その金谷のすき焼きを食べるべく伊賀上野に行ってきた。伊賀上野は近いわりに行ったことはほとんどない。ただ一度だけ車で出かけ上野城の石垣の上から下を見下ろした記憶がかすかにある。しかし、土地勘はほとんどない。その理由を考えるに、いつも利用する近鉄も関西線も町の中心部を避けて走り、セントラルに到達するには伊賀鉄道を利用しなければならないからだと思う。

というわけで、ほとんど初めての伊賀上野の町はなかなかいい感じの町だった。古い町並みも整備され楽しい町歩きだった。この三重の山側、奈良との県境に近い地域は古いものも多く興味深い所だ。これを機会に再度の出撃を考えている。

【なかなか渋い外観だ。肉の小売りもやっている】

【二階へ上がると奥が深い。座敷に通され、中居さんにすき焼きを作ってもらう方式は松阪の和田金と同じ。違いはこちらの方がかなりリーズナブル。そしてすき焼き用の鉄鍋が和田金は磨き上げられたような金属肌だったと思うけど、金谷の鉄鍋は油まみれで黒光り。鍋から十分ダシが出そうだ。】

【上野城は高石垣がウリらしい】

【俳聖殿の形はユニークだ。中には暗くてよくわからなかったけど松尾芭蕉の像があるような・・・。】

1 件のコメント:

  1. やっと放浪記の隠れファンである主人と私は、いつもあなた様の更新を心持ちにしております。
     お怪我の具合を心配していたおり、伊賀にお出かけのブログを見つけて喜んでいます。

     紅顔の美少年の頃のデッキにぶらさがり登校、という件りに、昭和36年生まれの私にもそのような光景(ぶらさがっていたのは、私めではありません)が旧い思い出のなかにあり、そうそう、と頷きつつ読んでいました。

     そして、伊賀上野を散策されたというところで、再び大きく頷きました。
    主人は名古屋出身ですから、大阪からお墓参りや帰省するときは伊賀を通ります。
    昨年11月に、紅葉した山々を楽しみながら走っていたとき主人が住んでみたい?という柘植という町に私も興味を持ち、散策してみました。
    道路から見る柘植の町は、整然とした瓦屋根の美しい昔話のような町でしたから。
    しかし、しばらく車で走っても人影はなく、さきほどまでの憧れが何か詫びしさのようなものに……。
    情緒あふれる町も、その妙味さも、車から見える一瞬のなかにあったのでしょうか。
    主人と私の高揚した気持ちを静かすぎる町に残して、今度は春の柘植に出会ってみたいと思いました。車のなかから……。

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