翌朝、突堤の釣り状況を偵察。アジ、カマスが良く釣れていた。ベテランは釣ったアジでアオリイカを狙い、その間にカマスの干物の下ごしらえをしている。岸壁からバケツで海水をくみ上げ、クーラーボックスの上にまな板を乗せてカマスを背開きにする。上手いものだ。これなら持って帰って台所が汚れることもない。その時、竿先に変化。良型のアオリイカがあがって来た。人ごとながら大物が釣れると嬉しいものだ。私も釣道具を持ってきているので釣ろうかとも考えたけど、聞けば、午前3時ごろから釣っているとか。この日はかなり冷え込んだ。この寒空の中、そんな気合は持ち合わせてないので釣るのは止めた。
新宮市内を車で走っていたら「なれ寿司」の看板発見。なれ寿司といえば琵琶湖の鮒寿司が有名だ。私は鮒寿司は大好物。新宮のなれ寿司も聞いたことがある。とりあえず店に入ってみる。雑然とした店で商売している気配はない。声をかけてみれば気の良さそうなオッチャンが出てきた。聞けばなれ寿司販売中だとか。中くらいの桶を持ってきた。その中に緑のウラジロにくるまれた白い物体。サンマのなれ寿司だ。七味唐辛子と醤油で食べると良いとのこと。今日の昼食用に切り分けてもらい一本購入。後で昼食として食べてみたけど、「なれ方」(こんな言葉あるのかな?)が浅く、鮒寿司ほどのインパクトを感じなかったのが残念だった。次回、機会があればオッチャンに「もっと時間を置き発酵を進めてから食べたほうが良かったのかどうか?」聞いてみたい。まだ新宮「なれ寿司」の本当の味は分かっていない。
その後、新宮でまだ行ったことのない神倉神社へ行ってみた。新宮の背後、速玉神社の向かって左奥に神倉神社はある。信じられないほどの急な石段の先に大きな石がありそれがご神体のようだ。この急な石段を松明を持って駆け下りる「御灯祭り」が有名だ。中上健次が「火祭り」と呼んだお祭りらしい。この急な石段を真冬(確か2月6日)の夜に駆け下りるとは信じられない。西宮恵比寿の福男レースとは比べ物にならない危険な行為だ。
今まで大雑把に熊野方面の火祭りということで、「那智の火祭り」と「御灯祭り」の区別がつかなかった。「那智の火祭り」は那智大社で7月14日。「御灯祭り」は新宮の神倉神社で2月6日。年が明けて、機会があれば見物したいものだ。
最近は若い娘連中のパワースポットとしても有名で、石段を登ったら若い娘の団体が先達風オニイチャンに話を聞いていた。熊野には熊野三山をはじめとして、古いものがたくさん残っている。
その後、丸山千枚田へ向かった。千枚田を見下ろす東屋に陣取り、持参の味噌煮込を作成してなれ寿司の昼食。刈り取りが終わった千枚田は観光客の姿は無いけど素晴らしいスケールだ。まさに日本の原風景。10年以上前にここにインターネット中継カメラを設置しようと画策したことを思い出して懐かしかった。
丸山千枚田まで来たので、近くの湯ノ口温泉へも寄ってみた。ここも10年以上前に数回来たことがあるけど、ほとんど昔と変わらず営業中。手前に清流荘という施設や廃坑利用のトロッコが新設されている。懐かしかったので、温泉に入ることにした。以前より、少し湯温が高くなったような気がする湯が大量に掛け流されている。内湯から直接でられる露天風呂も昔のままだ。風呂からあがり、受付のオニイチャンに「お湯が以前より熱くなっているんじゃない?」と聞いてみれば、数年前に湯量が少なくなったので新しい井戸を掘った。新しい井戸は温度は変わらないけど、湯量が増えたので熱く感じるにではないか、とのことだった。湯温が変わったかどうかは別として、素晴らしく気分の良い温泉だった。入浴料400円。素泊まり可能な寝具付きバンガローもあってお勧めの湯治場だ。宿泊料金は6畳寝具3組付きで6000円。(2012.12.2)
◆行動記録
7:00 起床
8:00 釣り見物
8:50 勝浦温泉発
給油
9:50 神倉神社
12:00 丸山千枚田(370キロ)
なれ寿司(600円) 味噌煮込み
12:45 丸山千枚田発
13:10 湯の口温泉
入浴(400円)
13:40 発
15:30 上北山温泉
いざさ寿司セット(1000円)
17:30 榛原(510キロ)
【現場での干物加工、ナカナカの手際だ】
【頭を落とし背開きにしたカマスを海水に漬ける】
【その後、天日干】
【良型のアオリイカ、見るからに美味そう】
【イカの眉間に金槌一発で生けシメ、一瞬に白くなる、シメル前のほうが美味しそうだが・・・】
【神倉神社の急な石段】
【神倉神社の本殿、後ろはゴトビキ岩、神様が降臨したと言われている】
【本殿から新宮の街越しに太平洋が見える】
【山ガールならぬ神社ガール群、遠くから失礼】
【新宮名物サンマのなれ寿司】
【丸山千枚田を見下ろしナレ寿司食べる】
【湯ノ口温泉、入浴400円、掛け流しの湯量多し】
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