昨夜の栄屋旅館はベテラン単独遍路とご夫婦の1泊二日歩き遍路の二組と同宿。一泊二日遍路とは短い休暇をやりくりしつつ一泊二日の区切り打ちで札所を歩き通しているとのこと。ベテランは今回二周り目の歩き遍路だとかで、いろいろ情報を得ることが出来た。
朝6時、朝食後のんびり出発。ベテランの姿はすでに無く、遠くに1泊二日遍路の姿が見える。いつもは道を間違えるのが心配なので、注意深く歩くのだが、前方に先行者がいると気が楽だ。冬山では深雪ラッセルの後を歩くことを「トレース泥棒」などとさげすんだりするけれど、それに近いかもしれない。
先行者に付かず離れず街場のルートを抜け、谷川沿いの登りになる。四国の川は水が綺麗だ。桜、コブシ、梅、、、花も多い。やっぱり遍路はこの季節が一番だ。のんびり2時間半ぐらい歩き登山口に到着。ここから本格的な山道となる。杉木立の間の道を歩き出す。さすがに遍路道、とても歩き易い気分の良い道だ。幸い花粉症も酷くならず、一汗かいて横峰寺到着。横峰寺の背後には石楠花が多い。大げさに言えば石楠花の森だ。花の季節はさぞ美しかろう。
横峰寺は車で来た遍路で溢れていた。歩き遍路の気配を漂わせていると、なんとなく一目置かれているような気がするけど、気のせいかもしれない。今回、本格的な春を迎えて装備を大幅に簡略した。前回まではダウンのインナーを持っていたけど、今回は防寒はカッパのみ。それが完全に裏目に出た。標高800mに近い横峰寺は寒かった。陽射しもない。あまりの寒さに着替えのシャツを一枚重ねて、スポーツタオルをカッパの下に着込む。赤い手ぬぐいマフラーにして小さな石鹸はカタカタ鳴らなかったけど、体はブルブル震えた。
あまりの寒さにそそくさと下る。前方を歩く何か雰囲気の異なる二人組みに追いつく。ショッキンググリーンのヤッケ。ザックには緑の小さな小旗がはためいている。休んでいる彼らを追い越すとき目が合った。目が合ったときチョコレートを差し出してくれる。いわゆるお接待。遍路ではお接待は断ってはならぬと私は思っているので、ありがたく頂き、話をする。
なんと彼らは韓国から来た遍路だった。飛行機で松山に入り、石手寺から歩き出し、高松から空路帰国するとの計画だとか。四国遍路もグローバル化しているらしい。松山、高松の直行便があるということは、名古屋より便利かもしれない。でも、18切符は無いけどね・・・・。
長い山中の遍路道を歩いていると、なんとなく各パーティーが追い付き、追い越しを繰り返す。ルートの検討なども一体化して、61番札所香園寺に付いたときは同一のパーティーとなっていた。香園寺は桜が満開だった。
香園寺からJR伊予小松駅まで出て本日の行動停止。JRで今治に向かい、翌日の行動用の情報収集。しかし天候や良くないようだ。歩いてしまなみ海道を越えることは難しそうだ。自転車ならどうか?と駅裏のサイクリングターミナルに寄ってみた。今治から尾道までしまなみ海道を自転車で越えるには所要時間7~8時間。レンタサイクル1日500円。乗り捨て料金1000円。六つの橋の通行料金及び最後の渡船料金600円。天候が良ければ自転車で越えるつもりだがどうなることやら・・・。
ホテルにチェックイン後、前回も食べた居酒屋・千倉へ出撃。前回、地魚刺身の盛合わせを頼んだ後に聞いた「この時期の瀬戸内のサワラのタタキは美味しいよ」との言葉がずっと気になっていた。サワラのタタキはどんな味か?アジのタタキ風か?カツオのタタキ風か?
その答えはカツオのタタキ風だった。各種薬味もカツオと同じ、ニンニクもついていた。結論から言えば私はカツオのタタキのほうが好みだけれど、気になっていたサワラのタタキを食べることが出来て嬉しかった。(2013.3.26)
◆行動記録
7:00 栄屋旅館発
9:15 八幡神社
9:30 登山口
9:50 発
11:10 横峯寺着
12:00 発
14:40 香園寺
15:36 伊予小松発
16:30 今治プラザホテル
18:00 千倉
◆歩行距離
・17.5キロ 栄屋旅館-横峰寺
・ 9.3キロ 横峰寺-香園寺
・ 1.5キロ 横峰寺-JR伊予小松
(合計)28.3キロ
【登りになると杉木立の中の歩き易い道となる】
【途中にはお地蔵さんの丁石がある。ここの1丁は100mぐらい。】
【やっとたどり着いた横峰寺。ここは石鎚山とのゆかりが深く、修験道の行者と遭遇。ほら貝の音が山中に鳴り響く。初めて聞いたほら貝の音はしみじみ良い音だった。】
【横峰寺から香園寺め向かう途中の桜】
【なぜか同一行動となってしまう。みなさん話好きだ】
【香園寺は桜が満開】
【伊予小松近くから望む石鎚山】
【サワラのタタキ。カツオのタタキと同じ薬味と味付けだ。私はどちらかと言うとカツオが好みだ】
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