2017年12月2日土曜日

小浜・妙楽寺(2017.12.2)

ここ数日、小浜の多田寺に電話している。気になっている面長の薬師如来を拝観するために電話しているのだが、なかなかつながらない。多田寺の拝観は事前の電話予約が必要なのだ。結局、多田寺は諦め、その次に気になっている妙楽寺の千手観音を見に行くことにした。

次善の策の妙楽寺は受付は開いているものの人影がない。インターフォンを押せども、呼べども人は現れない。仕方がないので拝観料は後で払えばいいや、と勝手に本堂に向かってみた。ほとんど人気のない参道の先の境内はひっそりしているけど、けっこう広い。すれ違ったのは地元の人とおぼしきオッチャン一人。

本堂は想像以上の素晴らしい建物だった。正面の扉が少し開いている。その扉を押し開けて中に入ってみた。人がいないので明かりがないから仏像が見えないかも、と思ったけど、人感センサーが作動して照明がついた。

内陣の奥の厨子の中に素晴らしい仏像があった。本尊の二十四面千手観音だ。保存状態がすこぶる良い。本尊の手前に小さなラジカセがおいてあり、スイッチを押すと説明が流れる。千本の手が現存する千手観音はこの像を含めて日本に4・5体あるだけだとか。暗闇に浮かび上がるふくよかな表情が美しい。千年以上前の仏像をこんな間近で見ることができるとは驚きだった。

そんな時、私の携帯が鳴った。出てみれば、多田寺の人から不在着信の返信の電話だった。今日なら拝観可能との連絡だった。私は一日に一つの寺だけ拝観すると決めているんだけど、なかなかつながらなかった多田寺からの連絡だったので、有難く拝観させていただいた。

多田寺は住職が最近亡くなって、現在は檀家総代の方々が当番制で電話を確認しているらしい。その薬師如来も素晴らしかった。弘仁貞観期の雰囲気の肉厚な体型を持っているけどきわめて人間的な表情の魅力的な仏像だ。

妙楽寺も多田寺もそれぞれ地元の集落に守られ、地元に密着した良い寺だ。そういえば前回訪れた羽賀寺も小さな集落に守られてきた寺だったなあ。小浜の寺々はどこもそんな感じで、好感が持てる。ここいらが京都、奈良の観光寺との最大の違いだ。小浜にはまだまだ寺も仏像も多い。今後、小浜の寺を訪ねるのが楽しみだ。

【妙楽寺の仁王門へ向かう道】

【妙楽寺本堂への道】

【妙楽寺の本堂は小浜最古の建物とか】

【多田寺、中の仏像は充実している】

【鵜瀬を越え上根来に寄ってみた。最近、住んでいる人も減ったらしいけど、4~11月の週末には鯖街道トレッキングのための休憩所が有人で開くらしい。綺麗なトイレもあった。】

【帰りがけの駄賃じゃないけど、帰る途中にマキノのメタセコイア並木に寄ってみた。ここはけっこう有名な場所らしい。特にこの時期は紅葉が有名らしい。メタセコイアは予想外に大きかった。】

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