2018年8月20日月曜日

風の盆(2018.8.20-21)

8月20日
昨夜は良い一夜だった。閉めた障子越しに少しだけ開けた網戸越しの冷気が伝わってくる。その開けた窓も深夜目が覚めた時には閉められていた。宿の女将の人柄が伝わってくる。最近、話題になっている高級旅館にも負けないおもてなしだ。旅先で思いもかけず良い宿に当たることはまさに旅の醍醐味だ。

今日は風の盆を見るために八尾へ行く予定だが、風の盆は夜。それまで時間があるので利賀村へ行ってみた。利賀村には庄川、平村、八尾の三ヶ所からのルートがあるが、いずれも険しい。そこには利賀芸術公園がある。その利賀芸術公園は不思議なところだ。以前から気にはなっていたけど演劇関係では有名らしい。8月後半にサマーフェスティバル的なイベントがあるらしく、若者たちが忙しそうに動き回っていた。そんなところへ場違いなオッサンが乱入したものの、彼らは礼儀正しく、そのイベントの趣旨、システムをゆっくり説明してくれる。山の中の若者の集団生活と言えば、例の宗教的集団を連想するけど、それとは全く異なる健全かつで楽し気な集団だ。機会があればその演劇を見たいと思った。その後、八尾に転進。スーパーで食料調達後、車を城ケ山公園方面に駐車。

初めて間近で見る風の盆。とりあえず6時半から始まる前夜祭ステージ(1500円)を覗く。躍り方指導や躍りの所作の説明がある。躍りの所作はなるほどと思うことも多かったけど、躍り方を舞台の上から一瞬で理解するのは無理。右と左の区別がつかない。まあ踊りは若者に任せて、高齢者は眺めるだけで良さそうだ。

夜8時近くになり若宮神社境内で踊りが始まった。ぼんぼりの光に浮かび上がる木々の葉はまるで桜の花のように美しかった。その木の下で踊る若い女性の姿は美しい。夜の闇のなかに甲高い「おわら」の声が吸い込まれていく。おわらはメロディーも歌詞も良くわからないけど数年前に訪れた江差おいわけに似ている気がする。北前船の影響なのだろうか。

観客の一人として人の肩越しに躍りを見ていたけどしばらくすると飽きてしまう。群衆から離れちょいとした段差に腰を下ろし、少し離れて「おわら」を聞く。暗い夜空に吸い込まれていく「おわら」を聞いていると、しみじみ日本の平和を感じてしまう。大袈裟だね。

その後、町流しまで見たとき重大なことに気がついた。編みがさで顔を隠した女性の踊り子さん達はとても美しい。首筋から背中のラインがスッキリ伸び、そこから腰に続く円みがなんともなまめかしい。しかし、私は編みがさの下を見てしまった。彼女等はほとんど中学生と見えた。できたら三十才前後のちょっと悲しみを秘めた女性であって欲しいと思うのは私だけだろうか?

深夜、帰還する途中で車中泊した細入道の駅は不快だった。大型トラックがアイドリングを続けている。道路上の温度表示は26度。寝苦しいのでエアコンをつけているのだろう。車中泊するときはエンジンを切ることにしている私にとっては辛い状況だ。古川の道の駅に移動することにした。途中の数河峠の気温表示は20度。少し移動するだけで気温は劇的に変わるものだ。

◆行動記録
  • 6:00起床
  • 8:30宿を出る
  • 10:00利賀村中心
  • 10:30利賀芸術公園 500キロ
  • 14:00八尾城山公園駐車場546キロ
  • 21:45発
  • 22:20道の駅細入567キロ行動停止
  • 26:30古川道の駅619キロ


8月21日
久々の五日間の旅だった。お盆も過ぎたこの時期の富山はしみじみ懐かしい日本を感じられる。平瀬道からの白山、庄川長崎温泉の民宿、利賀村芸術公園、八尾の風の盆などすべて良い感じの時間を過ごすことができた。こんな日本の懐かしい景観がいつまでも保たれることを心から願うばかりだ。ただ白山で感じた体力の低下を押し止めることは無理だろうなあ、、、、。ただ現状維持をなんとか頑張りたい。

◆行動記録
  • 8:15古川道の駅発
  • 12:20帰宅788キロ
【利賀芸術公園の野外劇場】

【利賀芸術公園の施設内では演劇の稽古中】

【風の盆前夜祭開始前5時間ほど。嵐の前の静けさ、もとい、祭りの前の静けさ】

【この日の前夜祭は東新町が担当、会場はこの若宮神社】

【八尾のAコープで見たこともない食材発見。通りすがりのオバチャンに「このまま食べられるか?」確認してから購入。道の食材との遭遇も旅の楽しみだ】

【前夜祭ステージは曳山会館で行われる。ついでに見た曳山は素晴らしい。5月3日に重大な関心が起こってしまった】

【暗闇の中の編み笠の女性陣は美しい】


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