蕎麦打ち前日の夕方、出発。蓮華温泉でテスト出撃した我が放浪用戦闘車両の初めての実戦出動だ。前回の蓮華同様下道で国道19号線を北上。下道を時間の余裕を得てゆっくり走るのは、やっぱり良い。私がかって紅顔の美少年だったころ、中央高速がまだ全線開通してないころ、志賀高原にスキーに行ったときのことを思い出す。
今夜の泊まりは松本の「あがたの森公園(旧制松本高校跡)駐車場」を密かに狙っていた。到着は午後9時少し過ぎ。暗い駐車場には適度の車。トイレも近い。その横に自販機。少し歩けば居酒屋もありそう。雰囲気上々。PB(パーキングビバーク)としては理想的な場所だ。しかし入口に不穏な看板発見。「午後10時から朝8時まで閉鎖」。コンプライアンス精神満載の私としてはとっとと撤退。別の場所を探すことにする。
大町方面に走りつつ、安曇野市役所の駐車場発見、今夜のPBとする事にした。暗くて静か、セブンイレブン(トイレつき)徒歩1分、周辺に居酒屋多数、の優良物件。車の後部座席を倒し、いつでも寝れる体制を作ってから、周辺の居酒屋を偵察。
田舎と侮っていたら大間違い。近辺にはスナック多数。しかも今や絶滅寸前、昭和の空気満載の小規模カラオケスナック。懐かしいデュエット曲なんぞ漏れてくる。うーん、イーナー。
しかし、初めての地方のスナックに入るのもなんなんで、駐車場横のイタリアンカフェで生ビール、ミックスピザ、ジンロック(ライム入り)。チョイト酔い、市役所の入口階段に腰を下ろし、夜風に吹かれつつ一服。その時、小さな光が視界を横切る。まさか、と、思いつつその光を追う。蛍だった。市役所の入口横の松の木の枝の中に数匹が点滅。久しぶりに蛍を見ることが出来てちょっと嬉しかった。
翌朝、気がついたんだけど、泊まった場所はJR豊科駅もすぐそばだった。JR豊科駅にはこれもまた今や絶滅寸前の二宮金次郎が本を読みつつ立っていた。(2009.7.31)