2009年7月22日水曜日

蓮華温泉(2-2-7)

朦朧とした頭で、車の窓から外を見る。まだ、寝込んでからそんなに時間は経ってない感じ。満天の星空だ。安心して寝込んだ。その後どのくらい時間が経っただろうか、タープの風を受ける音で目が覚めた。時間は深夜12時少し過ぎ。寝袋から這い出し、タープを取り片付ける。その時、車の脇の草むらに少し入った。これが、恐怖の夜の始まりとなる。

タープを片付け、寝袋に再度入り、熟睡体制。その時、左足太ももに違和感。何か太ももを這い回る気配。よく薬物中毒なんかで皮膚の表面を虫が這い回る気配があるなんて事を読んだことがあるが、そんな感じが心をよぎる。俺も酒の飲み過ぎで、こんなんになってしまったか?などと思いつつ、ウトウト。でも、何かが這い回る。 そっとズボンの上から押さえてみる。むむ!手ごたえがある。

あわてて飛び起き、ズボンの上から摘んだ左手を離さないようにズボンを脱ぎ、ひっくり返し、ラテのつけてみてみれば、ゴマ粒ほどの黒い物体が二つ。小さな手足も見える。その瞬間「ダニ」という言葉が頭を占める。以前、友人の皮膚の中に頭を突っ込んだダニの姿を思い出す。

眠気も吹っ飛び、服を脱ぎからだ中を点検。しかし、真っ暗闇の中、心細いほどの小さなラテの光。さらに最近進んできた老眼の影響か、ほとんど見えない。もう寝れない。全身の神経を体の表面に集中しつつ、見える範囲で点検してみる。外は雨が降ってきた。その後、点検作業は進まないものの、やけになって飲んだ「大雪渓」のおかげか、知らないうちに寝てしまった。

恐怖の一夜が明け、外は明るくなってきた。朝の光を得て再度「ダニ検」。異常は無い。本当は昨日の800円の元を取るべく朝風呂としゃれ込む予定だったけど、朝露にぬれながらの行動も気分が乗らない。とっとと帰ることにした。天候は相変わらず不順。でも、帰りの林道から望んだ雪倉から朝日の稜線は何度見ても良い。近いうちにその方面に出撃しようと思っている。

(林道から望む雪倉岳、右方向、朝日岳に続く)
 
復路は糸魚川から親不知、富山を経由、R41で帰宅した。その途中、高岡の瑞龍寺へ寄ってきた。よく「日本で一番美しい寺の一つ」などと良く言うことがあるけど、瑞龍寺は私が知る限りまさに「日本で一番美しい寺」だ。回廊から中庭越しに見た仏殿の気配なんぞ抹香くささは微塵も無く、ただただ美しい。(2009.7.22)


(瑞龍寺の山門)

2 件のコメント:

  1.  仏殿の中、釈迦三尊が祭られている階段の木の節が妙に思い出される。瑞龍寺のお札が我が家のトイレで見守っていてくださる。 私も2度ほど行きました。

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  2. 我が家のトイレにも掲げてあります。でも、排尿のパワーは確実に低下しております。

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