2012年9月29日土曜日

御岳(2012.9.28-29)


●9月28日(金)
台風が近づいている。「大型で強い台風」らしい。しかし、ここ数日は晴天。明日の午前中はもつだろうと、出発。登山口の田の原駐車場で前泊し、超早立ちでご来光を楽しみつつお昼前には下山する計画。

午後1時半ごろ出発して、田の原着は夕方5時。下道をトロトロ走って3時間半。御岳は近いね。到着したとき、対面の中央アルプスの稜線には雲がかかり、御岳山頂もガスの中だったけど、陽が沈むころガスも晴れた。

「七笑」をチビチビやっていたら暗くなる。途中のコンビニで購入した「野菜たっぷりチャンポン麺」を車の中で作る。折りしもその夜は満月だった。明るい夜だ。車内での調理にもヘッドライト不要だった。月の光の明るさを再認識。

明日の超早立ちに向けて8時ごろには就寝。しかし、慣れない早寝に深夜11時ごろ目が覚めた。月明かりで明るい車内で、シュラフに潜り込みウトウトしつつ、持参した携帯ラジオから聞く深夜放送「ジェットストリーム」はまっこと味わい深いものでした。(車中泊33泊目)

◆行動記録(28日)
13:25 給油
15:30 須原(93キロ)
      食料調達(1902円)
17:00 田の原着(149キロ)

●9月29日(土)
車の外が騒がしい。時間は深夜3時。山頂でご来光を拝みたい方々の出発だ。私はそんな高い所でのご来光にはこだわらないので、ウトウトしつつ起床の準備。コーヒーを沸かし、フランスパンと海外旅行のお土産に貰ったトリュフとポルチーニのペーストの朝食。しかし、トリュフもポルチーニも食べたことが無いので、そのが美味しいのか?不味いのか?評価できないのが悲しかった。その後、デザートとして食べた饅頭2個。これは美味しかった。

4時半、満月は落ち、完全な暗闇の中ヘッドライトの明かりを頼りに出発。鳥居をくぐり、時折現れる宗教的な施設の間を一人で歩くのは、ちょいと怖い。さらにヘッドライトで照らす足元は、微妙な凹凸が見えないために頻繁にバランスが崩れる。

30分ほど歩き、振り返ると中央アルプスの稜線の背後は少し赤くなってくる。どこか展望のあるところで日の出を待とうと、さらに歩き続ける。そのうちに適当な場所発見。ザックをおろし、タバコに火をつける。中央アルプスの稜線はさらにハッキリしてくる。その左側には、甲斐駒のピラミッドも見て取れる。ご来光を前に、周囲も明るくなってきた。

空はさらに明るくなる。中央アルプスとの間の木曽谷は雲海に覆われている。東の雲が茜色に輝いている。とても幻想的な光景だ。そのうちに甲斐駒のさらに左がわにかすかな黄色い光の帯が垂直に見える。そこが日の出の場所だろうと注意しているうちに、小さな光が現れた。それが見る見るうちに大きくなり、直視できないほどの鮮やかな光の玉が現れた。ご来光だ。これ以上、その光を見続けると、日食の時、話題になった「日食網膜症(だっけ)」になるに違いない。

カメラ(バカチョンだけど)のシャッターを10回程度押す時間(多分2~3分のうち)に、太陽は普通の太陽に戻った。その光は暖かかった。

その後、すぐに森林限界を越え、中央アルプスを背にひたすら登る。登るにつれて、南アルプスの山々が見えてくる。さらに登ると塩見岳の横に富士山が見える。森林限界を超えると風が強くなる。想像以上の寒さだ。冬用のダクロンのジャケットを着ているものの、その上にカッパも羽織る。しかし、手がかじかむ。手袋を持ってこなかったのを後悔した。

王滝頂上を越えると風がさらに強くなる。寒さに加え、息が上がる。ちょっと歩くだけで、苦しくなる。最近は東北などの遠くの山に目がいっていて、ここ10年近く、3000m以上の高所へ登っていない。高度順化に問題があるのかもしれない。でも、単なる「老化」の可能性も大。

剣が峰に着いた。ここまで来ると、北アルプス南部が見える。手前には乗鞍、穂高の吊尾根、その左に槍の穂先。剣が峰の社の脇をすり抜けるように、お鉢巡りコースへ入る。地獄谷を左に見てお鉢巡りのピークへ出る。ここまで来ると眼下に継母岳が見える。以前は一般コースがあったのだか、現在は荒れてコースは閉ざされている。遠くに見えるのは白山だ。今まで気にしてなかったけど、御岳は「本州の山の展望台」かもしれない。その後、二の池経由で王滝頂上へ戻り、下山する。下るにしたがい、富士山の頂上は傘雲に覆われてきた。

今回の御岳は若い人が多い。NHK-BSで百名山として紹介されたり、地上波で放映された「岳」の小栗旬がカッコ良かった訳では無かろうが、下山中すれ違う山ガール、山ボーイは爽やかな衣装に身を包んでいる。

特に昨今の「山ガール」は街で見るより数段カワイク見えるのはなぜだろう?そんな山ガールとすれ違うとき、何か嬉しい気持ちになるのはなぜだろう?そして、その後から連れの「山ボーイ」が現れると、ちょっとがっかりするのはなぜだろう?

などと、格調の高いテーマに思いを巡らせつつ、お昼チョイすぎに駐車場着。そのころから登り始める家族連れも多い。それらは多分、王滝頂上までが限界だろうと思う。でも、このコースは時間が切れたら戻れば良い。さらに、1時間も登れば展望が得られるお手軽コースだ。そんな家族連れの中で三才ぐらいの子供もいた。我家の孫は登れるだろうか?と、現実を考えてしまう私です。

帰宅後、最近の「山ボーイ」のこざっぱりした衣装に触発されて、20年近く着続けている愛用のダクロンジャケットを洗濯機に放り込んだ。洗濯後のジャケットは一皮剥けた感じで、色が違って見えた。なんせ20年間洗濯してなかったジャケットです。いや、1回ぐらいは洗濯したかもしれない。


◆行動記録(29日)

 3:00 起床
 4:35 行動開始
 5:20 ご来光を待つ
 5:40 ご来光
 6:00 金剛童子
 6:10 八合目石室
 6:30 富士見石
 7:00 九合目
 7:35 王滝頂上
 8:20 剣が峰
 9:35 二の池
10:15 王滝頂上
11:38 八合目石室
12:15 遥拝所
12:40 遊歩道
12:50 下山

【暗闇の中で突然現れる。肝試し的お堂】 

 【木曽駒の稜線が赤くなってきた】

 【中央アルプスの左に甲斐駒のピラミッド】
【木曽谷は雲海の下】

 【垂直の光の帯びが見えた】

 【光の帯の下に小さな光の点が・・・】

 【小さな光の点はグングン力が増す】

 【あっと言う間に普通の太陽になる】

 【八合目のチョイ上から王滝頂上小屋が見える】
【王滝頂上小屋は下から見ると要塞のように見える】

 【王滝頂上を越え、剣が峰を望む】
【風が強い。寒い】

 【富士山が見える】


 【剣が峰から二の池を見下ろす】
【遠景は乗鞍、さらに遠くに穂高の吊尾根、槍が見える】

 【お鉢巡りのピーク】
【人が立っている】

 【お鉢巡りの途中、継母岳を見下ろす】
【遠目にももろい岩肌が積みあがっている】

【二の池には雪が残っている】

2012年9月26日水曜日

鳩吹山(2012.9.26)


お彼岸も過ぎ、暑さは治まってきたものの天候が不安定。平地は晴天でも山には雲がかかる。そんな中、「明日は安定した晴天」との天気予報。それじゃ御岳にでも登ろうか、と、早寝早起きの日帰り計画。早めに酒を飲み夜9時に就寝。しかし、慣れない早寝になかなか寝付けない。チョイと眠っただけで深夜12時目が覚めた。そうなるともう眠れない。

こんな状態で4時間運転し山に登るのは辛い。それやこれやで深夜再度、ウイスキーなんぞチビチビやっているうちに明け方近くなってしまった。そして寝付いた。そうなると、出撃は不可能だ。結局、起床は朝10時。天気は絶好。こんな生活をしていてはイカン。どこか山に登って汗をかかねばナラヌ。

と、言う訳で、行先をイロイロ考えた結果、鳩吹山へ行くことにした。鳩吹山は犬山と可児の間にある300mチョイの低山だけど、アップダウンがあり、トレーニングには良い山だ。

久々の鳩吹山で登山口がよく分からない。前回登った時、大きな墓地の横から登った記憶を頼りに、国道41号を美濃加茂方面に向かう。帷子ICから下道に降り、それらしい方向を目指す。そして発見「真禅寺、鳩吹苑」の標識。その標識に導かれ無事登山口に到着。登山口はその広大な墓地の奥にある。登山者用駐車場も広い。その駐車場には平日にもかかわらず10台程度の車が止まってる。最近、団塊世代の引退により平日に行動する高齢者が目立つ。働いている若い方々には申し訳ない。

結局、登り始めたのは午後2時。まったく登山とはいえないような時間だが、日差しは強いものの気持ち良い風が吹きぬけ。道の脇には彼岸花が咲いている。この彼岸花って本当に律儀だ。カレンダーも見てないと思うけど、お彼岸になると必ず咲く。

最初、林道を少し歩き、西山登山口から階段状の登山道に入る。振り返れば広大な墓地が足元に広がる。歩き出して15分で大汗状態となる。どこの山に登っても大汗。これは体質なのか?飲みすぎなのか?

稜線にあがると奥美濃、飛騨、木曽の山が見える。途中には立派な休憩舎も完備。その中では、オッチャン、オバチャンが取り留めない話。聞くとは無しに聞いていると、話題は健康関係が多い。そんな中で面白い話を一つ。

「ふくらはぎは第二の心臓」だという話。人間の血液を体内に押し出すのが心臓。それが静脈を通って心臓に戻ってくる訳だけれど、心臓から最も遠いふくらはぎの静脈には血管自体に血液を心臓に戻す機能があるそうだ。その機能はふくらはぎの筋肉が健全でなければ正しく機能しないとか。そのためにも歩き、筋肉を鍛えるべきだとか。勉強になるなー・・・。

健康の話、病気の話、認知症に対する心構え、などなど、若い頃の山行では考えられなかった話題満載。それらの話題に何の抵抗も無く参加できる私です。

山頂からは御岳が良く見える。眼下には木曽川。素晴らしい展望だ。3時間程度の行動だったけど、足慣らしにはちょうど良い、気分のいい登山だった。帰りの車からは久々に見た美しい夕日を見た。明日も天気は良さそうだ。

◆行動記録
14:00 真禅寺駐車場
14:10 西山登山口
14:40 西山休憩舎
15:10 西山(両見山)
16:20 鳩吹山山頂
17:10 真禅寺下山
18:00 帰宅

 【登山口はこの墓地の奥】

 【駐車場は広い】

 【鳩吹山遊歩道として整備されている】

 【西山付近から鳩吹山山頂を望む】

 【鳩吹山山頂から御岳を望む】

【山頂直下の休憩舎】
【眼下には木曽川】

2012年9月22日土曜日

秋祭り2題


秋になった。お彼岸にもなった。でも昼間はまだ暑い。そんな中、加子母近辺で二つの秋祭りを見物。一つは加子母の水無神社、もう一つは付知の水無神社。両方とも飛騨一ノ宮の水無神社と関係が深いとか。水無神社はこの地方ではスイム神社と呼んでいる。水が無くてスイムと言うのもなんだけどねえ・・・・。

秋の一日、地元に伝わる伝統的な祭りを見るのは興味深い。改めて、日本って良いなー。(2012.9.22撮影)

◆加子母水無神社(2012.9.22)

 【奉納されるカラクリ人形】
【小さな獅子。獅子というよりマルチーズ】



 【飛騨の匠の流れを汲む山車】


【地元の古老が裃姿で集まってる】


◆付知水無神社(2012.9.22)

 【 付知地区の五つの神社が持ち回りで開催する】

 【本殿に相対する神楽殿(かな?)】
【ここでいろんな舞が奉納される】
【太い梁の立派な建物だ】

 【翁舞】
【文楽と能の合体した感じ。始めてみる形態だ】
【人形を使う人が翁だった】

【巫女の踊りも有る】







2012年9月21日金曜日

木曽方面登山口偵察


「暑さ寒さも彼岸まで」との言葉を噛みしめつつこの残暑を耐えてきた。台風も過ぎ去ったし、天気予報からも「移動性高気圧」なんて言葉が聞こえてくる。この夏は暑かった。山に登る気も起きなかった。さらにここ数年、山へ登る意欲も減退してきた。「これではイカン!」ここは一つ、初心に戻って、真面目に山に登ろう。行先は御岳。私がかって紅顔の美少年だったころ初めて触れた山らしい山だ。

前日、墓参りなんぞ早めに済ませ、御岳の正面玄関、王滝口・田の原へ向かう。翌朝、天気は良いはずなので車中泊で早めに就寝、超早立ちで途中ご来光を拝みつつ登る計画。久々の田の原はしっかりした駐車場、トイレが完備。正面に御岳のピークを望み、絶好の車中泊ポイントだ。

平日にもかかわらず、数台の車が止まっている。日没直前、下山してくるパーティーも多数。意外と若者が多い。昨今の山ガールブームに引っ張られ、山ボーイも増えている気配。一昔前の「山屋」との違いは、皆さんこざっぱりしている。衣装もカラフルだ。

秋の日没は早い。ワンカップを一杯空けたころ周囲は暗闇に包まれる。御岳山頂小屋の明かりが見える。空には満天の星だ。とここまでは順調だった。


明け方、車の屋根に当たる雨音が聞こえる。雨が降るなんてこれっぽっちも考えてなかったので、現実感はまるで無い。
そのうちに冷たいものが顔に当たる。なんと雨が降っている。少しだけあけていた車の窓から雨が振り込んでいる。「こりゃご来光は無理だ」と再度シュラフに潜り込む。

雨は明るくなるころあがったけど、一面のガス。何も見えない。さらにじっとり湿った空気に包まれる。今日の行動を迷いつつ、午前9時まで待ち、その時点で決定することとした。周囲は雨支度に身を包んで出発する人もいる。そして決定。登るのは止めた。天気が良くなければ楽しくない。

せっかく御岳くんだりまで出向いて来たので、中央アルプスの登山口なんぞ偵察しつつ帰ることにする。もう10年近く、この方面の山には登っていない。改めて感じたんだけど、御岳周辺はなかなかいいところだ。最近、わざわざ東北、北海道、四国、九州など遠いところへ目を向けてきたけど、こんな近場に十分に良いところがあることを再認識。ここは一つ、初心へも戻ったこととて、この地域を歩いてみたいと思っている。というわけで、以前登ったことがある中央アルプス方面の登山口を偵察することにした。(2012.9.20-21、車中泊32)

【登山口から御岳ピークを望む】

 【朝起きたらガスの中。トイレがうっすら見えるのみ】


◆こもれびの湯
田の原駐車場で隣の車のオッチャンから聞いた情報。田の原からチョイと下った、ナントカ休暇村の左側に温泉があるとのこと。とりあえず向かってみる。新しくてなかなか良さそうだ。でもまだ営業開始前だった。入口にある飲用の蛇口から温泉が出ている。飲んでみたら鉄分満載の鉱泉だった。次回、御岳を登った後に入ってみたい。営業時間は13:00~18:00




◆麦草岳登山口
正式には「駒ヶ岳上松Bコース」というらしい。数年前に麦草岳に登った時、良いコースと感じ、再度登ってみたいと思っていた。しかし、コースはかなり荒れているようだ。登山口手前の木曽駒荘も荒れた感じ。営業してるのか不明。木曽駒荘から先の道は車で入るのは苦しい感じ。麦草岳日帰りは苦しくなったかもしれない。




◆駒ケ岳上松Aコース
麦草登山口の途中で砂防公園・敬神の滝方面へ向かうとAコース登山口。こちらは整備されているようだ。登山口にある小屋も綺麗に整備されている。途中の工事規制のオッチャン情報によると、中津川の某高校が毎年登っているとか、整備しているとか・・・。「五合目まで遠足で登る」との伝言板の記述もあった。両コースともR19から曲がる目印は小野の滝交差点(信号有り)。その先はいたるところに標識がある。





◆越百山登山口
最近は空木岳へ登るルートにもなっているらしい。登山口には広い駐車場も整備され、多くの車が止まっていた。越百山から南駒、空木、木曽殿越を経由しての周回コースは楽しそうだ。以前、その途中の擂鉢窪避難小屋に泊まったことがあったけど、その小屋の今の状況は不明。その擂鉢窪は良いところだったなー・・・。でも、水が無いので、最近は水を運ぶ体力が心配だ。R19から曲がるときの目印は伊奈川の直前(名古屋から見て)の信号を右折。伊奈川ダムをちょい越えたところ。





◆行動記録
・9/20
13:30 春日井で給油
14:15 瑞浪
16:00 須原
      コンビニ(食料調達:2085円)
17:20 田の原着
      夕食後車中泊

・9/21
 5:30 雨が降ってる
 9:00 明るくなる
 9:30 撤退決定
11:30 道の駅 三岳
      (みたけあんころ餅・五目いなり:400円)
11:45 寝覚ノ床
12:10 木曽駒荘(麦草登山口)
      上松Aコース登山口
13:25 R19伊奈川分岐
13:55 越百山登山口
17:30 帰宅

2012年9月8日土曜日

第6次四国遍路4


この二日間のあまりの暑さに、予定を早め帰ることにする。この季節の四国遍路はまさに苦行。歩いている人はほとんど居ない。帰還のJRに乗る前に南光坊で納経し今治の町を朝の散歩。今治港には連絡船、フェリー乗場が多数。改めて今治がこの瀬戸内海上交通の要衝と感じる。次回は「しまなみ海道」を自転車で走って尾道経由で帰ってみたい。

8時6分発JR西条行きに乗った途端に爆睡。その後、西条ー坂出、坂出ー岡山、岡山ー相生と乗り込むたびに爆睡。言い換えればのんびりとした青春18切符の旅と言えなくも無い。姫路ー米原もほぼ爆睡。この三日間は流石に疲れたのかもしれない。米原まで順調な乗り継ぎでタバコも吸えない。米原にて一本電車を遅らせ駅を出てタバコを一服。電車の窓からは秋の空が見えていたけど外はまだまだ蒸し暑かった。(2012.9.8)

◆行動記録
 6:00 起床
 6:30 行動開始
      コンビニでサンドイッチ紅茶
      南光坊(納経 300円)
 8:06 今治駅(二葉鯛めし弁当840円缶ビール240円)
18:18 金山着

 【今治駅朝から食事可能】
【昔ながらの駅弁屋さん二葉】

 【二葉の鯛めし弁当】

【今治はサイクリング盛ん】
【狙いはしまなみ海道】
【レンタサイクル1日500円】
【今治で借りて尾道で返却可能】
【途中の島でも返却可能】

2012年9月7日金曜日

第6次四国遍路3


伊予北条は活気ある漁港。前夜、朝の水揚げ風景を見たいと思って聞いてみれば、水揚げは朝5時には終わるとのこと。瀬戸内の近場の漁場なので勝負が早いらしい。そんな訳で、朝の魚市場は諦め、6時半に起床後、散歩に出る。港近くの鮮魚店、いろいろなの魚が並ぶ。大きなワタリガニがバケツの中で泳いでる。店のオヤジさんに聞いてみれば、「今年はずーっとワタリガニが取れている」とのこと。うーん、食べたい。早朝とはいえ日差しは厳しい。今日も消耗戦となりそうだ。

今日は今治の55番南光坊までの30キロ弱。日差しは強いけどのんびり歩けば何とかなりそうだ。幸い太股の痛みは落ち着いている。家並み場途切れたころ、前夜、洗濯した下着とシャツをハンガーにかけザックにくくりつけ乾かしながら歩く。多分、けっこう怪しい姿だと思うが、乾かさなければ今夜の着替えが無い。

ゆったりとした瀬戸内海を左手に見ながら歩く。その時、近づいてきた車から声がかかる。「暑いのに大変だねえ」と冷えたヤクルトとバナナのお接待。その冷たいお接待はとてもありがたかった。その後、道の駅・風早の郷・風和里で昼寝したり、その先の古い茶店風売店でカキ氷を食べたりのんびり歩く。久々に食べた150円のカキ氷は懐かしい味だった。

しかし、暑い。飲んでも飲んでも喉が渇く。胃と汗腺が直結しているみたい。冷たいお茶を飲んでる最中にも汗が出る。そんな日差しも今治に入ったころ和らいでくる。南光坊着は5時過ぎていた。したがって納経所は閉まっている。納経は明日にして、前夜のユースで貰ってきた今治第一ホテルの割引券を手に、ホテルに向かう。今治第一ホテルは名前は立派だけど家族経営的なホテルだった。そこのオヤジさんが「今治大好き人間」。今治及びしまなみ海道の話になると止まらない。次から次へとパンフレットを出してくれて話が尽きない。しまなみ海道は徒歩でも自転車でも今治から尾道まで通過可能。距離は40キロ程度との話。次回はぜひ自転車で瀬戸内海を渡ってみたいものだ。

ホテルでシャワーを浴び、ザックの上ですっかり乾いたシャツに着替え、ホテルの隣の居酒屋へ出撃。さすがに瀬戸内、地魚が豊富だ。鰯てんぷら、アジ刺身、鳥皮ニンニクに生ビール。さらに冷酒2合。冷酒は備え付けの冷蔵庫に多種並んでいる。見慣れた八海山や立山なんぞと並んで知らない地酒もある。せっかく地方に来たので地酒が良かろうと地酒を頼んだ。それがすごく甘い酒だった。あまりの甘さに残してしまった。こんなことなら八海山か立山にしとけば良かった。今回の反省点「知らない酒は1合単位で注文すべし」。さらに、注文した肴の量が多く、一人で食べるには辛い。そして更なる反省「初めての居酒屋では一品づつ注文すべし」。(2012.9.7)

◆行動記録
 6:30 起床
 8:30 行動開始
      お茶150円
 9:00 道の駅・風早の里・風和里
      アイス280円
      お茶150円
 9:50 発
10:45 浅海駅
11:40 氷150円
12:00 発
13:40 アクエリアス150円
15:15 お茶150円
16:30 延命寺(納経300円)
      サイダー120円
17:45 南光坊
      水110円
18:30 今治第一ホテル3500円(割引)

◆歩行距離
・23.6キロ 北条水軍ユース-延命寺
・ 3.6キロ 延命寺-南光坊
(合計)27.2キロ

 【北条港から鹿島を望む】

 【北条港近くの鮮魚店】
【地魚豊富】

 【レトロなカキ氷】
【150円、懐かしいねえ】

 【54番延命寺】

【55番南光坊】

2012年9月6日木曜日

第6次四国遍路2


前回は51番札所石手寺で終わった。しかし到着が遅くなり納経帖への記帳が出来なかった。今回は石手寺で納経しスタートすることにした。石手寺は道後温泉のちょい先にあり、四国遍路の寺の中では大きな方のお寺だ。ホテルから約3キロ。通勤通学の人波にまぎれつつ歩き出す。

納経をすませ、本格的に遍路再開。そのとき、太股の付け根に違和感。歩き出し早々、太股が痛む。今まで山に登るときも含め、太股が痛くなることは無かった。膝の痛みは慢性化しているけどね・・・。ここ半年間の不摂生、不運動(こんな言葉あったかな?)が響いているのか?それとも単なる老化現象か?

痛みをだましだまし歩き続ける。この四国遍路の場合、街中のルートファインディングが一番難しい。15年前発行の「四国遍路ひとり歩き同行二人」の地図は見にくいことこの上ない。道路もつけ変わっているし、ランドマークもほとんど変わっている。小さな飲食店、ガソリンスタンドなどはほとんど見つからない。商売を継続するのは難しいんだなー。

52番札所太山寺手前で、ついに道を失う。コンビニに入りオネエチャンに道を聞くと、私のイメージしていた方向とは反対の方向だった。登山とは違い、道を失えば聞けばいいし、喉が渇けばコンビニでお茶を買えば良い。気楽な旅だ。昼も近くなり日差しも厳しくなってきた。コンビニの日陰になっているベンチを探し冷たいお茶を飲む。ガリガリ君も食べる。

12時20分、太山寺到着。納経を済ませ、ベンチで一休み。その時、隣にオニイチャンが座っている。背筋を伸ばし、微動だにしない。ちょいと会釈し、離れたベンチに座る。境内には他には誰もいない。セミの鳴き声がこだますばかり。日差しは強いものの日陰のベンチは風が吹く抜け、気持ちが良い。朝からの疲れが出て、チョイとうたた寝。目を覚ましたときも彼は最初の姿勢を崩さない。

その時、オネエチャン登場。二人とも「南無大師遍照金剛」と染め抜いた薄手の遍路装束。オネエチャンは束ねた長い黒髪を菅笠から寝中に流している。年齢は20代後半から30台は初めといったところか。数日前に見た健さんの映画「あなたに」に出ていた「綾瀬はるか」をちょいと落ち着かせた感じの美人。

男は「三浦貴大(三浦友和の息子)」というよりチョイと個性的な「草なぎ(字が出ない)剛」という感じのイケメン。最初、若いのに感心なカップル、と、思ってみていたけど、様子がおかしい。何か深刻な空気が流れている。何か二人で言い合っている気配。そのうち女性が山門前の石段にしゃがみ込む。泣いているようだ。

帰るにはその石段を下らねばならない。泣いている横をすり抜け石段を下り始めた時、「ごめんなさい」との言葉が聞こえる。そして石段を下りきったとき、「嘘をつくな!」の大声が響く。そいれも二度も。騒がしかったツクツクボウシの大合唱の森に吸い込まれていく。

いったい何があったのだろう?こうなると私の妄想は膨らむばかり。以下、ストーリーを考えつつ歩く。二人は結婚5年。子供なし。夫の母親と三人暮らし。チョイと神経質な夫と美人の妻。東京のIT関連企業で共稼ぎ。「ある事件」をきっかけに夫は口を利かなくなる。二人の気持ちを確かめるべく四国遍路の旅に出た。前夜は道後温泉の宿を取ったものの、夫はかたくなな態度を崩さず、妻の顔を直視しない。その沈黙に耐え切れず、、、。

その「ある事件」が問題なのだが、妄想たくましい私としても安易なストーリーしか思いつかない。健さんや寅さんの映画なら、「何があったんだ?」「もう許してやれよ」「女は弱いもんなんだ」などと「幸せの黄色のハンカチ」風に介入し物語りは進んでいくのだろうが、今回の健さん(私のことだけど)は内気な性格なので妄想を膨らませるばかりだった。

53番円明寺を越えると海沿いの道に出る。瀬戸内海だ。遠くに見えるのは周防大島だろうか?高知の太平洋とはまったく違う優しい海岸だ。途中で円明寺で聞いた伊予北条の北条水軍ユースホステルに今夜の宿泊確認。あっさり宿は確保できた。大汗かきつつ北条水軍到着。名前から想像していた宿とは大きく異なり、住宅街の一般家屋。宿に荷物を置き、着替えのみ持って近くの温泉施設「シーパ」へ向かう。風呂上りオープンデッキで夕日を眺めつつ飲む生ビールは最高だった。思わず2杯目を注文してしまった。(2012.9.6)

◆行動記録
 6:30 起床
 7:40 行動開始
 8:30 石手寺(納経300円)
 9:00 発
10:15 サークルK(紅茶147円)
10:30 発
11:20 サークK(ガリガリ君62円)
11:40 発
12:20 太山寺(納経300円)
      (ポカリ100円)
13:00 発
13:30 円明寺(納経300円)
14:00 発
14:30 堀江
      ファミマ(ガリガリ君62円、お茶125円)
15:00 発
16:20 ポカリ150円
17:30 北条水軍ユースホステル
      二食付き5350円
18:00 温泉施設・シーパ
      入浴料割引400円
      生ビール2杯900円

◆歩行距離
・ 3.0キロ ホテル(サンガーデン松山)-石手寺
・10.3キロ 石手寺-太山寺
・ 2.3キロ 太山寺-円明寺
・11.6キロ 円明寺-北条水軍ユースホステル
(合計)27.2キロ

 【51番石手寺】

 【石手寺参道、両脇に店が並ぶ】

 【へんろ道は道後温泉・椿の湯の横をかすめる】
【昼間見る椿の湯は立派な石造りの建物だ】

 【太山寺山門へ上がる石段】

 【52番太山寺本堂】
【国宝の立派な本堂だ】

 【53番円明寺】

 【円明寺を越えると海に出る】
【優しい海だ】

 【北条の温泉施設シーパで風呂上りのビール】
【広島方面に夕日が落ちる】

【北条漁港】