2012年9月29日土曜日

御岳(2012.9.28-29)


●9月28日(金)
台風が近づいている。「大型で強い台風」らしい。しかし、ここ数日は晴天。明日の午前中はもつだろうと、出発。登山口の田の原駐車場で前泊し、超早立ちでご来光を楽しみつつお昼前には下山する計画。

午後1時半ごろ出発して、田の原着は夕方5時。下道をトロトロ走って3時間半。御岳は近いね。到着したとき、対面の中央アルプスの稜線には雲がかかり、御岳山頂もガスの中だったけど、陽が沈むころガスも晴れた。

「七笑」をチビチビやっていたら暗くなる。途中のコンビニで購入した「野菜たっぷりチャンポン麺」を車の中で作る。折りしもその夜は満月だった。明るい夜だ。車内での調理にもヘッドライト不要だった。月の光の明るさを再認識。

明日の超早立ちに向けて8時ごろには就寝。しかし、慣れない早寝に深夜11時ごろ目が覚めた。月明かりで明るい車内で、シュラフに潜り込みウトウトしつつ、持参した携帯ラジオから聞く深夜放送「ジェットストリーム」はまっこと味わい深いものでした。(車中泊33泊目)

◆行動記録(28日)
13:25 給油
15:30 須原(93キロ)
      食料調達(1902円)
17:00 田の原着(149キロ)

●9月29日(土)
車の外が騒がしい。時間は深夜3時。山頂でご来光を拝みたい方々の出発だ。私はそんな高い所でのご来光にはこだわらないので、ウトウトしつつ起床の準備。コーヒーを沸かし、フランスパンと海外旅行のお土産に貰ったトリュフとポルチーニのペーストの朝食。しかし、トリュフもポルチーニも食べたことが無いので、そのが美味しいのか?不味いのか?評価できないのが悲しかった。その後、デザートとして食べた饅頭2個。これは美味しかった。

4時半、満月は落ち、完全な暗闇の中ヘッドライトの明かりを頼りに出発。鳥居をくぐり、時折現れる宗教的な施設の間を一人で歩くのは、ちょいと怖い。さらにヘッドライトで照らす足元は、微妙な凹凸が見えないために頻繁にバランスが崩れる。

30分ほど歩き、振り返ると中央アルプスの稜線の背後は少し赤くなってくる。どこか展望のあるところで日の出を待とうと、さらに歩き続ける。そのうちに適当な場所発見。ザックをおろし、タバコに火をつける。中央アルプスの稜線はさらにハッキリしてくる。その左側には、甲斐駒のピラミッドも見て取れる。ご来光を前に、周囲も明るくなってきた。

空はさらに明るくなる。中央アルプスとの間の木曽谷は雲海に覆われている。東の雲が茜色に輝いている。とても幻想的な光景だ。そのうちに甲斐駒のさらに左がわにかすかな黄色い光の帯が垂直に見える。そこが日の出の場所だろうと注意しているうちに、小さな光が現れた。それが見る見るうちに大きくなり、直視できないほどの鮮やかな光の玉が現れた。ご来光だ。これ以上、その光を見続けると、日食の時、話題になった「日食網膜症(だっけ)」になるに違いない。

カメラ(バカチョンだけど)のシャッターを10回程度押す時間(多分2~3分のうち)に、太陽は普通の太陽に戻った。その光は暖かかった。

その後、すぐに森林限界を越え、中央アルプスを背にひたすら登る。登るにつれて、南アルプスの山々が見えてくる。さらに登ると塩見岳の横に富士山が見える。森林限界を超えると風が強くなる。想像以上の寒さだ。冬用のダクロンのジャケットを着ているものの、その上にカッパも羽織る。しかし、手がかじかむ。手袋を持ってこなかったのを後悔した。

王滝頂上を越えると風がさらに強くなる。寒さに加え、息が上がる。ちょっと歩くだけで、苦しくなる。最近は東北などの遠くの山に目がいっていて、ここ10年近く、3000m以上の高所へ登っていない。高度順化に問題があるのかもしれない。でも、単なる「老化」の可能性も大。

剣が峰に着いた。ここまで来ると、北アルプス南部が見える。手前には乗鞍、穂高の吊尾根、その左に槍の穂先。剣が峰の社の脇をすり抜けるように、お鉢巡りコースへ入る。地獄谷を左に見てお鉢巡りのピークへ出る。ここまで来ると眼下に継母岳が見える。以前は一般コースがあったのだか、現在は荒れてコースは閉ざされている。遠くに見えるのは白山だ。今まで気にしてなかったけど、御岳は「本州の山の展望台」かもしれない。その後、二の池経由で王滝頂上へ戻り、下山する。下るにしたがい、富士山の頂上は傘雲に覆われてきた。

今回の御岳は若い人が多い。NHK-BSで百名山として紹介されたり、地上波で放映された「岳」の小栗旬がカッコ良かった訳では無かろうが、下山中すれ違う山ガール、山ボーイは爽やかな衣装に身を包んでいる。

特に昨今の「山ガール」は街で見るより数段カワイク見えるのはなぜだろう?そんな山ガールとすれ違うとき、何か嬉しい気持ちになるのはなぜだろう?そして、その後から連れの「山ボーイ」が現れると、ちょっとがっかりするのはなぜだろう?

などと、格調の高いテーマに思いを巡らせつつ、お昼チョイすぎに駐車場着。そのころから登り始める家族連れも多い。それらは多分、王滝頂上までが限界だろうと思う。でも、このコースは時間が切れたら戻れば良い。さらに、1時間も登れば展望が得られるお手軽コースだ。そんな家族連れの中で三才ぐらいの子供もいた。我家の孫は登れるだろうか?と、現実を考えてしまう私です。

帰宅後、最近の「山ボーイ」のこざっぱりした衣装に触発されて、20年近く着続けている愛用のダクロンジャケットを洗濯機に放り込んだ。洗濯後のジャケットは一皮剥けた感じで、色が違って見えた。なんせ20年間洗濯してなかったジャケットです。いや、1回ぐらいは洗濯したかもしれない。


◆行動記録(29日)

 3:00 起床
 4:35 行動開始
 5:20 ご来光を待つ
 5:40 ご来光
 6:00 金剛童子
 6:10 八合目石室
 6:30 富士見石
 7:00 九合目
 7:35 王滝頂上
 8:20 剣が峰
 9:35 二の池
10:15 王滝頂上
11:38 八合目石室
12:15 遥拝所
12:40 遊歩道
12:50 下山

【暗闇の中で突然現れる。肝試し的お堂】 

 【木曽駒の稜線が赤くなってきた】

 【中央アルプスの左に甲斐駒のピラミッド】
【木曽谷は雲海の下】

 【垂直の光の帯びが見えた】

 【光の帯の下に小さな光の点が・・・】

 【小さな光の点はグングン力が増す】

 【あっと言う間に普通の太陽になる】

 【八合目のチョイ上から王滝頂上小屋が見える】
【王滝頂上小屋は下から見ると要塞のように見える】

 【王滝頂上を越え、剣が峰を望む】
【風が強い。寒い】

 【富士山が見える】


 【剣が峰から二の池を見下ろす】
【遠景は乗鞍、さらに遠くに穂高の吊尾根、槍が見える】

 【お鉢巡りのピーク】
【人が立っている】

 【お鉢巡りの途中、継母岳を見下ろす】
【遠目にももろい岩肌が積みあがっている】

【二の池には雪が残っている】

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