ここ数年、四月になると決まった桜を見ることにしている。別に見なくても構わないんだけれど、「見よう」と決めたからには見ねばナラヌ。無理して見続ければ、何か見えてくるかも?と、こだわっているのだが、今のところ特段変わったものは見えるわけでもなく、ただ、桜が咲いているだけだ。でも、年によって微妙に咲き方が違っている。と思うのは錯覚で、こちらの感じ方が変わっているだけかもしれない。
今年は例年に無く開花が早い。気がついたらどこも満開。行かねばならぬ、と、始発のJRで出発。奈良方面の桜見物を一挙に片付ける作戦だ。幸い18切符も残っている。前夜、夜更かししたものの、起きてしまえば後は電車でいくらでも寝られる。朝5時40分の関西線亀山行きに乗り込み、直後に熟睡。亀山駅では夢の中。慌てて隣ホームの加茂行きに乗り換えようと立ち上がった瞬間にふらつく始末。情けない。
加茂駅までの1時間も熟睡追加でJR奈良駅に着いたのは9時少し前。幸い天気は快晴。春霞の気配も無く青空が広がっている。この季節としては珍しい。とりあえず喫茶店でコーヒーをテイクアウト。猿沢池のベンチでモーニングコーヒーを楽しむ。池の中の岩の上では亀がまさに甲羅干し。池の対岸に満開の桜と興福寺南円堂。絵に描いたような奈良の春景色だ。
興福寺境内を突っ切り、東大寺戒壇堂へ向かう。戒壇堂の桜は満開のはずだ。しかし、今年の戒壇堂の桜は花の数が少ない。満開なのか?、まだ早いのか?、遅いのか?はっきりしないけど、何か満足度が少ないのだ。まあ、桜にも何か説明しがたい「わけ」があるのかもしれない。
戒壇堂の横の築地塀の小道を正倉院方面に向かう。今回の桜見物の最大の目的である東大寺裏講堂跡のシダレザクラへ向かう。この桜は昨年初めて見つけた。私にとって、今、イチオシの桜なのだ。予想通り、今年も綺麗に咲いていた。この講堂跡あたりはいつも人も少なく静寂に包まれている。まだ若い桜で花の色も濃い。「京都平安神宮の紅シダレザクラと同種」と、出会ったオネエサマが言っていた。
その後、東大寺正面を経由してJR奈良駅から、桜井へ出て近鉄で大野寺へ向かう。東大寺南大門周辺は大混雑。日本語以外の言葉が乱れ飛ぶ。その後向かった大野寺はこれまた大混雑。狭い境内は人で溢れている。平日にもかかわらず、ここ数年で中で一番の人出だ。お目当てのシダレザクラは満開だったけど、例年より花が少ない感じで色も薄い。これまた、桜にも何か説明しがたい「わけ」があるのかもしれない。
そんな桜の前でどこぞのテレビ局が取材敢行。さらにクラブ*ーリズムの団体が混雑に拍車をかける。しかし、混雑の中でも皆さん満足げだ。「こんな美しい桜は見たことが無い」との言葉も聴かれた。今回気になったのはこの花の時期の拝観料が400円に上がっていた。これもアベノミクスの影響か。たしか昨年は300円、一昨年は200円だったような、なかったような・・・。この拝観料の上がり方が最近の大野寺の人気と比例しているのかもね。
あまりの混雑に大野寺は早々に引き上げ、長谷寺へ向かう。長谷寺には通常車で来ることが多い。近鉄で来るのは私が高校生だった50年近く前以来の二回目だ。駅から急激に下り、長い参道をダラダラ登り、最後に急な石段の回廊を登って本堂にたどり着く。はっきり言ってミニハイキングの様相を呈する。足腰が丈夫でなければ近鉄で長谷寺を参拝するのかキツイかも知れない。この長谷寺の桜もイマイチだった。これまた、桜にも何か説明しがたい「わけ」があるのかもしれない。
今回の奈良方面の桜見物は東大寺講堂跡の桜を除いて、なんとなく満足度の低い開花状況だった。有名どころの桜も「見られ疲れ」があるのだろうか?それとも見る側の「見疲れ」なのか・・・・。
本来なら、大宇陀の「又兵衛桜」も見なければならないのだが、時間の関係で今回はパス。さらに、一週間後に満開となる「仏隆寺の千年桜」があるのだが、今年は行けるかどうか?現時点では分からない。
長谷寺の後、桜井、奈良経由で京都へ出て、銭湯で汗を流し、市内を徘徊し、ラーメンを食べて最終電車近くで帰還。朝5時から夜11時まで行動時間18時間。電車に乗っている間は熟睡し続けていたとは言え、疲れた一日だった。(2013.4.4)
◆行動記録
5:40 名古屋
9:00 奈良着
奈良公園周辺徘徊
11:16 奈良発発
11:46 桜井着
420円(キツネうどん)
12:15 近鉄桜井発
12:40 室生口大野
大野寺(拝観料300円)
13:11 発
13:40 長谷寺(拝観料500円)
15:15 発
15:40 桜井
16:20 奈良
17:20 京都
18:30 銭湯(410円)
ラーメン・ビール(1050円)
20:31 京都発
22:41 名古屋(18切符2300円)
【猿沢の池越の桜。春だねー・・・。】
【これぞまさしく甲羅干し】
【戒壇堂を見上げる。例年、もう少し花が多いような気がするのだが・・・】
【東大寺講堂跡のシダレザクラ。ここは予想通り素晴らしかった】
【シダレザクラは二本ある。右手に見えるのは大きな切り株。そこに腰をおろしワンカップを飲む。贅沢な花見だ。】
【大野寺のシダレザクラ】
【大野寺のある近鉄室生口大野駅の桜も楽しみにしていたが、今年は花が少ない。地元のオバチャン曰く「駅へのスロープを作るため張り出した枝を大幅に切った。残念だ」。私も残念だ。】
【長谷寺の山門脇の白モクレンの巨木】
【長谷寺本堂の舞台から見下ろす。例年、霞のような桜を期待したのだが・・・】
【長谷寺講堂から本堂を望む】
【近鉄長谷寺駅の桜が一番美しかったような・・・。】
【京都・五条大橋横の桜。京都は和服着用の観光のオネエチャン多数。桜の前でポーズを取る。後姿を勝手に撮って失礼!和服着用散策は外国人にも人気の気配。フィリピーナもすそを持ち上げ交差点を走る。それはそれで微笑ましい。】
【新福菜館のラーメン。京都駅店は常に満席。今回は堀川三条店まで遠征してしまった。】
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