2018年8月29日水曜日

縄文展(2018.8.29)

縄文展に行ってきた。会場の東京国立博物館のある上野公園は夏休み終盤の大混雑。縄文展も予想外の混雑だった。チケット売り場も待ち行列が敷地の外の道路まで続き、昔並んだディズニーランドを思い出した。料金は一般1600円。係員が「シルバー割引的な年齢割引はありません」と叫んでいたけど、並んでいる観客の八割は60才以上のシルバー世代だと言うのは言い過ぎかな、、、、。

展示内容はなかなか濃いものだった。土器も素晴らしかったし、国宝の土偶も素晴らしい。縄文のビーナスと呼ばれている丸顔つり目の顔、遮光土偶の派手顔がっちり体型、ギョロ目厚い唇のビックリ顔、火炎土器、深鉢土器・・・などの様々な様式が地域的にも広がりをもって多数発見されていることに驚いた。現代のようにネットや様々なメディアが発達している時代と違って、人と人が直接伝え合う時代にこのような様式が確立することはすごいと思う。

今回、勝川で一番電車に乗り遅れたのを皮切りに今回の旅は様々な不運に見回れた。上野からの帰り、ゆっくり食事をすべく奮発したグリーン車は大混雑。さらに食べようとしたシウマイ弁当を引っくり返すという災難に見舞われた。

そしてさいごの不運は沼津からのホームライナーの座席が一号車一番A席。最前列の左側。前に大きな壁で「閉塞感がしんどいな」と思っていたら隣に御嶽海そっくりの大男のオニイチャンが座った。ただでさえ蒸し暑い一日の最後に受けた熱と圧力は半端ない。「不運は重なる」と諦めの境地だったけど、オニイチャンは次の富士駅でアッサリ降りた。

天気予報で東京方面は以外と気温が低いと感じていたけど今日の東京は湿度が高くて極めて不快。年々夏の暑さがこたえる。とくに今年は異常な暑さが続いている。早く秋にならないかなー。しかし、18切符は後三回分残っている。プレッシャーだ。

今回の縄文展はとても面白かったけど、トーハクが一番嬉しいだろう。一人1600円は良い商売だ。今、世界中、美術館、博物館は人気がある。これって平和だから?私としてはどうしても見たいと言うわけではなくて、暇だから見ている程度なんだけどなあ。どちらかと言えば美しい自然を見ている方が好きな私です。最後に一言、最近の東京は凄い人だ。東京五輪はどうなってしまうのか?どこかに避難した方が良いかもね・・・。

◆行動記録
  • 5:47勝川発
  • 12:44上野
  • 縄文展入場料:1600円
  • 音声ガイド520円
  • シュイマイ弁当830円
  • グリーン車970円
  • ホームライナー320円
  • 15:49上野発
  • 22:01勝川

【縄文展は平成館で開催されている】

【東京国立博物館本館も見所多し】

【法隆寺宝物館に中の金銅の飛鳥仏群は凄い】

2018年8月20日月曜日

風の盆(2018.8.20-21)

8月20日
昨夜は良い一夜だった。閉めた障子越しに少しだけ開けた網戸越しの冷気が伝わってくる。その開けた窓も深夜目が覚めた時には閉められていた。宿の女将の人柄が伝わってくる。最近、話題になっている高級旅館にも負けないおもてなしだ。旅先で思いもかけず良い宿に当たることはまさに旅の醍醐味だ。

今日は風の盆を見るために八尾へ行く予定だが、風の盆は夜。それまで時間があるので利賀村へ行ってみた。利賀村には庄川、平村、八尾の三ヶ所からのルートがあるが、いずれも険しい。そこには利賀芸術公園がある。その利賀芸術公園は不思議なところだ。以前から気にはなっていたけど演劇関係では有名らしい。8月後半にサマーフェスティバル的なイベントがあるらしく、若者たちが忙しそうに動き回っていた。そんなところへ場違いなオッサンが乱入したものの、彼らは礼儀正しく、そのイベントの趣旨、システムをゆっくり説明してくれる。山の中の若者の集団生活と言えば、例の宗教的集団を連想するけど、それとは全く異なる健全かつで楽し気な集団だ。機会があればその演劇を見たいと思った。その後、八尾に転進。スーパーで食料調達後、車を城ケ山公園方面に駐車。

初めて間近で見る風の盆。とりあえず6時半から始まる前夜祭ステージ(1500円)を覗く。躍り方指導や躍りの所作の説明がある。躍りの所作はなるほどと思うことも多かったけど、躍り方を舞台の上から一瞬で理解するのは無理。右と左の区別がつかない。まあ踊りは若者に任せて、高齢者は眺めるだけで良さそうだ。

夜8時近くになり若宮神社境内で踊りが始まった。ぼんぼりの光に浮かび上がる木々の葉はまるで桜の花のように美しかった。その木の下で踊る若い女性の姿は美しい。夜の闇のなかに甲高い「おわら」の声が吸い込まれていく。おわらはメロディーも歌詞も良くわからないけど数年前に訪れた江差おいわけに似ている気がする。北前船の影響なのだろうか。

観客の一人として人の肩越しに躍りを見ていたけどしばらくすると飽きてしまう。群衆から離れちょいとした段差に腰を下ろし、少し離れて「おわら」を聞く。暗い夜空に吸い込まれていく「おわら」を聞いていると、しみじみ日本の平和を感じてしまう。大袈裟だね。

その後、町流しまで見たとき重大なことに気がついた。編みがさで顔を隠した女性の踊り子さん達はとても美しい。首筋から背中のラインがスッキリ伸び、そこから腰に続く円みがなんともなまめかしい。しかし、私は編みがさの下を見てしまった。彼女等はほとんど中学生と見えた。できたら三十才前後のちょっと悲しみを秘めた女性であって欲しいと思うのは私だけだろうか?

深夜、帰還する途中で車中泊した細入道の駅は不快だった。大型トラックがアイドリングを続けている。道路上の温度表示は26度。寝苦しいのでエアコンをつけているのだろう。車中泊するときはエンジンを切ることにしている私にとっては辛い状況だ。古川の道の駅に移動することにした。途中の数河峠の気温表示は20度。少し移動するだけで気温は劇的に変わるものだ。

◆行動記録
  • 6:00起床
  • 8:30宿を出る
  • 10:00利賀村中心
  • 10:30利賀芸術公園 500キロ
  • 14:00八尾城山公園駐車場546キロ
  • 21:45発
  • 22:20道の駅細入567キロ行動停止
  • 26:30古川道の駅619キロ


8月21日
久々の五日間の旅だった。お盆も過ぎたこの時期の富山はしみじみ懐かしい日本を感じられる。平瀬道からの白山、庄川長崎温泉の民宿、利賀村芸術公園、八尾の風の盆などすべて良い感じの時間を過ごすことができた。こんな日本の懐かしい景観がいつまでも保たれることを心から願うばかりだ。ただ白山で感じた体力の低下を押し止めることは無理だろうなあ、、、、。ただ現状維持をなんとか頑張りたい。

◆行動記録
  • 8:15古川道の駅発
  • 12:20帰宅788キロ
【利賀芸術公園の野外劇場】

【利賀芸術公園の施設内では演劇の稽古中】

【風の盆前夜祭開始前5時間ほど。嵐の前の静けさ、もとい、祭りの前の静けさ】

【この日の前夜祭は東新町が担当、会場はこの若宮神社】

【八尾のAコープで見たこともない食材発見。通りすがりのオバチャンに「このまま食べられるか?」確認してから購入。道の食材との遭遇も旅の楽しみだ】

【前夜祭ステージは曳山会館で行われる。ついでに見た曳山は素晴らしい。5月3日に重大な関心が起こってしまった】

【暗闇の中の編み笠の女性陣は美しい】


2018年8月19日日曜日

長崎温泉・ながさき屋(8.19)

昨夜は疲れすぎて食事もとれなかった。病気から回復する過程のごとく行動食の残りを少しずつ摂取し、なんとか日本酒を舐める気分まで回復したけどその段階で熟睡してしまった。だったら空腹で目覚めても良さそうなもんだけど、目が覚めた段階では食欲は無かった。前日に水をのみすぎたせいかもしれない。その二時間ほど後にやっと食欲回復。

白川郷道の駅の木陰に車を止めラーメンに牛スジ煮込み味噌味と味噌漬けワラビを投入した不気味な料理を食べるだけ回復した。通常、コッヘルで作ったラーメンのスープは捨てるのが嫌で、残さず飲み干すんだけど、この日は脂ぎったスープを最後まで飲み干すことができなかった。

食欲は若干回復したといえど、前日のハードワークはなかなか回復せず、この日は温泉でゆっくり休むことにした。宿に入るまで、のんびり五箇山近辺を徘徊。その中で見た岩瀬家は素晴らしい合掌作りの家だった。泊まった宿は久しぶりの温泉宿だけど良い宿だった。富山の家は立派な造りの家が多い。まさに苦あれば楽あり。

宿は前日北原荘の露天風呂で聞いたながさき屋。電話でお願いし、いろいろあって、宿泊できるようになったながさき屋は素晴らしい宿だった。磨きこまれた縁側に座り、網戸から吹き込む夏の冷気が気持ちよかった。ここしばらく味わったことはないけど、懐かしい雰囲気の宿だっだ。

◆行動記録
  • 6:30起床
  • 7:30行動開始
  • 8:50白川郷給油376キロ
  • 8:55道の駅白川郷378キロ
  • 11:10上梨401キロ
  • 16:00ながさき家468キロ



【上梨の白山宮。本殿は富山県で一番古い建物らしい。9月にはこきりこ祭りが行われる


【岩瀬家は素晴らしい。漆塗りの建具はパワーあるね】


【囲炉裏には火が入っている】


【通されたながさき屋の座敷も立派だった】


【外見は普通なんだけど、中は立派だ】


【縁側から入る空気が心地いい】


【料理も私には向いていた】


2018年8月18日土曜日

白山・平瀬道(2018.8.18)

暗いうちに車中泊の白川郷道の駅を出発。大白川登山口に着いた時は明るくなっていた。数年ぶりの大白川だけど以外と車は少なかった。花で有名な白山なのでお盆過ぎると登山者は減るのかも知れない。登山届け記入してゆっくり登り始める。以前の記憶より登山道が良く整備され、穏やかな丸太の階段が目立つ。

ここ数年、昔登った山に登っている。行ったことがない山に行きたいのはやまやまだけど、知らない山へ行くにはそれなりの準備が必要だ。それも面倒くさい。そして痛感させられる。体が弱った。昨年の白馬鑓温泉、塩見岳も辛かったけど、今年はさらにつらかった。超スローペースで登るため後続パーティーに次々抜かれる。まあ、抜かれるのは何とも思わないけど、膝の痛みはこたえる。

今回とくに寂しかったのは、室堂で飲んだ持参のビールロング缶。最後の一口飲めなかった。飲もうと思えば飲めるんだけど、これを飲んだら帰れなくなるかもと、最後の一口を残してしまった。案の定、下山の道のりは厳しく足は痛い。その内全身が痛くなってきた。全身に力が入らず時間もかかった。若い頃は駆け下りたルートを一歩一歩足を運ぶ。

下山後の露天風呂の時間が心配になってしまったが、なんとか間に合った。今後も加齢に伴う体力の衰えに抗うことは出来ない。すべてを受け入れる気持ちはあるんだけど、少し寂しい。下山後、なにはともあれ露天風呂の時間を確認。露天風呂は6時までで一安心。缶ビール片手に暮れなずむダム湖を眺めながら露天風呂入るのは極楽だ。そこで出会ったオッチャンと話が弾み気がつけば周囲は暗くなっていた。

◆行動記録
  • 4:00起床 コーヒーとクロワッサン
  • 4:20白川郷道の駅発
  • 5:30大白川着347キロ
  • 5:50登山開始
  • 8:50大倉山避難小屋
  • 10:15カンクラ雪渓展望所
  • 11:20室堂
  • 昼寝
  • 13:30室堂発
  • 17:10下山(露天風呂350円、満天の星の下で車中泊。この夜は冷え込んだ。)


【登山道は整備が進む。歩きやすい階段だ。】

【大倉山避難小屋直下にはダケカンバが多い】

【右から雲海に浮かぶ御岳、乗鞍、北アルプス南部】

【花は秋の気配。シモツケソウ、トリカブトなどが目につく。マツムシソウ、ハクサンフウロはヘロヘロ状態。その他メインの高山植物は盛りを過ぎたのかな・・・。】

【カンクラ雪渓もやせ細る】

【やっと室堂の小屋が見えた】

【室堂から御前峰を望む。いつ来ても御前峰には登らず缶ビール。

【室堂周辺も秋の気配】

【やっと入れた露天風呂

2018年8月17日金曜日

長崎温泉・北原荘(2018.8.17)

やっとお盆が終わった。家族付合い的野暮用も終わり、自分だけの時間がとれる。さらに天気予報も酷暑が終わり北の高気圧に覆われる気配。出掛けねば・・・。どこへ行こうか迷ったけれど、前回、林道不通で断念した大白川温泉から白山を目指すことにした。このルートは若いころから何度も登っているので気楽に登れる。しかし、国道156の御母衣ダム沿いの道が豪雨で不通。国道41経由で富山側から庄川に沿って近づくことにした。そのついでと言ってはナンだけど、以前から気になっていた庄川沿いの温泉を覗いてみた。

そこはダム湖を舟で行く有名な温泉もあるけど、そんな大げさなアプローチでなくても車で行ける温泉もあるらしい。名前は長崎温泉ということを初めて知った。小牧ダムの湖上遊覧の乗り場を過ぎると急に山深くなる。トンネルの途中で長崎温泉の標識。それに従い北原荘に着いた。北原荘は想像以上に大きな宿だ。

内部は巨大な梁の立派な建物だ。内湯、露天風呂ともに清潔に保たれ好感が持てる。その露天風呂で地元高岡のオッチャンと知り合った。話のついでに長崎温泉について話を聞いた。いつもはながさき屋という民宿に泊まるんだけど、今日は北原荘に家族で泊まっているという。長崎温泉は静かで良いという。私も同感だ。

その後、白川郷の道の駅で車中泊。そこは車中泊の車多数。テントを張る猛者もいる。近くには自転車が置いてあるので自転車ツーリングの途中であろうか。道の駅でテント泊という禁じ手もツーリング中の若者なら許してもいいんでないかな。駐車場を照らす照明も優しい光だ。ボーッと光る優しい光は沢山の付が浮かんでいるようだ。お盆過ぎの山の中の道の駅は涼しくてよく眠れた。

◆行動記録
  • 10:20春日井給油
  • 12:20加子母81キロ
  • 13:20道の駅渚131キロ
  • 14:20かわい分岐173キロ
  • 仮眠
  • 15:20神岡
  • 16:20八尾235キロ
  • 八尾Aコープで食料調達(富山のスーパーはレベル高い)
  • 17:00長崎温泉北原荘269キロ
  • 18:15発
  • 19:30白川郷道の駅316キロ(車中泊)

【北原荘】

【内部は素晴らしい。掃除も行き届いている。富山人の家に対する思いは強そうだ。】

【庄川峡近辺は山深い感じだ】

2018年8月10日金曜日

立山カルデラ(2018.8.10)

台風の挙動が不安定で開催されるかどうか危ぶんでいたけど、前日12:30からの自動応答電話で催行を確認。それから夜行バスを手配し、夜11時10分発名古屋駅を出発。おりしもお盆直前の金曜日。名古屋駅西口は若者中心に大混雑。最近の熱帯夜もものともせず皆さん元気だ。

富山行の深夜バスもほぼ満員。直前の予約だったけどついていたと言うべきかな。三列シートの深夜バスの窓側の席は満席。確保できたのは真ん中の列の席だけど、すぐ後ろの席が空いていてシートをほとんどフルフラットに倒すことができた。イイチコのワンカップと精神安定剤の力を借りて、あっという間に熟睡。早朝五時に富山駅北口に着いた時もまだまだ夢の中。最近加齢に伴い朝早く目が覚める私にとっては、久々に起きるのがつらいほどの睡眠が得られて、久々に快適な起床だった。

今回の立山カルデラツアーは正式には立山カルデラ砂防体験学習会というらしい。その集合は8時40分。それまで3時間以上時間がある。早朝散歩を楽しむべく、ライトレールに乗って岩瀬浜を散策。漁協のセリを見たり、古い町並みを見たりしながらの楽しい朝の散歩を楽しめた。

立山カルデラ体験会は2台のバスで有峰林道へ入り、折立の登山口を過ぎたあたりで専用のゲートをくぐる。この先は一般の車両は侵入不可で体験会参加者もバスの中でもヘルメット着用が義務付けられる。

バスの中で立山カルデラの歴史、常願寺川と富山平野の関係、カルデラ内の砂防工事の必要性など興味深い話が多くて面白かった。昭和初期の登山記録に現れる立山温泉の湯船の後が残っていたけど感慨深かった。

砂防堰堤は作っても作っても崩れた土砂で埋まるのは事実。山は崩れて平野を埋めるのは自然の摂理。そんな自然の強大な力に対し、小さな人間の作業はむなしい。でも、生きていくのはそんな小さな作業の積み重ねなのかもしれないね。

◆行動記録
  • 8/9
  • 23:10名古屋駅西口発5700円
  • 8/10
  • 5:00富山駅南口
  • 岩瀬浜から東岩瀬まで歩く
  • 8:30カルデラ見学会2000円
  • 車二台ほぼ満員、私は2班
  • 17:00富山駅北口
  • 夕食:白エビ天丼、立山一合
  • 18:01富山発
  • 「はくたか」「しらさぎ」でジパング6250円


【お盆直前の名駅西口、深夜バスは混みあっていた、若者の活気は良いね】


【岩瀬浜の漁協でセリを覗き見る。働いている方々の邪魔にならないように遠巻きに除く。近くの漁協で豊かな種類の魚が毎日揚がるなんて、富山は魚が良いわけだ。】


【岩瀬浜の展望台。エレベーターは無い】


【岩瀬浜には古い町並みがある。昔は北前船で栄えたらしい】


【釣り餌の自販機発見、ということは漁港の岸壁で釣れるかも・・・。】


【六九谷展望台から立山カルデラの地震で崩壊した鳶山方面を望む】


【残念ながら稜線のスカイラインは雲の中】


【泥鰌池へ向かう散策路には吊り橋もある。前方は弥陀ヶ原の溶岩台地。途中にクマの糞があった。】


【泥鰌池】


【立山温泉のタイル張りの浴槽跡。夏草や兵どもの夢の跡。】


【白岩堰堤の上から下を望む。立山カルデラ出口の最大の堰堤群】


【白岩堰堤のちょい上にある天涯の湯。今は工事関係者が入っているらしいけど、私も入りたかった。しかし時間がない】


【本宮堰堤。日本最大の砂防堰堤だとか。】

2018年8月3日金曜日

魚津・たてもん祭り(2018.8.3)

昔からいつも東北に対して憧れのようなものがあった。退職したら山、温泉、春の桜、夏の花火そして祭りなんぞを時間を気にせず見て回りたいと思っていた。そして退職後10年ほど東北を巡ってみた。そんな気分は団塊の世代共通の意識かもしれない。最近は大手旅行社のツアーや豪華客船のクルーズツアーなんぞにもよく出会う。

しかし、東北まで足を延ばさなくても北陸にも興味深いものは多い。特に最近、富山が気になっている私はとりあえず、魚津のたてもん祭りに出かけてみた。初めて見たその「たてもん祭り」はとても良かった。連日の酷暑にもかかわらず、陽が落ちた後の魚津の町には心地いい風が吹いていた。特に会場となる諏訪神社は魚津の海岸に面しており、適度な人出の中、適度な明るさと暗さの提灯の明かりが美しかった。

たてもん祭りを見たこともない私は、提灯を灯した山車的な物が町中を引き回されるのか?などと勝手にイメージしていたけど、実際は諏訪神社境内およびその近辺で祭りは行われていた。海岸べりの堤防に腰を下ろし、夜の暗さを照らす「たてもん」の明かりを見るのはしみじみ心穏やかな気分になる。数年前に見た新潟・村上の「七夕」でも同じような気分を味わった。最近流行りのメジャーな東北の夏祭りにはすでに無くなってしまった風情が北陸の祭りにはまだ色濃く残っている。福井、石川、富山、新潟は東北に負けないぐらい渋くて面白い地域だということのしみじみ感じている。

【陽が落ちると諏訪神社の前に「たてもん」が集まる。】

【各町ごとに全部で7基。8時頃から11時ごろまでくじ引きで奉納の順番が決まるらしい。】

【諏訪神社境内での奉納のメインイベントが回転奉納。町内ごとに回転の技量を競っている感じ。回転する綱につかまりアクロバティックな技を決める猛者もいる。年寄りには無理。】

【大きさは若干の違いはあるものの16m以上あるらしい。夜空に浮かび上がる蝋燭の明るさと背後の闇の暗さが美しい。】