● 民宿安和の里=>海岸ルート=>土佐久礼=>七子峠=>37番岩本寺(窪川)
朝、出発するとき、民宿安和の里の女将さんから「ろうそく代の足しにしてください」と、折りたたんだ封筒に包まれたお金を渡された。一瞬、意味が分からなかったけど、「これがおへんろの体質かも」と考え、ありがたく頂戴した。そして、次の岩本寺でお賽銭として納めた。これも「遍路的様式美」なのかもしれないね。
安和の町は海岸に近い。安心、安全の「安」と平和の「和」。ひょっとしたら歴史的に津波の被害に見舞われ続け、その結果、安らかな生活を求めた「安和」なのかも?と勝手に想像してみるも、何の根拠も無い話です。
安和から久礼に向かうには山越えの道と、海岸線に沿う道の二つのルートがある。山コースは距離は短いけどトンネルあり。海岸ルートは景色は良いけど距離が長い。当然、景色のいい海岸コースを行くことにした。このコースは今回歩いた中で一番快適なコースだった。
歩き出してすぐ、海岸から少し高みにある道路上で釣りの仕掛けを準備しているオッチャン発見。何を狙っているのか聞いてみれば、「アオリイカ」とのこと。アオリイカ釣りに興味津々の私としては通り過ぎることも出来ず、じっくり見学。
手元にあるバケツには15センチほどの生きたアジが泳いでいる。そのアジの尻尾の近くに針を引っ掛け投げ竿で沖に投入。尻尾近くに針掛かったアジは元気だ。竿先がピクピク動いている。オッチャンいわく「イカが食うと、ググッと竿先が曲がる」とか。
「でも、さっき見た小さな針ではバレちゃうんじゃないの?」と聞いてみれば、オッチャンは「食ったらこれを糸に掛けて下に下ろすんじゃ」と30センチほどの針金に針が数ヶ所ついた器具(名前知らない)を見せてくれる。なかなかシステマティックな釣りなのだ。その器具をスムーズに下ろすためにも小高いポイントから投げ釣りしているわけだ。
そんな話をしていたら、竿先が変化した。なんとイカが掛かったのだ。それからがなかなかダイナミックな取り込み。まず、ガードレールから垂らされたロープを伝って海に降り、取り込むのだ。まさに、フィッシング&クライミングだ。良いもの見させていただきました。
いつまでもイカ釣りを見ているわけにも行かない。歩かなければ着かないのだ。天気は上々。海が濃い。緑も濃い。光も濃い。首筋がジリジリ日焼けしていく感じが分かる。菅笠が欲しい。出来るだけ日陰を選んで歩く。その日陰はとても快適だ。
安和から久礼を通って七子峠へ至るルートは「四国のみち」として整備されているらしい。でも久礼を越えたあたりで歩くルートが分からなくなった。しかた無いので国道56号を窪川方面に歩くことにする。しかしこのルートは高知から中村へ向かう海岸沿いのメインルート。車が多く歩きにくいことこの上ない。
まあ、仕事でもなく「酔狂」で歩く私にとって、それなりの理由で走る車を非難することは出来ないけど、なんであんなに走り回らねばならないのだろう・・・?大汗かきつつ七子峠着。峠の茶屋で思わず「ビール」。そしてざる蕎麦の昼食。開け放された窓から風は吹きぬける。
七子峠を越えると、アップダウンは無くなる。国道に付かず離れずへんろ道は続く。快適な散歩道といった感じだ。ふらふら寄り道しつつ窪川の岩本寺に到着。岩本寺は遍路にとってはかなり役割の大なお寺らしい。宿坊もあるし、売店では遍路グッズも売っている。今夜はこの宿坊を予約してある。
でも、部屋に通されて驚いた。小さな(普通の)部屋はすでに満杯。大部屋に通された。私の今夜の部屋はここらしい。入って畳の数を数えたところ15畳。食事は付いてないので街の居酒屋で夕食後、部屋に戻れば、まだ時間は早いけど人の人の気配も無い。テレビも無い。静かなお寺の、大きな部屋で一人静かに夜を過ごす。はっきり言って部屋の隅に置かれた真っ赤なボタンの造花が怖い。かなりの多くに泊り客がいるはずなんだけど、皆さん何をしているのだろう?といろいろ感じつつ夜は更けて行く。
● 行動記録
06:50 出発
09:16 土佐久礼着
10:27 七子峠登り
11:41 七子峠
14:47 ドライブイン「ゆういんぐ四万十」
16:20 岩本寺 300円
● 歩行距離
安和の里(安和)~岩本寺(窪川):27キロ
●主な出費
行動食(久礼):580円(饅頭、お茶)
リップクリーム、 アイス:384円
岩本寺宿坊(素泊):4000円
夕食(居酒屋・初音):2900円
サラダ スナップえんどう
はちくと ジャガイモの煮物
カツオ刺身
酒 2杯
うるめ丸干し
ざる蕎麦
【イカが当たった】
【崖を降りて取り込む】
【アオリイカ確保】
【ちょっと型は小さいけど立派なアオリイカだ】
【安和から久礼への四国の道】
【七子峠から久礼の海が望める】
【七子峠峠の茶屋での昼食】
【37番札所岩本寺】
【岩本寺宿坊】
【15畳の部屋は落ち着かないかも】
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