天生峠は飛騨白川村と河合村を結ぶ国道360号線の峠。「あもう峠」と読む。昔から紅葉の名所として知られている。そこに最初に訪れたのは、今から20年近く前。紅葉の時期ではないけれど、雪が融け国道が開通した直後の季節だった。その峠から籾糠山へ登るために、前夜、駐車場の休憩所で宴会後仮眠した。とても山深い感じで、泉鏡花の「高野聖」の話ともあいまって、ちょっと不気味な気分だった。当時は今のように開発も進んでなくて、天生湿原の横に付けられた登山道を水芭蕉を踏み分けて歩いたことを思い出す。
その後、何度も訪れているけど、紅葉の時期にジャストフィットしたことはなく、私にとっては伝説の紅葉の名所となっていた。今年は冷静に出撃を計画。「時期良し」「天候良し」「体調良し」の「三方良し」を近江商人風に確認後、朝5時起きで6時20分加子母を出発。国道41号線を北上する。古川の先で白川方面へ左折。
走るに従い、ところどころに赤く染まった木々が見られるが、まだまだ紅葉には早い感じ。年によっては綺麗に色づく前に枯れ落ちてしまう紅葉も多く、今年の紅葉状況に不安がつのる。しかし、峠への登りにかかるころ、綺麗に染まった木々が増えてきた。高度を上げるに従い、紅葉の度合いも進んでくる。峠の駐車場に着くころには周囲は素晴らしい紅葉が広がっていた。
その駐車場には予想以上の数の車が止まっている。隅には屋台も出て岩魚の塩焼きなんぞも売っている。やっぱり天生峠はこの地域では紅葉の名所として有名なのだ。周辺には遊歩道が整備されのんびりハイキングも楽しめる。
靴を履き替え、天生湿原からブナの原生林の間を巡る遊歩道を歩いてみた。湿原周囲の紅葉も素晴らしかったけど、ブナの巨木の間に差し込む光に照らされた紅葉はとても美しかった。天生湿原の休憩所ベンチでカメラを構えているベテラン風オッチャンに今年の紅葉状況を聞けば、「例年と同じぐらいかなー。ただナナカマドの赤が今年は出てない」とのこと。この紅葉にナナカマドの赤が加わったらさぞ美しいだらーなー・・・。遊歩道の入口で「環境整備推進協力金」500円を求められたが、納得の500円であった。(2012.10.21)
◆行動記録
6:20 加子母発
9:00 天生峠
入山料:500円
11:20 同発
(天生湿原周辺徘徊後)
16:50 春日井
(春日井周辺に若干の渋滞)
【青空バックに楓が映える】
【駐車場は大混雑】
【天生湿原の紅葉】
【天生湿原の紅葉】
【ナナカマドの赤が出てない(地元事情通談)】
【原生林の紅葉】
【ブナの巨木に蔦が絡む】
【水芭蕉群生地の紅葉】
【当然、水芭蕉は咲いてないけど】
【快適なベンチも多数ある】
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