2012年11月7日水曜日

夜叉ケ池(2012.11.07)


30年以上前、「奥美濃ヤブ山登山のすすめ」(高木泰夫著)に影響され奥美濃方面の山や谷に通いつめていた時期があった。その時以来、久しぶりに夜叉ケ池に登ってみた。当時は、何も考えず、山に行くことだけが楽しかった。週末、密かに職場に車を置き、仕事をを適当に切り上げそのまま出撃。登山口のキャンプで七輪を囲んでビールを飲むとき、スーツとネクタイ姿だったことを思い出す。

しかし、年を経て、体力の衰えを感じるにしたがい、そんな無茶な行動は出来なくなった。そのかわり周囲を見ることができるようになってきた。この時期、「紅葉が良かろう」そんな気持ちで夜叉ケ池へ向かった。揖斐川西堤防を北上、揖斐川町から横山ダム方面へ向かう。横山ダムを左折、坂内村に入ると紅葉が進んでくる。久しぶりの奥美濃はとても懐かしかった。

坂内村(村でいいかな?)のチョイ先を右折、夜叉ケ池登山口を目指す。登山口までの林道は紅葉の盛りだ。素晴らしい。この10数キロの林道は舗装は完璧だけど幅が狭い。対向車があるとかなり苦しい。しかし、当日は対向車には一台も会わなかった。登山口の駐車場には10台程度の車。休日にはかなりの数の車が入るだろう。

午前11時、歩き出す。歩き出しはいつも苦しい。最近はすぐに息が上がり、足、膝、腰に痛みを感じることも多い。そんな時、可能な限りゆっくり歩くことが大切だ。30分程度、超スローペースで歩き、最初の休憩。ついでにタバコを一本。ゆっくり休んで再度歩き出す。そのころになると、足腰の痛みや胸の苦しさも納まってくる。

周囲は紅葉真っ盛り。途中で雨が落ちてきた。カッパを出し、ザックカバーも装着する。雨に濡れた紅葉が美しい。本来なら暗い雨の山道も、紅葉が明るく照らしてくれる。清冽な空気がみなぎっている。小さなアップダウンを繰り返し、夜叉ケ池への最後の登りにかかるころ雨に霰が混じってくる。気温もグングン下がってくる。左手に夜叉壁を望む。なかなか迫力の有る光景だ。

夜叉ケ池周辺の紅葉は終わっていた。登山客はすでに全員下山。営林署の二人だけが監視員(だと思う)として待機しているけど登山者は私だけ。紅葉の状況を聞くと、池周辺の紅葉は二週間ほど前が盛りだったとか。10月最後の日曜日(27日)が登山者も最盛期だったらしい。今回は登山口までの林道周辺が最盛期だったので良しとしよう。山の上から下までのすべての紅葉を楽しむことは無理だわなー・・・。霰まじりの雨の中、寒さに震え、一人静かに眺める夜叉ケ池はそれはそれで趣深いものだった。

下山後、雨に濡れた体がなかなか温まらず、気持ちが悪い。「若い頃なら自分の体温で直ぐに乾いたのになー」などと寂しいことを思いつつ、車を運転していたら、「天然温泉・藤橋の湯」の看板発見。チョイと偵察。「水曜日・シルバーデイ、100円引き」と書いてある。値引きに弱い私はもちろん入浴。受付のオネエチャンに「この温泉は熱い湯が出てるの?」と聞いてみた。藤橋の湯は若干の加温はしているもののほんまもんの温泉との話。下呂温泉と同じようなチョイとぬめりの有る良い温泉だった。

夜叉ケ池は岐阜県側から登ったものの福井県との境にある。この時期、当然、日本海側気候の影響が大きい。この日もどんより曇った空から雨が落ち、ガスに包まれることも多かった。しかし、コースは短い割りに変化に富んでいて、印象に残る山行だった。(2012.11.7)

◆行動記録
 8:25 春日井インター(起点)
 8:55 羽島IC(400円 32キロ)
10:10 道の駅・坂内(83キロ)
10:50 夜叉ケ池登山口(104キロ)
11:00 発
12:00 夜叉壁手前(雨、カッパ、ザックカバー)
12:45 夜叉ケ池
13:00 発
14:20 夜叉ケ池登山口
14:40 発
15:15 分岐118キロ
16:30 藤橋の湯発(シルバー400円)
17:55 羽島IC
18:25 春日井IC(208キロ)

 【登山口には立派な駐車場がある、駐車場には車が数台】

 【駐車場の周辺が紅葉最盛期】

【紅葉越しに夜叉壁が見える。その左側のコルに夜叉ケ池がある】

 【紅葉の登山道】

 【落ち葉を踏みしめ歩くのは楽しい】

 【夜叉壁】

 【夜叉壁にガスが流れる】

 【横のピークに上り夜叉ケ池を見下ろす】

 【夜叉ケ池の湖面をガスが包む】

【揖斐川温泉・藤橋の湯、水曜日はシルバー割引400円】

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