後ろから見えると分からなかったけど、若い女性だった。人懐っこい笑顔で話しかけてくる。基本的に美人大好きの私としては、願っても無い状況である。遍路道を探しつつ、世間話をしつつ、のんびり歩く。一人で歩くのも良いけど、美人と話しながら歩くのは、もっと楽しい。
彼女は3月から通し打ちで歩いていて、まもなく88番大窪寺で結願。「最初は先を急いでガンガン歩いたけど、終わりが見えてきて、寂しくなった。終わりたくない」と言う。終わることなんぞ考えてもいない私には実感は無いけど、そんなもんかも知れないね。
その彼女が今回の遍路のキーパーソンとなった。彼女は前夜、郷昭寺近くの善根宿「うたんぐら」に泊まり、とても良かった、とのこと。「初めての善根宿だったけど、もっと早くから泊まれば良かった」と言う。
通常は79番天皇寺を越えると、80番番国分寺なんだけど、81番白峯寺、82番根香寺を先に回り、80番国分寺へ戻るのが楽だとの彼女の情報に従い、私もそのコースで歩くことにする。しかし、終わりたくない彼女は82番根香寺の近くの禅喝破道場に泊まるという。先を急ぐ私は、白峯寺で別れ先に進む。そして、国分寺に戻り、彼女の勧める「うたんぐら」に泊まることにした。
「うたんぐら」は素晴らしい宿だった。泊まってみて分かったけど、善根宿は一般の旅館、民宿とはまったく異なる宿泊施設だ。形式としては「とほ宿」の男女別相部屋と同じだけど、「善根」と言うだけあって、そこには「人の善意」が満ち満ちている。四国遍路の「お接待」の考え方の究極の形態だ。(2014.4.19)
◆行動記録
6:42 JR坂出
宇多津まで210円
7:00 行動開始
7:30 78番郷昭寺
9:00 八十場
ところてん570円
9:30 79番天皇寺
12:00 81番白峯寺
14:30 82番根香寺
カエデが美しい
缶コーヒーお接待
肉うどん 500円
16:45 80番国分寺
17:10 JR国分寺駅
宇多津まで260円
18:00 宇多津
コンビニ弁当 ビール
18:30 善根宿「うたんぐら」
◆歩行距離
・ 2.0キロ JR宇多津-郷昭寺
・ 6.3キロ 郷昭寺-天皇寺
・12.0キロ 天皇寺-白峯寺
・ 4.6キロ 白峯寺-根香寺
・ 7.3キロ 根香寺-国分寺
・ 2.0キロ JR宇多津-うたんぐら
(合計)34.2キロ
【78番札所郷昭寺】
【79番札所天皇寺】
【白峯寺へは長い石段を登る。羽黒山の石段を思い出す】
【81番札所白峯寺】
【82番札所根香寺、カエデの新緑が美しい】
【根香寺から国分寺へは急な山道を下る。はるか彼方に国分寺の町を見下ろす】
【80番札所国分寺】
【うたんぐらの庭、花がきれいだ、プランターには夏野菜(トマト他)】
【うたんぐらの朝食、これにピカピカの炊き立てご飯、味噌汁、昼食のおにぎり付】
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