2013年1月27日日曜日

別府5・総括(2013.1.27)


昨夜、フェリーの窓のあるラウンジで同席したオッサン(と言っても私より一つ下)と同席し、持参のウイスキーを飲みきってしまった。彼は岸和田出身の63歳。定年を過ぎ、嘱託再雇用も今年2月で終わるという。今回は「さんふらわあの弾丸フェリー」で金曜日夜船中泊、土曜日の昼に鉄輪温泉徘徊し、土曜日船中泊で帰還すると言う。同じような人がいるものだと話が弾み遅くまで飲んでしまった。

弾丸フェリーは船中2泊で大阪-別府往復1万円。この空いた時期のフェリー連泊は睡眠も良く取れるので十分だ。さらに往路でランクアップ券をくれるので、復路はワンランクアップのツーリストベッド寝ることが出来る。まあ、空いているのでどこに寝てても同じだけどね。

その後、熟睡、朝のモーニングサービスの船内アナウンスで目が覚めた。デッキに出ると神戸の街が遠くに見える。反対側には二上山、葛城、金剛の山並みの背後に朝日が昇る。前夜のオッチャンと並んで下船。サンフラワーの窓口近くで「こんなんもアリマッセ」と一枚のパンフレットを示してくれた。

それには、別府-大阪往復と別府での簡易ホテル1泊付で9900円「大分激安パック」とある。彼は来週、それで再出撃との計画だとか。金曜日の夜、大阪南港発で金曜日船中泊、土曜日別府泊、日曜日船中泊で湯布院と明礬温泉に入る計画だとか。なかなかヤルナー。私も大分激安パックにフェリーサンフラワー利用で「1000円引」の「臼杵城下町散策と大人の社会見学」3000円への参加をちょっとだけ考えている。(2013.1.27)

◆行動記録
 5:30 起床
      船内朝食(パン、コーヒー450円)
 7:30 大阪南港
 8:30 難波
      ラーメン餃子(王将682円)
      大阪の町を朝の散歩
11:30 上本町(うどん、ビール 1280円)
13:15 上本町発(近鉄株主優待券)
      3時間半ほどかけて名古屋着

【夕暮れのサンフラワー、長くて寒い旅だった。良い季節の人混みの旅を選ぶのか?厳しい季節だけど人の少ないたびを選ぶのか?私は後者を選びたい、もちろん良い季節で人の少ない旅が一番ではあるけどね】

2013年1月26日土曜日

別府4・温泉(2013.1.26)


当初、鉄輪温泉貸間旅館三泊の予定なるも、突然の寒波。強風に雪が舞う。あわよくば由布岳か鶴見岳に登ることをひそかに画策していたけど、にあまりの寒さに予定を一日繰り上げ、帰ることにする。帰りのフェリーは夕方7時35分。時間はたっぷりある。その間、別府の温泉をめぐることにする。

まずは、鉄輪温泉の観光案内所でどこに行くべきか相談する。どうせなら泉質の異なる温泉に入りたい。ただし歩いて行くことが可能なところが条件だ。鉄輪温泉の泉質はナトリウム塩化物泉。チョイと塩気と金気を感じる透明の湯だ。街の西の山手にある坊主地獄の近くに泥湯があると聞き、向かってみる。名前は鉱泥温泉。営業は午前中のみで午後からは療養専門の施設になるらしい。別府の泥湯と言えば健康保養センターが有名だが、鉱泥温泉の方が本格的な気配だ。

冷たい雪交じりの風に吹かれつつ鉱泥温泉到着。外観、内部ともに掃除が行き届き清潔な施設だ。受付のオバチャンは不在だった。「勝手に入ってくれ、代金は後で良い」との趣旨の看板が掲げられている。のんきな温泉だ。入浴料金800円。500円以上の温泉を避けるのが私の主義なのだが、体も冷え切っているので入ることにする。大きな露天風呂とその奥に屋根に覆われた泥湯がある。泥湯に入っていたら、オバチャンが現れた。

「今から掻き回すからちょっと出て欲しい」とのこと。大きな木の攪拌棒を操り、浴槽内を掻き回す。オバチャンに「ここは泥状のお湯が出ているのか?」聞いてみたところ、隣の坊主地獄から泥を運んで投入しているとのことだった。これまた海浜砂湯同様「あれっ?」て感じの泥湯だった。東北栗駒山近くの泥湯はほんまもんの泥湯だけどね・・・。

泥湯から出てもまだ時間はある。チョイと遠いけど柴石温泉に向かってみる。鉱泥温泉から山沿いの道をアップダウンを繰り返し北へ向かう。アゲンストの冷たい風に向かって歩く。はっきり言って辛い。「何でこんなことしてるのか?」との疑問もわいてくるけど、けっこう楽しい。柴石温泉はチョイと山の中に入った古くからある温泉だ。しかし市営の新しい施設が出来ている。入浴料金210円。ロッカー代100円。泉質は鉄輪温泉とほぼ同じ。ここには蒸し湯がある。けっこう高温のサウナ状態だ。ピラミッド状の天井を持つ穴倉的な小部屋に温泉の蒸気が充満し打ている。閉所恐怖症の私としてはあまり好みの状況ではないので早々に退散。でも、人気は高いようだ。

風呂から上がり、畳の部屋で持参のアンパンの昼食。ついでに一眠り。この旅に出て以来、神経が弛緩しているのか、しょっちゅう寝ているような気がする。でも、これが正しい温泉の楽しみ方かもしれない。柴石温泉を出て、海に向かって坂道を下る。出港まではまだまだ時間がある。船に乗る前に早めの夕食をとりたいと考えるも、どこにも食べるところが無い。今回の旅では美味いものを食ってないなー。

食事処を探しつつ、なんとなく港の方向に歩き続ける。突然、競輪場たどり着く。食事とは違うけど、競輪も面白そうだ。入り口には「開催中」との表示。とりあえず入ってみる。競輪は若い頃車券を買ったことがある。当時は埃っぽい人混みに予想屋の大声が響き、焼きソバとか串カツの匂いが充満していたものだ。そんな気分で入ってみたものの、雰囲気が違う。焼きソバ、串カツの気配も無く、観客はひたすらモニターを眺め、静かに車券の検討に没頭している。予想屋の大声も無い。

車券の購入もマークシート方式になっている。さらに競輪開催中と言うものの、その開催中の競輪は東京京王閣で開催され、ネットで観戦するものらしい。昨今のIT技術はギャンブル関係まで浸透している。これなら各地の競輪場のバンクは不要だよね。買い方も分からないので車券購入は断念し、とっとと退場。

競輪場を出るとさらに腹が減ってきた。しかし店は無い。風は冷たい。はっきり言って辛い。どこへ行っても寒い。海岸線は特に風が強い。寒さと空腹に耐え切れず、たまたま見つけた公衆浴場「餅が浜温泉」。入浴料金100円。ロッカーは無いので100円ポッキリ。受付のオバチャン、先客ともに無く、勝手に入る。暖かい温泉が冷えた体に滲み渡る。今回の旅に中で一番気持ちよかった温泉だった。餅が浜温泉を出たとき、開いているラーメン屋発見。やっと焼き餃子、鉄板チャーシュー、ビール、ラーメンにありついた。今回の旅の中でもっとも美味しい食事だった。食事も温泉もその快感は今ある自分自身の状況によることを実感。まさに色即是空、空即是色。ナマンダブナマンダブ。(2013.1.26)

◆行動記録
 8:30 双葉荘発
      宿代 7655円(二泊)
10:00 鉱泥温泉(800円)
12:30 柴石温泉(310円)
16:00 餅が浜温泉(100円)
16:45 ラーメン他(1960円)
17:35 フェリー出発
      8480円(シルバー割引20%オフ)

 【鉱泥温泉、隣の坊主地獄から運んだ泥を投入している。入浴料:800円】

 【柴石温泉。入浴料金210円、ロッカー代100円、蒸し風呂あり、畳の休憩部屋もある、地元のオッチャンが将棋を指していた】

 【別府の海岸はほとんど公園になっている、遠景は高崎山、この日は寒かった、この寒さの中貝を掘っている人がいた、聞けばニシ貝を採っているとか、ここ数年、アサリは姿が無いとも言っていた】

【あまりの寒さに飛び込んだ餅が浜温泉、入浴料100円】

2013年1月25日金曜日

別府3・国東半島(2013.1.25)


国東半島は不思議なところだ。かなり古くから栄えた地域らしいけど、現在は忘れられたような沈んだ空気に満ち満ちている。奈良や京都のような修学旅行やお隣の国々からの観光客も少ないようだ。事前の情報では石仏が多いらしい。写真で見る石仏はなんとなく愛嬌があるものの、妙なリアリティーが感じられる。

初めての国東半島なので土地勘も無く、どこへ行けばいいのかも良く分からない。駅の観光案内所で情報収集。大分交通の定期観光バス「国東半島史跡めぐり」に乗ることにする。朝7時半宿を出て、歩いて別府駅へ向かう。方向を定め、適当に歩く。バスは9時15分発。十分時間は有ると思ったけど、あちこち歩いているうちに、時間がなくなってきた。最後は小走りに駅へ向かう始末。

バスが来た。乗客は30歳前後のオニイチャン一人。その後も乗ってくる人は無く参加者は総勢2名。その2名のためにバスガイド、運転手のスタッフ2名。バス会社も大変だなー・・・。でも、バスガイドさんの説明はしっかりしており、拝観料込みで一日遊べて4950円。ミカンのサービス、お土産に「竹製孫の手」もいただいた。

国東半島も初めてだけれど、定期観光バスにのるのも初めて。スタッフ含めて総勢4名の団体観光は家族的雰囲気に満ち溢れ非常に楽しい経験だった。オニイチャンは千葉からの一人旅。有給休暇をとって九州を回っているらしい。前日、臼杵の石仏を見てきたという。「仏像を見るとなぜか心が落ち着く」などと殊勝なことを言う若者だった。出来ることなら、お客のオニイチャンがオネエチャンだったならもっと楽しかったと思うけどね。この旅では鉄輪温泉の貸間旅館でも一人旅のオネエチャンが多かった。

両子寺では「峰入り」の話を聞いた。昔から国東半島の寺をすべて回る修行で、最近は10年に一度行われるとか。前回は平成22年に行われ、一般参加も許可されたとのこと。全行程150キロを4泊5日で40キロの荷物を持って走破する修行で、かなり厳しいものらしい。前回の「峰入り」では最近の高齢者登山ブームもあって、かなりの一般参加希望者が有ったらしい。しかし、にわか高齢者修行もけっこう大変だったようで、次回(平成32年予定)は一般参加を認めるかどうかは微妙らしい。10年も手入れされてない150キロの山道を歩くことは大変だろうなあ。(2013.1.25)

◆行動記録
 6:00 起床
 7:30 出発
 8:45 JR別府駅
      コーヒー、食料、タバコ(1301円)
      観光バス(4950円)
      宇佐八幡宮
      富貴寺(国宝阿弥陀堂)
      昼食(団子汁1050円)
      真木大塔(九体の木造仏、特に不動明王が素晴らしい)
      熊野麿崖仏
15:30 両子寺(ふたごじ)
16:30 JR別府駅
      食料(1829円)
      バス代(鉄輪温泉まで340円ぐらい)

 【宇佐八幡宮の本殿、背後の本殿は修復中で見えず、境内は広い、国東半島のお寺はこの神社の関連施設だったとか。神社とお寺が仲良くする姿は日本的だ。】

 【富貴寺の阿弥陀堂(国宝)、内陣に書かれた菩薩像に驚くほど鮮明なものあり】

 【富貴寺山門の仁王像、国東半島の石造はなんとなく愛嬌がある】

 【熊野麿崖仏へ向かう乱積の石段。古いものだ。一汗かいた】

 【熊野麿崖仏・大日如来(向かって右)】

  【熊野麿崖仏・不動明王(向かって左)、エラが張っているけど優しそうな不動明王だ】

 【両子寺(ふたごじ)の仁王像、国東半島の石仏の中でもっとバランスが取れていると、言われている。両子寺は国東半島の中央に位置し、「峰入り」の最後の寺、いわば国東半島の寺の中心的存在だ】

 【両子寺・奥の院への石段にも仁王像がいた】

【奥の院の裏手は洞窟になっている、そこに飲めば「不老長寿」の冷水あり、当然飲んだ】

2013年1月24日木曜日

別府2・地獄蒸し(2013.1.24)


昨夜はよく眠れた。エンジンの振動が私には特に心地良い。でも、眠れた割には疲れている感じ。不思議だ。そんな気分をシャッキリさせるべく、朝風呂に入ることにする。私の旅の流儀は歩くこと。別府観光港からJR別府駅近くの竹瓦温泉を目指す。そこまで意外と遠かった。

初めて入った竹瓦温泉はなかなか良かった。古い唐破風の外観は渋い。入浴料金100円。コインロッカー100円。でも浴槽から脱衣場は見通せるし、客は私一人だけだったのでロッカー100円は不要だったかもしれない。竹瓦温泉には砂湯もある。砂湯と言えば指宿にしか無いものと思っていたけど、別府にも有ったのだ。

受付のオバチャンに聞いてみれば、竹瓦温泉はもともと砂湯から始まったとの話。別府にはこの竹瓦温泉と海浜砂湯の二ヶ所が本物の砂湯とのことだった。それじゃ、砂湯にも入ってみるか?どうせ入るなら海を眺めながらの方がそれらしいと、海浜砂湯へ向かってみる。海浜砂湯は到着した別府観光港の先にある。要するにもと来た道を戻ることになる。非常に無駄な行動をすることになるのだが、無駄なことこそ旅の醍醐味。

陽が昇ってきた。陽射しが暖かい。海浜公園の石段に腰掛け開店早々のスーパーで購入したアジ寿司を食べる。ついでに昼寝、もとい、朝寝も楽しむ。1時間以上かかって海浜砂湯に到着。初めての砂湯体験だ。入浴料金1000円。受付で渡された浴衣に着替え、大きなプール状の砂場へ向かう。数名のオバチャンが砂をかけてくれる。その砂が意外と重い。砂の圧力で自分の心臓の鼓動を手足に感じる。最近話題の加圧式トレーニングに近いものがあるかもしれない。

「そろそろ上がってください」との言葉で目が覚めた。いつの間にか眠ってしまったようだ。砂まみれの体をシャワーで流し、併設の浴槽に入る。風呂から上がり外のベンチで初めて知ったのだけど、ここの砂湯は砂の入ったプールに、高温の温泉を満たし砂を暖め、その後、温泉を抜き、その砂に漬かるシステム。地熱で暖められた砂に漬かるものと思っていたので、ちょっと、あれっ?て感じだった。指宿の砂湯はどうなんだろう・・・。

海浜砂湯から鉄輪温泉を目指して歩く。鉄輪温泉は山の手にある。けっこう上り坂だ。1時間半ぐらい歩き鉄輪温泉着。予約してある貸間旅館「双葉荘」は渋いというか?ひなびたというか?しなびたというか?なかなかの宿だった。宿の中庭に巨大な蒸気井戸(こんな名前で呼んでいいのかな?)があり、周囲は蒸気にあふれている。当然、熱いような気がするけど、風が強く、熱いのか寒いのか良く分からない。その巨大蒸気井戸の周りに地獄蒸し釜が並んでいる。

それらの装置はかなり古い。緑色のコケの様なものもついている。食事作成施設としては、湿っているのか?乾いているのか?清潔なのか?そうでもないのか?作ったものは美味いのか?そうでもないのか?よく分からないけど、なんとなく有り難味あふれる施設だった。

宿の隣の食材屋で「地獄蒸し用には何が良いのか?」相談し、豚バラ、卵、キャベツ、タマネギ、シメジ、ポン酢を購入。備え付けのざるに入れ蒸すこと20分。麦焼酎のお湯割りを飲みつつ、手作り地獄蒸しを食べたけど、美味しかったのか?そうでもなかったのか?今でもはっきりしない。ただ、七味唐辛子が欲しかった。翌日は七味唐辛子、豊後牛、豚マンを新規購入し、残った野菜を蒸しつつ食べた。しかし美味しかったか?たいした事無かったのか?今でも不明です。(2013.1.24)

◆行動記録
 7:00 別府観光港着
 8:00 竹瓦温泉
 9:00 出る
      アジ寿司、ビール、お茶(700円)
13:00 海浜砂湯
      コンビニ(957円)
14:10 双葉荘着
      地獄蒸し材料(817円)

 【竹瓦温泉、渋い外観、内部も良い感じだ、入浴料100円、ロッカー代100円】

 【竹瓦温泉内湯】

 【竹瓦温泉の砂湯入り口。磨き上げられた床が美しい】

 【海浜砂湯。二つの砂場プール。交互に熱い温泉を入れて砂を暖めている】

 【鉄輪温泉双葉荘の地獄蒸し釜。蒸し時間も書いてある。】

 【鉄輪温泉・双葉荘、素泊まり1泊3500円+消費税、入湯税】

【双葉荘の蒸気井戸(?)、はっきり言ってすごい】

 【とりあえず上記蒸し用に調達した食料、〆て817円】

【鉄輪温泉には芝居小屋も健在、温泉にも入れるらしい、昔の尾張温泉東海センターを思い出す】

2013年1月23日水曜日

別府1・出発(2013.1.23)


冬は温泉だ。雪見酒を飲みつつ露天風呂につかるテレビの旅番組も良いけれど、最近寒さがこたえる。雪道の車の運転も煩わしい。だったら雪の無い温泉に行けば良い。さらにフェリーなら遠出も出来る。「若い頃はあえて困難に向かっていたのになあ・・・」、などと、ちょっと複雑な気分でサンフラワーで別府へ向かった。

今回の目的は以下の三点。
1.国東半島の石仏めぐり
2.鉄輪温泉の地獄蒸し体験
3.別府の共同浴場調査

現役時代、大分は仕事的関係も多く、何度も訪れているがフェリーで行くのは初めてだ。時間は有るけど金は無い年金生活にはフェリーは向いている。近鉄株主優待券とインターネット予約20%オフのフェリーチケットを握り締め大阪南港ATC(アジアトレードセンター)のフェリー乗り場に着いた。

この大阪の湾岸エリアの変貌はすごい。ATCも巨大な施設。隣にはWTC(ワールドトレードセンター)その他、何か良く分からない施設が林立している。WTCは大阪府庁が移転するとかしないとか話題となった巨大建築。サンフラワーの横には市が所有する帆船なんぞも停泊している。

しかし、それら施設に共通することは“人がいない”。ATCの上階はアウトレットと称したテナントが入っているけど、はっきり言ってお客は私一人だけ。大袈裟だけど・・・。ところどころシャッターの下りた店も有るけど、開いている店は多い。良く経営が成り立つものだ。閉めるに閉めれない何かがあるのだろうか・・・?

フェリーは一番安い船室。昔は「二等船室」と言ったと思うけど、今は「ツーリスト」と呼んでいる。そこには昭和の香りが満ち満ちていた。客層の高齢化は当然だけれど、雰囲気は懐かしかった。全席指定と称する幅90センチほどの布団の指定席。とりあえずご近所さんに挨拶する。皆さん、親切だ。「どこから来た?」「どこへ行く?」「いくつだ?」「いつ帰る?」、、、などと話が弾み、宴会が始まったころ、船は出港していた。

この「ツーリスト」も空いていた。30席ほど指定席に客は7人。私の向かいは昭和10年生まれのオジイチャン。大分の山奥から出て大阪で働き、今は悠々自適の隠居生活。昔から関西汽船のフェリーを利用していたとかで面白い話が多かった。適度に酔い、船のエンジンの振動が心地良く眠気を誘う。(2013.1.23)

◆行動記録

12:01 近鉄名古屋(株主優待)
13:19 近鉄中川
15:30 近鉄難波
      300円:天ぷらうどん
16:25 難波発
17:00 トレードセンター前(地下鉄270円)
      8480円:別府まで(ネット割引)
      3792円(食料、酒、タバコ、マッサージ器)
17:05 出港
20:15 明石海峡大橋通過

 【出港前のサンフラワーフェリーターミナル】

 【サンフラワーの煙突の背後はWTC。西日本最大のビルだとか。でも府庁移転は震災問題で難航してるらしい。】

 【こちらはフェリー乗り場があるATC。巨大施設なるも客おらず。】

【夜8時過ぎ、明石海峡大橋を過ぎる。巨大建造物にただただ驚く。】

2013年1月20日日曜日

三上山・海住山寺(2013.1.20)


二上山の次だから三上山と言う訳ではないけれど、三上山へ登ってきた。ふつう三上山といえば東海道線で彦根を過ぎて左手に見える山を指す。近江富士とも呼ばれる円錐形の山だけど、それは「ミカミヤマ」。近くには御神神社(ミカミジンジャ)なんぞも有ってそれなりに由緒正しい山だ。以前登ったことも有るけど、けっこうシンドかった記憶がある。今回登ったのは「ミカミヤマ」ではなくて「サンジョウサン」と呼ぶらしい。

場所は、京都と奈良の間、昔は山城の国と呼ばれていた地域で、JR関西線加茂駅から歩き出し、ゴールはJR奈良線の棚倉駅。加茂は古い町で関西線の南側には浄瑠璃寺、岩船寺などがある。そちら方面も冬の陽だまりハイクには向いていると思うけど、今回は北へ向かって歩きだす。

加茂の古い町並みを抜け、木津川を渡ると恭仁京の跡がある。恭仁京は奈良時代に4年ほどしか続かなかったらしいけど、その後に作られた山城国分寺の礎石が残っている。歴史の教科書の世界でしか知らなかった、そんな礎石に腰掛け持参のコーヒーを飲んでいると千年以上前の現実に少しだけ触れることが出来たような感慨を覚える。

恭仁京跡から海住山寺へ向かう。進行方向の山の中腹に海住山寺の大きな看板が見える。その看板に向かって急坂が続く。やっと看板に到着。加茂の町が見下ろせる。しかしお寺はさらに800m先。急坂はさらに続く。やっとの思いで海住山寺に到着。

話に聞いていた国宝の五重塔は美しかった。拝観料400円払って、オバチャンから説明を受ける。ここの五重塔は法隆寺、室生寺、醍醐寺に続き日本で4番目に古い塔だそうだ。4番目でも何番目でも良いけど、きわめてバランスの取れた美しい塔だ。特に1段目の屋根の下に広がる軒(正式な名前分からず?)が可愛い。

三上山へのルートは海住山寺の裏から鬱蒼とした樹林帯へ続いている。いったん下り、沢を渡り、林道を数回横切り1時間半ほどで山頂に着いた。里山の低山ハイクと侮っていたけど、標識が少なく、けっこう神経を使った行動だった。下りは「かいかけの道」と呼ばれているコースで棚倉駅まで歩いたけど最後はルートを外してしまった。かいかけの道沿いでは山城名物のタケノコ用竹林の手入れの最盛期。手入れされた竹林は美しいねー。(2013.1.20)

◆行動記録
 9:50 JR加茂駅
10:40 恭仁京跡
11:30 海住山寺(400円)      
12:20 冒険の道(林道分岐)
13:00 三上山山頂
14:45 JR棚倉駅
15:16 発
      名古屋まで(2210円)
15:58 JR木津
16:19 JR加茂
17:54 JR亀山
19:10 JR名古屋着

 【加茂は古い町だ】

 【町を流れる木津川は意外と大きい、水量も多い】

 【恭仁京の跡の国分寺の礎石】

 【恭仁京の跡の隣には木造校舎の小学校がある。それがまた良いんだわ・・・。】

 【海住山寺五重塔】

 【海住山寺から見た加茂の町】

 【三上山山頂のプレート】

 【山頂には展望台がある、その下にはベンチもある。快適だ】

 【下山時に歩いたかいかけの道、「かいかけ」の意味分からず】

 【山城タケノコの竹林。手入れの行き届いた竹林は美しいねえ】



2013年1月19日土曜日

二上山・當麻寺(2013.1.19)


久しぶりに目覚まし時計で起床、とは言っても、7時半だけど。その結果、9時の近鉄急行に乗ることが出来た。缶ビールを飲みつつ、二度寝を楽しみつつ近鉄中川、八木、橿原神宮で乗り換え、近鉄当麻寺駅から歩き始めたのは12時チョイ過ぎ。今日は當麻寺から二上山に登る計画だ。

奈良から少し外れ、チョイと不便な當麻寺だけど、私の好きな寺の一つだ。開放的な境内、渋い本堂、東西二つの三重塔も良いけれど、なんといっても金堂の仏像が良い。適度な明るさの中の四天王は細部まで良く見える。法隆寺と東大寺戒壇堂の四天王の間に作られた日本で二番目に古い四天王だそうだ。法隆寺から徐々に写実的になっていく造形の過程が実感できる。でも、稚拙に見える法隆寺の四天王が一番凄みを感じるけどね・・・。

當麻寺から標識に従い、二上山へ向かう。この日は陽射しも無く寒い日だった。傘堂まで来たとき、二上山の馬の背から吹き降ろす強風にあおられる。その瞬間、撤退を決意。なんせ、無理して登る理由が無い。

二上山の山麓を回るのどかな散歩道をのんびり歩く。途中で綺麗に手入れされた造り酒屋発見。名前は中川酒造。地酒は「透泉」でワンカップも売っていた。一個購入(200円)。もう、山に登ることもないので、その先の道の駅「ふたかみパーク當麻」で味見してみる。煮込んだコンニャク(1串100円)を肴に飲んでみた。その酒が良かった。戻って、お土産用に買い足すことも考えたけど、重くなるのでやめといた。

その後、道の駅の向かいにある「二上山ふるさと公園」へ向かってみる。「展望台へ」の表示がある。二上山の代わりに展望台にでも登ろうと、向かってみたけど甘かった。その展望台は見たことも無いような一直線の巨大石段があった。全部で465の石段。その石段も一直線に作られている。遥か彼方にゴールが見える。そんな石段を目の前にすると、なぜか登りたくなってしまう。登り始めた瞬間、酔いが回ってくる。すぐに息が上がり、気持ちが悪くなる。こんなことなら飲まなければ良かった。でも、ここの石段は一見の価値が有る。上から見下ろすと八方尾根のジャンプ台を思い出す。その後、阿部野橋の居酒屋で本日の行動停止。阿部野橋の居酒屋は女性客であふれていた。世の中変わったねー・・・。(2013.1.19)

◆行動記録
 9:01 近鉄名古屋
10:20 近鉄中川
11:35 近鉄八木
11:55 近鉄橿原神宮
12:15 当麻寺
      拝観料(500円)
      奥の院(300円)
14:00 傘堂
15:10 二上山ふるさと公園展望台
      トウセンワンカップ(200円)
      酒粕(350円)
      串コンニャク(100円)
16:10 近鉄二上神社駅
      でっち羊羹(350円)
      阿部野橋まで近鉄(480円)
17:00 阿倍野橋

 【正面・當麻寺本堂、左・金堂、右・講堂】

 【奥の院には寒牡丹が咲いていた】

 【奥の院からは東西二つの三重塔が見える】

 【西塔、現在工事中で近づけず】

 【二上山麓の造り酒屋、中川酒造、そこのトウセンワンカップ(200円)は美味かった。そのトウセンワンカップは道の駅で250円で売っていたことを付け加えます。】

 【二上山ふるさと公園展望台へ向かう巨大石段】

 【上から見下ろすとジャンプ台だ。蒲田行進曲の階段落ちをふと思い出した。ここから落ちたら命無いだろうなー・・・。】

 【展望台から二上山へ向かう登山道もある。その途中のピークまで行ってみたが、尾根を越えると山深い感じ】

【大阪阿部野橋の居酒屋、女性客グループがやけに目立つ】

2013年1月13日日曜日

伏見稲荷(2013.1.13)


去年の冬、初めて伏見稲荷に行った。有名な千本鳥居をくぐり、奥の院まで行った。けっこう長い石段だったのでそれで終わりと思っていたけど、数日前、BSの番組でその先も稲荷山山頂まで千本鳥居は続くことを知った。それじゃ、再度行ってみるか、と言うわけで、再度の出撃。ついでにそこから京都一周トレイル東山コースに入り南禅寺まで歩く作戦だ。

伏見稲荷へ行く前に京阪中書島駅から伏見の酒蔵めぐり。新年の酒蔵開きイベントで大勢の人が出ている。酒造組合に新酒試飲の行列が出来ている。以前来たときも新酒試飲イベントをやっていた。そのときは確か無料だったと記憶しているが、今回は試飲券200円。その試飲券で二種類の新酒が飲めるらしい。

昼間から特に酒を飲みたいわけでもないけれど、多くの人が200円の試飲券を買い求め並んでいる。きっと、何か「良いこと」があるんだ、と、勝手に解釈し私も200円の試飲券を握り締め列に並ぶ。並ぶこと数分、やっと試飲コーナーに到着。小さな、ほんとに小さな紙カップに注がれた新酒2杯。一礼して頂く。その後、他に特段「良いこと」も無く試飲終了。なんで、皆さん並ぶのだろう?新年早々不可解な試飲行列でありました。さらに進むと、なんと無料試飲コーナー発見。200円が惜しくて言うわけではないけれど、最初からここへ来ればよかった、と、思うのは私だけだろうか・・・。

新酒試飲の他にも粕汁も200円。その粕汁は良かった。ふつう粕汁といえば塩鮭が入るけど、ここのは鶏肉が入っていた。大根、コンニャク、ニンジンと鶏肉の粕汁はしみじみ京都の味だった。

その後も、別のところでも行列発見。次は失敗しないよう、最後尾のオバチャンに「これは何の列ですか?」と聞いてみる。オバチャン曰く「よく分からんけど、あんたも並びはったら?」とのお答え。要するに何の行列でも良くて、並ぶことに意味があるらしい。平和な新春でありました。

新酒試飲関係で時間を費やしたので、時間がなくなってきた。すべて歩き通すことは困難な気配。丹波橋から伏見稲荷まで京阪電車に乗ることにした。京阪伏見稲荷駅は人波にあふれていた。人の流れに乗りつつ、千本鳥居の石段をひたすら登る。

四辻まで来た。京都の街が見下ろせる。コーヒーを飲みつつ一休み。千本鳥居はまだまだ続くが、人の多さに耐え切れず、そこから京都一周トレイルのルートに入ることにする。こちらのルートに入ると人影は無くなる。静かなコースだ。時々、住宅街などを突っ切り、ルートを失わないようにコース標識に注意しつつ歩く。

泉涌寺、今熊野観音を越え、国道1号線を地下道でわたり、清水寺の裏山の清水山、将軍塚と木々の間の道をのんびり歩く。昔から疑問だったけど将軍塚の将軍とは誰のことなんだろう。将軍塚に行き着き確認してみれば坂上田村麻呂のことらしい。将軍塚の説明版に書いてあった。坂上田村麻呂が初代征夷大将軍だったということか。勉強になるなー・・・。

将軍塚で京都の街を見下ろしつつ、気がついた。昼食をまだ食べてない。気がついた途端、急に腹が減ってくる。将軍塚から知恩院へ下り、八坂神社近くの蕎麦屋で遅めの昼食。食事の前に冷酒を頼む。歩いた後の日本酒が体にしみる。アテは蕎麦豆腐と鴨ロースの炙り。あまりの旨さに二杯目注文。蕎麦を食べることも無く、ヘロヘロになって京都駅まで歩く。蕎麦は食べなかったけど京都駅近くの新福菜館でラーメンを食べ、電車に乗る。当然、新幹線ではなく在来線の新快速。新幹線ではゆっくり眠れない。幸い座ることが出来、あっという間に熟睡。気がつけば乗り換えの米原だった。(2013.1.13)


◆行動記録
10:10 京阪中書島
      新酒試飲(200円)
      粕汁(200円)
11:20 京阪丹波橋
11:30 京阪伏見稲荷
12:00 伏見稲荷熊鷹社
12:10 三ツ辻
12:20 四ツ辻
13:00 今熊野観音
13:50 国道
14:20 清水山
14:45 将軍塚
15:20 知恩院
15:40 蕎麦屋・千角
      冷酒2、ビール1、蕎麦豆腐、鴨ロース炙り(3000円ぐらい))
16:40 京阪祇園四条
17:20 新福菜館(ラーメン650円)
18:01 JR京都発(名古屋まで2700円ぐらい)

 【酒蔵開き試飲行列】

 【伏見稲荷は人の波】

 【千本鳥居、不思議な明るさだ】

 【奥の院の先も人波は続く】

 【四つ辻で京都一周トレイルに入ると人影は消える】

 【今熊野観音】

 【京都一周トレイルを歩くにはこんな標識も見落とせない】

 【将軍塚から市内を見下ろす】

 【知恩院の山門は大きく美しい】

【八坂神社近くの蕎麦屋(千角)、落ち着いた良い店だ】