国東半島は不思議なところだ。かなり古くから栄えた地域らしいけど、現在は忘れられたような沈んだ空気に満ち満ちている。奈良や京都のような修学旅行やお隣の国々からの観光客も少ないようだ。事前の情報では石仏が多いらしい。写真で見る石仏はなんとなく愛嬌があるものの、妙なリアリティーが感じられる。
初めての国東半島なので土地勘も無く、どこへ行けばいいのかも良く分からない。駅の観光案内所で情報収集。大分交通の定期観光バス「国東半島史跡めぐり」に乗ることにする。朝7時半宿を出て、歩いて別府駅へ向かう。方向を定め、適当に歩く。バスは9時15分発。十分時間は有ると思ったけど、あちこち歩いているうちに、時間がなくなってきた。最後は小走りに駅へ向かう始末。
バスが来た。乗客は30歳前後のオニイチャン一人。その後も乗ってくる人は無く参加者は総勢2名。その2名のためにバスガイド、運転手のスタッフ2名。バス会社も大変だなー・・・。でも、バスガイドさんの説明はしっかりしており、拝観料込みで一日遊べて4950円。ミカンのサービス、お土産に「竹製孫の手」もいただいた。
国東半島も初めてだけれど、定期観光バスにのるのも初めて。スタッフ含めて総勢4名の団体観光は家族的雰囲気に満ち溢れ非常に楽しい経験だった。オニイチャンは千葉からの一人旅。有給休暇をとって九州を回っているらしい。前日、臼杵の石仏を見てきたという。「仏像を見るとなぜか心が落ち着く」などと殊勝なことを言う若者だった。出来ることなら、お客のオニイチャンがオネエチャンだったならもっと楽しかったと思うけどね。この旅では鉄輪温泉の貸間旅館でも一人旅のオネエチャンが多かった。
両子寺では「峰入り」の話を聞いた。昔から国東半島の寺をすべて回る修行で、最近は10年に一度行われるとか。前回は平成22年に行われ、一般参加も許可されたとのこと。全行程150キロを4泊5日で40キロの荷物を持って走破する修行で、かなり厳しいものらしい。前回の「峰入り」では最近の高齢者登山ブームもあって、かなりの一般参加希望者が有ったらしい。しかし、にわか高齢者修行もけっこう大変だったようで、次回(平成32年予定)は一般参加を認めるかどうかは微妙らしい。10年も手入れされてない150キロの山道を歩くことは大変だろうなあ。(2013.1.25)
◆行動記録
6:00 起床
7:30 出発
8:45 JR別府駅
コーヒー、食料、タバコ(1301円)
観光バス(4950円)
宇佐八幡宮
富貴寺(国宝阿弥陀堂)
昼食(団子汁1050円)
真木大塔(九体の木造仏、特に不動明王が素晴らしい)
熊野麿崖仏
15:30 両子寺(ふたごじ)
16:30 JR別府駅
食料(1829円)
バス代(鉄輪温泉まで340円ぐらい)
【宇佐八幡宮の本殿、背後の本殿は修復中で見えず、境内は広い、国東半島のお寺はこの神社の関連施設だったとか。神社とお寺が仲良くする姿は日本的だ。】
【富貴寺の阿弥陀堂(国宝)、内陣に書かれた菩薩像に驚くほど鮮明なものあり】
【富貴寺山門の仁王像、国東半島の石造はなんとなく愛嬌がある】
【熊野麿崖仏へ向かう乱積の石段。古いものだ。一汗かいた】
【熊野麿崖仏・大日如来(向かって右)】
【熊野麿崖仏・不動明王(向かって左)、エラが張っているけど優しそうな不動明王だ】
【両子寺(ふたごじ)の仁王像、国東半島の石仏の中でもっとバランスが取れていると、言われている。両子寺は国東半島の中央に位置し、「峰入り」の最後の寺、いわば国東半島の寺の中心的存在だ】
【両子寺・奥の院への石段にも仁王像がいた】
【奥の院の裏手は洞窟になっている、そこに飲めば「不老長寿」の冷水あり、当然飲んだ】
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