奈良の南、明日香のさらに南に大きな城郭の山城がある。それが高取城だ。先週の竹田城址に触発されたわけではないけれど、冬の陽だまりハイクを兼ねて出かけてみた。アクセスは近鉄。当然、株主優待券使用の急行電車。株主優待券はチケットショップで1500円。特急には乗れないけれど、伊勢中川、八木、橿原神宮と乗り継いで約3時間でスタート地点の近鉄吉野線壺阪山駅に着く。
朝、ゆっくりの起床だったので、壺阪山到着は午後1時。駅で「てくてくマップ(壺坂・高取コース)」をゲット。それによればコースは11キロ。高取城址は標高584m。コースの長さ、標高差をい考えると、けっこう時間がかかるかもしれない。さらに冬の陽は短い。冬の夕暮れに風に吹かれて歩くのは寂しい。と、言うわけで、たまたま来た壺坂寺行きのバスに乗ることにした。これによって1時間以上行程を短縮することができる。
壺坂寺は「妻は夫を労わりつ、夫は妻に慕いつつ・・・」で有名な壺阪霊験記の舞台。今も、現世利益を求めて訪れる人も多い。特に眼病に効くらしい。「養護盲老人ホーム」も併設している。拝観料は600円。最近、視力も衰えてきている私としては、一瞬、お参りしていこうかとも思ったけど、とりあえず、まだ見えるので、時間も無いこととて高取城へそのまま向かった。
時々、雲から顔を出す日差しを楽しみつつ、風も無い登山道をのんびり歩く。1時間ほど登ると石垣が現れる。かなり古い石垣だ。ところどころ崩れそうな箇所もある。さらに登ると立派な城郭が現れる。先週の竹田城と比べても遜色ない。石垣を取り囲む木々が大きい。その木々に隠れるように城郭が広がるため全体が見えないけど、大きな山城だ。
最上部の本丸はモミジの落ち葉に一面覆われている。紅葉の時期にはさぞ美しかろう。本丸からは南に大台ケ原、大峰山系が望める。東には高見山のピラミッドが見える。風の無い本丸で持参のミカンを食べる。水も持たずに登ってきたのでミカンが美味い。
この高取城は「日本三大山城の一つ」と途中の看板に書いてあった。ほかの二つは「岩村城」「備中松山城」。それなら竹田城、七尾城、小谷城の立場はどうなるのか。さらに、荒城の月の「岡城」は・・・。
備中松山城は行った事ないけど、復元された構造物もなく、当然、茶店なんぞも無く、ただ昔の崩れかけた城郭だけが残っている城跡はなかなか趣き深い。突然、私の頭に三橋美智也が降りてきた。
下りは壺阪山駅へ向かってひたすら下る。山を降りたところに高取の町が広がる。高取城の城下町と言うことだ。この高取の町並みはなかなか渋い。中心の土佐は低い軒先の格子戸の家並みが続く。近鉄壺阪山駅から阿部野橋まで出て、地下街のあべの横丁の立ち飲み屋で一杯飲んで、この日の行動は終了。(2013.1.12)
◆行動記録
10:01 近鉄名古屋
12:40 近鉄八木
太巻き(580円)
12:50 近鉄南大阪線橿原神宮
13:05 近鉄吉野線壺阪山
13:20 壺坂寺
14:30 高取城跡
15:00 発
16:15 近鉄壺阪山駅
17:15 近鉄阿倍野橋
あべの横丁立ち飲み屋(2000円)
【壺坂寺】
【高取城の石垣は古い】
【本丸はモミジの落ち葉に覆われている】
【下山途中に猿石発見。明日香の猿石と同じ時代のものだとか。石垣の材料に運んだらしいが、途中で残置したらしい】
【高取山への入り口にある石碑】
【高取の街中の植村家長屋門。植村家は高取藩の家老だとか】
【高取の家並み】
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